プロローグ
豪華な客室に案内されたラリイは、自分の国の自室よりも
広い部屋で一人ぽつーんと取り残された。
メイド達も関わりたくないと言わんばかり、さっさと居なくなる。
全く、想像していなかった事態に、ラリイは困惑していた。
「結婚の申し込みがあって、来たはずなのに。
じゃ、あのまま言われた通り、数日だけここに居れば、
国に帰れるのかな?」
そう自分で呟いてみたものの、誰も返事をしてくれるものは居ない。
「もう・・・何なんだろう・・・私って。」
手持ち無沙汰になったラリイは、自分と一緒に運ばれた、
自分の荷物が入った、トランクケースを開ける。
そこには、当分の服やらなんやら入っていたが、ラリイは真っ先に
いつも大事にしてる、ウサちゃんシリーズと言う、
ウサギのぬいぐるみを取り出した。
「やっぱり、不安になったら、貴方を抱っこするのが一番だね♪」
ラリイは自分の大事にしているぬいぐるみに声を掛ける。
そして、ぬいぐるみのほっぺに自分の頬を重ねて、スリスリする。
王女とは言え、ラリイはまだ18歳の少女でしかないのだ。
不安だった気持ちは、更に不安になる。
「ネイル王ってあんな感じの人なんだ・・・」
さっきの出来事をラリイは思い出す。
整った美貌の持ち主ではあったが、自分を見る目は、限りなく
冷たかった。
あれは軽蔑してるのにも近い感じがする。
あんなにまで、他人から冷たくされたことが今までなかった
ラリイからすれば、とても悲しい事だった。
「噂と違ってる人だったらいいのになぁーって思ってたのに。
あの感じだと、本当に残酷な王様なのかもしれないね・・・
ねぇ?」
ぬいぐるみに話かけ、ラリイはやりきれない気持ちになった。
何もしてないのに、あそこまで嫌われる理由もないはずだと。
「ここにじっとしてても、しょうがないし。
少しお城の中を見せて貰おうかな?」
多分、この機を逃したら、二度とこの城に来ることは
ないだろうなーとラリイは思った。
まず相手が今後、招き入れてくれなさそうだし、何より、
こちらからとしても、二度と伺うのはごめんだ。
「父上とお兄様にお土産話でも出来たらいいなぁー」
そんな軽い気持ちで、ラリイは客室を出た。
城の中をあてもなく歩く。
ラリイに出逢うメイド達はぎょっとした顔をするが、
軽く会釈するとすぐに逃げるように立ち去る者ばかりだ。
まるで話しかけないで下さいと言わんばかりの態度。
ラリイはますます悲しい気持ちになって来た。
なんでこんなにも拒絶されているのか・・・
ラリイには知り由もない。
「うわぁー凄い!!」
城の一番上には屋上庭園があった。
下にある庭園も、もちろん綺麗ではあるが、こちらの屋上庭園も、
沢山の花壇があり、綺麗に整備されていた。
「うわーやっぱり大国だから、こんなに凄いのかなぁ?」
ラリイは花壇の花をそれぞれに見て楽しむ。
あんな見知らぬ部屋で一人ぼっちでいるより、ここに居た方がよっぽどいい。
すると、小鳥達がラリイの側に寄ってくる。
「あ、ドラゴネス国に居る、小鳥さん達だ!こんにちわ!」
「ピピピーピィー」
「うふふ、初めまして♪」
ラリイは小鳥達と会話を始める。
どこから来たとか、この国はどんな感じだとか、人と話すような
正確な言語ではないが、ラリイには鳥達の声が感覚で理解できるのだ。
「ふーん、そうなんだ。へぇー。」
自分の肩に乗って、しゃべりかけてくる小鳥に向かって、
ラリイは素直に頷いて聞いている。
鳥達が言うには、自然も豊かで悪い国ではないらしい。
楽しく、時間を忘れて、ラリイは屋上庭園にいたのだが、
急にカミーラに居場所を見つけられて、睨まれる。
「全く、部屋に居ないから、どこにいるかと思えば・・・」
「す、すいません・・・・」
また寂しい客室に戻されて、ラリイはしゅんとする。
「まぁ、節度を守って頂けるのなら、城内を歩くことは禁止しませんけどね。
・・・迷惑なのは変わらないですが。」
カミーラは飽きれながら、ラリイを見つつ、最後にボソッと嫌味を付け加える。
「ふぅ。それはそれとして、今日の夜は貴女を主賓として、
晩餐会に招きますので、そのつもりで居て下さい。」
「え?」
「え、じゃないです。私の言ってる意味がわかりませんか?」
「あ、いえ、そうじゃなくて・・・」
まさか、晩餐会に招いて貰えるとは思っていなかったので、
ラリイは驚いたのだ。
今日の今日で、あんな出迎え方をされれば、そう思っても仕方がないだろう。
ただ、ラリイは嫌な予感がしてならなかった。
この晩餐会に自分は参加していいのだろうかと。
広い部屋で一人ぽつーんと取り残された。
メイド達も関わりたくないと言わんばかり、さっさと居なくなる。
全く、想像していなかった事態に、ラリイは困惑していた。
「結婚の申し込みがあって、来たはずなのに。
じゃ、あのまま言われた通り、数日だけここに居れば、
国に帰れるのかな?」
そう自分で呟いてみたものの、誰も返事をしてくれるものは居ない。
「もう・・・何なんだろう・・・私って。」
手持ち無沙汰になったラリイは、自分と一緒に運ばれた、
自分の荷物が入った、トランクケースを開ける。
そこには、当分の服やらなんやら入っていたが、ラリイは真っ先に
いつも大事にしてる、ウサちゃんシリーズと言う、
ウサギのぬいぐるみを取り出した。
「やっぱり、不安になったら、貴方を抱っこするのが一番だね♪」
ラリイは自分の大事にしているぬいぐるみに声を掛ける。
そして、ぬいぐるみのほっぺに自分の頬を重ねて、スリスリする。
王女とは言え、ラリイはまだ18歳の少女でしかないのだ。
不安だった気持ちは、更に不安になる。
「ネイル王ってあんな感じの人なんだ・・・」
さっきの出来事をラリイは思い出す。
整った美貌の持ち主ではあったが、自分を見る目は、限りなく
冷たかった。
あれは軽蔑してるのにも近い感じがする。
あんなにまで、他人から冷たくされたことが今までなかった
ラリイからすれば、とても悲しい事だった。
「噂と違ってる人だったらいいのになぁーって思ってたのに。
あの感じだと、本当に残酷な王様なのかもしれないね・・・
ねぇ?」
ぬいぐるみに話かけ、ラリイはやりきれない気持ちになった。
何もしてないのに、あそこまで嫌われる理由もないはずだと。
「ここにじっとしてても、しょうがないし。
少しお城の中を見せて貰おうかな?」
多分、この機を逃したら、二度とこの城に来ることは
ないだろうなーとラリイは思った。
まず相手が今後、招き入れてくれなさそうだし、何より、
こちらからとしても、二度と伺うのはごめんだ。
「父上とお兄様にお土産話でも出来たらいいなぁー」
そんな軽い気持ちで、ラリイは客室を出た。
城の中をあてもなく歩く。
ラリイに出逢うメイド達はぎょっとした顔をするが、
軽く会釈するとすぐに逃げるように立ち去る者ばかりだ。
まるで話しかけないで下さいと言わんばかりの態度。
ラリイはますます悲しい気持ちになって来た。
なんでこんなにも拒絶されているのか・・・
ラリイには知り由もない。
「うわぁー凄い!!」
城の一番上には屋上庭園があった。
下にある庭園も、もちろん綺麗ではあるが、こちらの屋上庭園も、
沢山の花壇があり、綺麗に整備されていた。
「うわーやっぱり大国だから、こんなに凄いのかなぁ?」
ラリイは花壇の花をそれぞれに見て楽しむ。
あんな見知らぬ部屋で一人ぼっちでいるより、ここに居た方がよっぽどいい。
すると、小鳥達がラリイの側に寄ってくる。
「あ、ドラゴネス国に居る、小鳥さん達だ!こんにちわ!」
「ピピピーピィー」
「うふふ、初めまして♪」
ラリイは小鳥達と会話を始める。
どこから来たとか、この国はどんな感じだとか、人と話すような
正確な言語ではないが、ラリイには鳥達の声が感覚で理解できるのだ。
「ふーん、そうなんだ。へぇー。」
自分の肩に乗って、しゃべりかけてくる小鳥に向かって、
ラリイは素直に頷いて聞いている。
鳥達が言うには、自然も豊かで悪い国ではないらしい。
楽しく、時間を忘れて、ラリイは屋上庭園にいたのだが、
急にカミーラに居場所を見つけられて、睨まれる。
「全く、部屋に居ないから、どこにいるかと思えば・・・」
「す、すいません・・・・」
また寂しい客室に戻されて、ラリイはしゅんとする。
「まぁ、節度を守って頂けるのなら、城内を歩くことは禁止しませんけどね。
・・・迷惑なのは変わらないですが。」
カミーラは飽きれながら、ラリイを見つつ、最後にボソッと嫌味を付け加える。
「ふぅ。それはそれとして、今日の夜は貴女を主賓として、
晩餐会に招きますので、そのつもりで居て下さい。」
「え?」
「え、じゃないです。私の言ってる意味がわかりませんか?」
「あ、いえ、そうじゃなくて・・・」
まさか、晩餐会に招いて貰えるとは思っていなかったので、
ラリイは驚いたのだ。
今日の今日で、あんな出迎え方をされれば、そう思っても仕方がないだろう。
ただ、ラリイは嫌な予感がしてならなかった。
この晩餐会に自分は参加していいのだろうかと。