第五章「決意」
晩餐会は賑やかに終わり、ネイルは1人屋上庭園に来ていた。
「はぁ・・・疲れた。」
メディーナが居ると本当に落ち着かない気分になる。
今回は増して、ラリイと、どうにかならないか、余計な心配も
重なって、ますます疲れた気持ちになる。
「はぁ・・・いつまで続くんだこれ・・・」
「あんたが踏ん切りつくまでよ!」
「?!」
背後から、急にメディーナの声が聞こえて、ネイルは驚く。
「な、なんで、ここに?」
「あら?私はここに来ちゃ行けないのかしら?
もしかしたら、将来はここのもう一人の主になるかもしれないのに。」
メディーナはそう言ってネイルと対峙する。
「ねぇ?そろそろ結婚決めてくれない?
じゃないと、私が次のあんたの結婚候補にされちゃうんだけど?」
「うぅ、それは・・・」
ネイルはたじろぐ。そうだ、もしラリイと破談になれば、次は
メディーナになる可能性は大いにあり得るのだ。
昔から、ずっと候補には上がっていたのだから。
「私は嫌だからね。あんたみたいな情けない男。」
「お、俺だって、お前みたいな女は嫌だ。」
「あら?はっきり言ってくれるじゃない?
魔法戦では、まだ私に勝てないくせに。」
「く・・・」
メディーナに指摘されて、ネイルは悔しそうにする。
そんなネイルを見て、メディーナはケラケラ笑う。
「本当、お前は、そういうとこあるよな。」
「悪かったわね。だったら、さっさと結婚しちゃいなさいな。
あのラリイ王女様と。」
「だから、なんでそうなるんだよ。」
「いい子じゃない!あんな可愛くて、時として行動力もあって、
民からも慕われるような子。そう簡単に居ないわよ?」
「それは、そうだが・・・でもあいつには・・・」
「意中の人でもいるって言うの?
どうせ、あんたのことだから、ちゃんと確認してないんでしょ?」
「うっ・・・」
「ほら見なさい。」
「うるさい!
俺は・・・まだあの話だって、あいつにしてないし。」
「あら?私はざっとしておいたわよ?過去の婚約者の話でしょ?」
「はぁ?」
メディーナにあっさり言われて、ネイルは目を丸くする。
「女の子はそういうの凄く気にするからね。
だから、私がちゃんと話しておいたわよ。
ラリイ王女様は、そんなにショック受けた様子もなさそうだから大丈夫よ。」
「ど、どうして、そこまでお節介焼くんだよ・・・」
ネイルは倒れ込みそうになるのを必死に我慢する。
メディーナが呆れ顔でネイルに言う。
「もう、じれったいのよね。好きなんでしょ?本当は。
なのに、色々勝手に自分で悩んで。
確かにあんたは王様だけど、自分の気持ちも大事にしなさいよ。
一生の事なんだから。」
ベアードと同じようなことを言われて、ネイルは更に目を丸くする。
「そんな未練たらたらの王様の元になんか、絶対に私は
嫁がないから、それだけよ。じゃねーおやすみなさい。」
「あ、おい!」
メディーナは言うだけ言って、ネイルを残して帰っていった。
ネイルは唖然としつつ、メディーナにも何か思うところがあるのだと悟った。
「あれ?ネイル?」
「え?ラリイ?」
再び、誰かに声を掛けられたと思ったら、それはラリイだった。
「あの、メディーナ様は?ここに来てね。って言われたから
来たんだけど?」
「え?」
ラリイに言われた言葉を聞いて、ネイルはすぐに分かった。
わざとラリイをここに呼んだのだ。2人きりにさせる為に。
「別の用事が出来たとかで・・・先に帰ったぞ?」
ネイルはそれらしい嘘をついて、ラリイを誤魔化した。
ラリイは素直に、そうなんだ。と納得して、黙った。
「なぁ・・・ラリイ。」
「うん?何?」
ネイルは静かに空を見上げて、星を見ているラリイに話かける。
「国に帰ったら・・・あのクルクスって人と結婚するのか?」
「え?」
ネイルの言葉に、ラリイは不思議そうに答える。
「どうして?」
「どうしてって、あんなに仲良さそうだったし、そうなのかな?
って思って・・・」
「うーん、どうだろう?」
「え?」
ラリイの意外な言葉にネイルは驚く。ラリイは淡々と話を続ける。
「誰と結婚になるかは、わからないと思う。
他にもたくさんの婚姻話は出てたし・・・それに・・・」
「それに?」
「たぶん、結婚したら、もう二度とこんな自由な時間はないと
思うんだ。」
「どうしてだ?」
「それが私に望まれたものだから。きっと嫁いだ国で、
ずっとお祈りして、その国の発展を願う為に尽くすんだと思う。
だから、今後は自由な時間は必要以上には与えて貰えないと思う。」
ラリイは寂しそうな笑顔でネイルに言う。
「最初はね、ドラゴネス国に来た時も、そうだと思ったんだよ?
ただ、国の発展の為に祈ればいいのかな?って、でも来てみたら、
こんなに自由にさせて貰えて、最初はネイルに無視されたりとか
辛かった時もあるけど、今は凄く楽しいよ!」
「ラリイ・・・」
「でも、そんな我が儘もそろそろ駄目だよね・・・」
ラリイは悲しそうに星を見ていた。
ネイルは決意した。
「なら、やっぱり婚姻の試練の儀・・・俺としてみないか?」
「え?」
ネイルの言葉に、ラリイは我を疑った。
「はぁ・・・疲れた。」
メディーナが居ると本当に落ち着かない気分になる。
今回は増して、ラリイと、どうにかならないか、余計な心配も
重なって、ますます疲れた気持ちになる。
「はぁ・・・いつまで続くんだこれ・・・」
「あんたが踏ん切りつくまでよ!」
「?!」
背後から、急にメディーナの声が聞こえて、ネイルは驚く。
「な、なんで、ここに?」
「あら?私はここに来ちゃ行けないのかしら?
もしかしたら、将来はここのもう一人の主になるかもしれないのに。」
メディーナはそう言ってネイルと対峙する。
「ねぇ?そろそろ結婚決めてくれない?
じゃないと、私が次のあんたの結婚候補にされちゃうんだけど?」
「うぅ、それは・・・」
ネイルはたじろぐ。そうだ、もしラリイと破談になれば、次は
メディーナになる可能性は大いにあり得るのだ。
昔から、ずっと候補には上がっていたのだから。
「私は嫌だからね。あんたみたいな情けない男。」
「お、俺だって、お前みたいな女は嫌だ。」
「あら?はっきり言ってくれるじゃない?
魔法戦では、まだ私に勝てないくせに。」
「く・・・」
メディーナに指摘されて、ネイルは悔しそうにする。
そんなネイルを見て、メディーナはケラケラ笑う。
「本当、お前は、そういうとこあるよな。」
「悪かったわね。だったら、さっさと結婚しちゃいなさいな。
あのラリイ王女様と。」
「だから、なんでそうなるんだよ。」
「いい子じゃない!あんな可愛くて、時として行動力もあって、
民からも慕われるような子。そう簡単に居ないわよ?」
「それは、そうだが・・・でもあいつには・・・」
「意中の人でもいるって言うの?
どうせ、あんたのことだから、ちゃんと確認してないんでしょ?」
「うっ・・・」
「ほら見なさい。」
「うるさい!
俺は・・・まだあの話だって、あいつにしてないし。」
「あら?私はざっとしておいたわよ?過去の婚約者の話でしょ?」
「はぁ?」
メディーナにあっさり言われて、ネイルは目を丸くする。
「女の子はそういうの凄く気にするからね。
だから、私がちゃんと話しておいたわよ。
ラリイ王女様は、そんなにショック受けた様子もなさそうだから大丈夫よ。」
「ど、どうして、そこまでお節介焼くんだよ・・・」
ネイルは倒れ込みそうになるのを必死に我慢する。
メディーナが呆れ顔でネイルに言う。
「もう、じれったいのよね。好きなんでしょ?本当は。
なのに、色々勝手に自分で悩んで。
確かにあんたは王様だけど、自分の気持ちも大事にしなさいよ。
一生の事なんだから。」
ベアードと同じようなことを言われて、ネイルは更に目を丸くする。
「そんな未練たらたらの王様の元になんか、絶対に私は
嫁がないから、それだけよ。じゃねーおやすみなさい。」
「あ、おい!」
メディーナは言うだけ言って、ネイルを残して帰っていった。
ネイルは唖然としつつ、メディーナにも何か思うところがあるのだと悟った。
「あれ?ネイル?」
「え?ラリイ?」
再び、誰かに声を掛けられたと思ったら、それはラリイだった。
「あの、メディーナ様は?ここに来てね。って言われたから
来たんだけど?」
「え?」
ラリイに言われた言葉を聞いて、ネイルはすぐに分かった。
わざとラリイをここに呼んだのだ。2人きりにさせる為に。
「別の用事が出来たとかで・・・先に帰ったぞ?」
ネイルはそれらしい嘘をついて、ラリイを誤魔化した。
ラリイは素直に、そうなんだ。と納得して、黙った。
「なぁ・・・ラリイ。」
「うん?何?」
ネイルは静かに空を見上げて、星を見ているラリイに話かける。
「国に帰ったら・・・あのクルクスって人と結婚するのか?」
「え?」
ネイルの言葉に、ラリイは不思議そうに答える。
「どうして?」
「どうしてって、あんなに仲良さそうだったし、そうなのかな?
って思って・・・」
「うーん、どうだろう?」
「え?」
ラリイの意外な言葉にネイルは驚く。ラリイは淡々と話を続ける。
「誰と結婚になるかは、わからないと思う。
他にもたくさんの婚姻話は出てたし・・・それに・・・」
「それに?」
「たぶん、結婚したら、もう二度とこんな自由な時間はないと
思うんだ。」
「どうしてだ?」
「それが私に望まれたものだから。きっと嫁いだ国で、
ずっとお祈りして、その国の発展を願う為に尽くすんだと思う。
だから、今後は自由な時間は必要以上には与えて貰えないと思う。」
ラリイは寂しそうな笑顔でネイルに言う。
「最初はね、ドラゴネス国に来た時も、そうだと思ったんだよ?
ただ、国の発展の為に祈ればいいのかな?って、でも来てみたら、
こんなに自由にさせて貰えて、最初はネイルに無視されたりとか
辛かった時もあるけど、今は凄く楽しいよ!」
「ラリイ・・・」
「でも、そんな我が儘もそろそろ駄目だよね・・・」
ラリイは悲しそうに星を見ていた。
ネイルは決意した。
「なら、やっぱり婚姻の試練の儀・・・俺としてみないか?」
「え?」
ネイルの言葉に、ラリイは我を疑った。