第四章「友情」
「もう・・・5年前になるかな・・・ネイルにも婚約者居たの。
ラリイ王女様は、そのことはショック?」
「い、いえ、ネイルは王ですし、子供の頃から、婚約者が居ても、
おかしくないと思います。」
「うん。ネイルは一人っ子だったからねー王になるのは
確定だったし、あの頃はドラゴネスは同族結婚するのが
良いみたいな時期だったからねぇ・・・」
「なるほど・・・」
さっきまでの賑やかなメディーナと違い、真面目に話をしていく。
ラリイも神妙な気持ちで話を聞く。
「私とも友達だったんだけど、その婚約者の子ね。
大人しくて良い子だったんだけど、身体が弱くて・・・
ネイルと結婚出来る歳までは長生き出来なかったのよ。」
「そうだったんですね・・・」
病死したのだと、ラリイは知った。
「それもあるから、あいつは結婚に慎重なのよ。
あ、ごめんね、こんな暗い話して、でも、でもね?
もし、ラリイ王女様があいつのことを少しでもいいなーなんて
思ってくれたなら、覚えておいて欲しい話だと思ったから、
ついお話させて貰っちゃったわ。ネイルには内緒ね?」
「あ、はい。メディーナ様、大事なお話を有難うございます。」
「いいのーいいのー私のお節介みたいなものだから♪」
メディーナは紅茶の飲みながら、話しておきたいことが話せて、
すっきりしていた。
「ラリイ王女様には、ぜひ、ここに居て欲しいもんね。」
メディーナは心の中で一人そう呟いていた。
「レフィーネ・・・最近まで来なくて、ごめん。」
ネイルは、一人で、王家の墓の横にある、もう一つの
小さな墓に来ていた。
彼女の好きだった花を添えて、軽く祈る。
「レフィーネ。俺はどうしたらいいと思う・・・?」
答えが返ってくるわけはないのに、ネイルは聞いてしまう。
過去の自分の婚約者であった、レフィーネ。
ネイルにとっては、妹のような存在だった。
物静かで、優しい、可憐な女の子。
身体が弱いのもあったから、本が大好きな子で、ネイルと本の話をよくした。
ネイルはレフィーネなら、結婚してもいいと思っていたのに。
だが、それは叶わぬ願いとなってしまった。
彼女が病気で死んでしまったから。
「ネイルお兄様・・・
もし、私が死んで、他の方と結婚するなら・・・
お望みになってた、初恋の方と・・・出来るといいですね。」
レフィーネは最後に、そうネイルに言葉を残して、亡くなった。
その言葉もあったから、ネイルは結婚するなら、初恋だった
あの子にしようと固く決めたのだ。
それで、もし見つけられることが出来なかったら、
独身を貫こうと思ったのだ。レフィーネの事も想って。
しかし、最近、ラリイが来てから、状況が変わりそうになっていた。
祖母からの、まさかの婚姻の試練の儀を行えと言われる日が
来るとは思いもしてなかった。
「レフィーネ・・・もし婚姻の試練の儀をすることになったら、
お前は許してくれるか?
初恋の相手じゃないかもしれないけど・・・それでも・・・」
優しい風がネイルを包む、レフィーネの好きな花の香が香る。
まるで、肯定してくれてるかのような雰囲気を感じて、
ネイルは静かに笑った。
「レフィーネ・・・俺もそろそろ前を向くよ。また来る。」
ネイルは、静かにレフィーネの墓を去った。
ラリイ王女様は、そのことはショック?」
「い、いえ、ネイルは王ですし、子供の頃から、婚約者が居ても、
おかしくないと思います。」
「うん。ネイルは一人っ子だったからねー王になるのは
確定だったし、あの頃はドラゴネスは同族結婚するのが
良いみたいな時期だったからねぇ・・・」
「なるほど・・・」
さっきまでの賑やかなメディーナと違い、真面目に話をしていく。
ラリイも神妙な気持ちで話を聞く。
「私とも友達だったんだけど、その婚約者の子ね。
大人しくて良い子だったんだけど、身体が弱くて・・・
ネイルと結婚出来る歳までは長生き出来なかったのよ。」
「そうだったんですね・・・」
病死したのだと、ラリイは知った。
「それもあるから、あいつは結婚に慎重なのよ。
あ、ごめんね、こんな暗い話して、でも、でもね?
もし、ラリイ王女様があいつのことを少しでもいいなーなんて
思ってくれたなら、覚えておいて欲しい話だと思ったから、
ついお話させて貰っちゃったわ。ネイルには内緒ね?」
「あ、はい。メディーナ様、大事なお話を有難うございます。」
「いいのーいいのー私のお節介みたいなものだから♪」
メディーナは紅茶の飲みながら、話しておきたいことが話せて、
すっきりしていた。
「ラリイ王女様には、ぜひ、ここに居て欲しいもんね。」
メディーナは心の中で一人そう呟いていた。
「レフィーネ・・・最近まで来なくて、ごめん。」
ネイルは、一人で、王家の墓の横にある、もう一つの
小さな墓に来ていた。
彼女の好きだった花を添えて、軽く祈る。
「レフィーネ。俺はどうしたらいいと思う・・・?」
答えが返ってくるわけはないのに、ネイルは聞いてしまう。
過去の自分の婚約者であった、レフィーネ。
ネイルにとっては、妹のような存在だった。
物静かで、優しい、可憐な女の子。
身体が弱いのもあったから、本が大好きな子で、ネイルと本の話をよくした。
ネイルはレフィーネなら、結婚してもいいと思っていたのに。
だが、それは叶わぬ願いとなってしまった。
彼女が病気で死んでしまったから。
「ネイルお兄様・・・
もし、私が死んで、他の方と結婚するなら・・・
お望みになってた、初恋の方と・・・出来るといいですね。」
レフィーネは最後に、そうネイルに言葉を残して、亡くなった。
その言葉もあったから、ネイルは結婚するなら、初恋だった
あの子にしようと固く決めたのだ。
それで、もし見つけられることが出来なかったら、
独身を貫こうと思ったのだ。レフィーネの事も想って。
しかし、最近、ラリイが来てから、状況が変わりそうになっていた。
祖母からの、まさかの婚姻の試練の儀を行えと言われる日が
来るとは思いもしてなかった。
「レフィーネ・・・もし婚姻の試練の儀をすることになったら、
お前は許してくれるか?
初恋の相手じゃないかもしれないけど・・・それでも・・・」
優しい風がネイルを包む、レフィーネの好きな花の香が香る。
まるで、肯定してくれてるかのような雰囲気を感じて、
ネイルは静かに笑った。
「レフィーネ・・・俺もそろそろ前を向くよ。また来る。」
ネイルは、静かにレフィーネの墓を去った。