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第四章「友情」

「嘘!貴女がラリイ王女様なの!!可愛いー♪お人形さんみたい♪」
「あわわ、そんなメディーナ様こそ、美人で羨ましいです!!」

自己紹介もそこそこに、メディーナに、あれやこれやと言われて、
抱き付かれたりで、ラリイは、タジタジだった。
今のところ、メディーナはラリイに好印象のようだったので、
ネイルは少しだけホッとする。
もし、気に入らない存在だったら、ラリイにどんな態度を取るか、
ネイルは気が気じゃない。

「今日は、来るのが遅れちゃったから、何にも出来ないけど、明日、一緒にお茶会とかしてくれるかしら?」
「はい!ぜひ、こちらからもお願いします!」
「ウフフ、いい返事ね♪どっかの2人とはえらい違いよ。」
「え?」

メディーナの最後の言葉にラリイが不思議がる。
ネイルもカミーラもわざと無反応な振りをする。

「そうとわかったら!早速、準備しなきゃね♪
じゃーラリイ王女様!また明日♪」
「はい!」

メディーナは明日の予定を決めるだけ決めて、その準備の為に
すぐにいなくなった。
取り残された、ラリイ達は茫然としていた。

「す、凄い方だね・・・メディーナ様。」
「とりあえず、第一関門突破出来た感じだな。」
「そうですね。」
「うん?どういうこと?」
「気にするなラリイ。こっちの話だ。」
「我が姉ながら、本当に申し訳ありません。」
「はぁ・・・」

ネイル達の会話に、ラリイにとっては何が何やら
さっぱりわからない感じだった。

「それでねぇーそうなのよ!」
「そうなんですか!」
「そうそうーあいつなんかねー子供の頃はー・・・・」
「へぇーそうなんですねー」

次の日、朝食が終わり、ラリイの日課の祈りの儀式も終わって、
少ししてから、メディーナに誘われて、ラリイはお茶会をしていた。
メディーナの話はもっぱら、ネイル達が子供だった頃の話が中心だった。

「あいつねーヴァイオリン稽古の時に、先生があまりにも
厳しいから、途中で泣いちゃったのよー情けないでしょ?」
「うふふ、ネイルもそんなことあったんですね。
でも、私も子供の時はピアノの先生が厳しくて、稽古を
嫌がって泣いたことありますよ!」
「あら?ラリイ王女様みたいな素直な子でも?」
「私なんて・・・小さい頃はおてんば娘ってよく言われてました。」
「嘘!信じられない!こんなに大人しくて可愛い感じなのに!」
「そんな、そんな!」
「うふふ、ラリイ王女様にも意外な一面があるってことね?♪」
「お恥ずかしいです・・・」

メディーナにそう言われて、ラリイは照れてしまった。
2人の会話はとても楽しそうな雰囲気であった。
それをネイルとカミーラが遠くから見守る。

「メディーナ・・・余計なことを話してないだろうな・・・」

ネイルが憎らし気にメディーナを見て言う。
流石に2人の会話まではネイル達の元には届かない。

「姉上の事なので、どんな話をされているかは・・・」

カミーラも、姉がどんな話をラリイに振るのか想像がつかない。
2人は溜息ついて、ラリイ達を見てるしか出来なかった。

「そーいえば、あいつはラリイ王女様に、過去に婚約者が居たの話したかしら?」
「え?」

メディーナの突然の話題にラリイがびっくりする。
過去に婚約者が居た?そんな話は誰からも聞いたことがなかった。
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