プロローグ
大国だけあって、ドラゴネス国の城下町は凄い賑わいであった。
馬車もなんとか、通りを抜けて、城門に辿り着く。
盛大なラッパの音が突然鳴り響き、城門が開門していく。
そして、ベアードの誘導で馬車から、ラリイが降りると、城の出入り口の前で
不機嫌そうな長髪で緑髪の若い竜人の男と、その側に赤髪の目のきつい神経質そうな、また若い竜人の男が出迎えた。
「ようこそ、彼の地からお出で下さいました。ラリイ王女様。
こちらが、わが国の主である、ネイル様です。」
「は、初めまして。ネイル王様。」
赤髪の男の挨拶に、ラリイも答える。
だが、ネイルと言われた、緑髪の男は、ラリイの事を一切見ずに、
露骨に興味ありませんと言った態度だ。
「おい、ネイル。それはいくら何でも、女性に失礼だろうが!」
ベアードは慌てて、ネイルを嗜める。
ネイルは、面倒くさいと言わんばかりの態度でラリイを見て、
つまらなさそうに告げる。
「わざわざのお越し、ご苦労様です。
ですが、貴女と結婚するつもりはないので、数日滞在の後に
お帰りになって頂いて結構です。
では、俺は仕事があるのでこれで・・・」
自分の告げたいことだけを告げたネイル王は、何の未練もないと
言った感じで、さっさと城の中に戻って行った。
余りの事に、ラリイは口を開けてぽかーんとしてしまった。
「え?あの・・・?」
ラリイの戸惑いの声に、二人の竜人の男の溜息が重なる。
「ほら、こうなったでしょうが。
どうするつもりなんです?ベアード。
ただでさえ、最近ネイルは機嫌が悪かったと言うのに。
私に要らない仕事増やすの止めて貰っていいですか?」
「仕方がないだろうが!カミーラ。
じゃーネイルをこのまま独身でいさせる気か?
あれじゃー絶対に結婚しないままで終わるぞ?」
カミーラと言われた赤髪の竜人の男は、ベアードをきつく睨む。
目がきつめなだけに、その睨み具合は相当ヤバい。
だが、ベアードはいつものことなのか、何とも思ってない感じだった。
「大体、何で・・・こんな鳥頭を嫁にだなんて言いだすんだか。」
凄い軽蔑の眼差しで、カミーラはラリイを見る。
ラリイは恐怖で体が竦む。
「おい!ラリイ王女に失礼だろうが!」
ベアードはラリイを庇うようにカミーラの前に立った。
カミーラは、また溜息をついて、話を戻す。
「ああ、そうですね。一国の王女にこれは失礼致しました。
ですが、ネイルがあんな状態では、結婚するなんて、夢のまた夢な気がしますが?」
「いや、俺はラリイ王女なら、あのネイルも気に入ると思ってる。」
「はぁ?どこから、そんな自信が来るんですか?」
カミーラはベアードの言ってることが、さっぱり理解出来ないと首を振るう。
「いずれわかるさ。今は言えないが・・・」
「はぁ・・・そうですか。まぁ何でも結構ですが。」
と、言い、カミーラはラリイの方を見る。
「とは言え、このままフェニキアにお返しするのも、無礼と言うもの。
ネイル様はあんな調子ではありますが、どうぞ、ドラゴネス城で数日滞在して頂き、観光など楽しまれたのちにお帰りになって頂ければ幸いと存じます。どうぞ、こちらへ。」
言葉と裏腹に、確実に迎い入れたくないオーラが大全開である。
どうして、自分はここに来たんだろう?
ラリイはそれだけしか考えられなくなってしまった。
「ラリイ王女・・・本当にすまん・・・」
ベアードが心底申し訳なさそうにラリイに呟いた。
馬車もなんとか、通りを抜けて、城門に辿り着く。
盛大なラッパの音が突然鳴り響き、城門が開門していく。
そして、ベアードの誘導で馬車から、ラリイが降りると、城の出入り口の前で
不機嫌そうな長髪で緑髪の若い竜人の男と、その側に赤髪の目のきつい神経質そうな、また若い竜人の男が出迎えた。
「ようこそ、彼の地からお出で下さいました。ラリイ王女様。
こちらが、わが国の主である、ネイル様です。」
「は、初めまして。ネイル王様。」
赤髪の男の挨拶に、ラリイも答える。
だが、ネイルと言われた、緑髪の男は、ラリイの事を一切見ずに、
露骨に興味ありませんと言った態度だ。
「おい、ネイル。それはいくら何でも、女性に失礼だろうが!」
ベアードは慌てて、ネイルを嗜める。
ネイルは、面倒くさいと言わんばかりの態度でラリイを見て、
つまらなさそうに告げる。
「わざわざのお越し、ご苦労様です。
ですが、貴女と結婚するつもりはないので、数日滞在の後に
お帰りになって頂いて結構です。
では、俺は仕事があるのでこれで・・・」
自分の告げたいことだけを告げたネイル王は、何の未練もないと
言った感じで、さっさと城の中に戻って行った。
余りの事に、ラリイは口を開けてぽかーんとしてしまった。
「え?あの・・・?」
ラリイの戸惑いの声に、二人の竜人の男の溜息が重なる。
「ほら、こうなったでしょうが。
どうするつもりなんです?ベアード。
ただでさえ、最近ネイルは機嫌が悪かったと言うのに。
私に要らない仕事増やすの止めて貰っていいですか?」
「仕方がないだろうが!カミーラ。
じゃーネイルをこのまま独身でいさせる気か?
あれじゃー絶対に結婚しないままで終わるぞ?」
カミーラと言われた赤髪の竜人の男は、ベアードをきつく睨む。
目がきつめなだけに、その睨み具合は相当ヤバい。
だが、ベアードはいつものことなのか、何とも思ってない感じだった。
「大体、何で・・・こんな鳥頭を嫁にだなんて言いだすんだか。」
凄い軽蔑の眼差しで、カミーラはラリイを見る。
ラリイは恐怖で体が竦む。
「おい!ラリイ王女に失礼だろうが!」
ベアードはラリイを庇うようにカミーラの前に立った。
カミーラは、また溜息をついて、話を戻す。
「ああ、そうですね。一国の王女にこれは失礼致しました。
ですが、ネイルがあんな状態では、結婚するなんて、夢のまた夢な気がしますが?」
「いや、俺はラリイ王女なら、あのネイルも気に入ると思ってる。」
「はぁ?どこから、そんな自信が来るんですか?」
カミーラはベアードの言ってることが、さっぱり理解出来ないと首を振るう。
「いずれわかるさ。今は言えないが・・・」
「はぁ・・・そうですか。まぁ何でも結構ですが。」
と、言い、カミーラはラリイの方を見る。
「とは言え、このままフェニキアにお返しするのも、無礼と言うもの。
ネイル様はあんな調子ではありますが、どうぞ、ドラゴネス城で数日滞在して頂き、観光など楽しまれたのちにお帰りになって頂ければ幸いと存じます。どうぞ、こちらへ。」
言葉と裏腹に、確実に迎い入れたくないオーラが大全開である。
どうして、自分はここに来たんだろう?
ラリイはそれだけしか考えられなくなってしまった。
「ラリイ王女・・・本当にすまん・・・」
ベアードが心底申し訳なさそうにラリイに呟いた。