第四章「友情」
ネイルは気を取り直して、もう一つの話題に触れた。
「ラリイ、大事な話しがあるんだ。」
「え?」
「ゴートレスが言ってた話。」
「あ・・・」
ネイルの真面目な顔にラリイも真剣になる。
「鳥人と関わると禍が起こるみたいに言ってただろ?」
「うん。」
「あれは、50年程前になるかな、過去にもドラゴネスに、
鳥人の王族の女性が滞在していたことがあるんだ。
どういう理由では知らないが、結構活発な方だったらしい。」
「も、もしかして、フェニおばちゃまのことかな?」
「ラリイの知り合いなのか?!」
突然、ラリイが名前を出すので、ネイルは意外そうな顔をする。
「うん。短い期間だったけど、一緒に暮らしたことあるんだ。
とっても、優しい人で、面白くて、出来る限りの時間はいつも一緒に居たの。」
「へぇ、そうだったのか。」
ラリイはフェニのことを思い出す。
ラリイにとって、今の人生の中で、あれほど幸せな時はなかった。
フェニの話す話はどれも面白く、一緒に食べたお菓子は、
どれも美味しく、いつも優しくしてくれた。
ラリイが色々なレッスンを嫌がって泣いた日も、いつも慰めてくれた。
「フェニおばちゃま・・・」
ラリイは懐かしい人を思い出して少し涙目になる。
涙目になってるラリイに声を掛けようか、悩んだネイルだが、
そのまま話を続けることにした。
「ここからは、あくまで俺も人づてに聞いたことだから、その、怒らないで欲しいんだが・・・」
とネイルは前置きしてから、話を続ける。
「そのフェニ様と俺より3代目の前の王、俺の曾祖父だな。
その王の弟と、恋人関係のような感じになったらしい。
だけど、その弟を唆して、その弟を王にして、自分は
ドラゴネスの王妃の座を狙ったと。」
「そ、そんな!そんなことするような、人じゃないよ!!!」
信じられないと言わんばかりにラリイはネイルに言う。
あまりのラリイの取り乱し様に、ネイルも困惑する。
「信じたくないのはわかるが、これはあくまで人づてに聞いた話だから、
どこまで真実かは、俺もわからないんだ。」
「そうだった・・・ごめんね。ネイル。」
「いや、知り合いを悪く言われたら、そうなってもしょうがないと思う。」
ネイルも責められても、ラリイを怒れる気にはなれなかった。
「その所為で、激しい権力争いになったらしくて、
かなりの竜人の貴族が死んだらしい。
その恋人関係にあった、王の弟も。」
「そんな、酷いことに・・・」
「うん。で、それから、鳥人との付き合いは一時禁止になり、
大教会との関係も閉ざしたらしい。
だから、一部の貴族は今だに根深く、鳥人を特に王族の女性を恨んでる。
カミーラもその一人だ。」
ネイルにここまで、聞いて、ラリイは最初の日に何で、あんなにも憎まれていたのか、やっとわかった。
ネイルにも、凄く冷たくされたのも、その所為もあったのかと。
「ネ、ネイルも・・・本当はやっぱり鳥人は・・・嫌い?」
ラリイは、どんな答えが来るか、わからないのに、怖いと思って
いたのにも関わらず、ネイルに聞かずにいられなかった。
「過去は嫌いだった。ラリイに会うまではな。」
「え?」
「本当に今でも嫌いなら、あんな友人になってくれなんて、
皆の前でするわけないだろ?」
ネイルは優しく笑って言った。
ラリイはネイルの言葉が嬉しすぎて、大泣きしてしまった。
「え?おいおい、何もそこまで泣かなくても!」
こんなに泣かれるとは思わなかったネイルは慌てる。
まるで何かいじめて泣かしてしまったみたいではないか。
「だって、ぐすぅ、ネイルがそんな風に思ってくれたなんて、思わなかったんだもん。ぐすん。」
「だって、そう言うけど、ラリイはラリイだろ?
鳥人だからって、それだけで、すべて否定するなんて、
おかしいって俺は思ったんだよ。」
「ネイル・・・」
「俺は、自分の目で見たもの、感じたものを信じる。その上で、
ラリイは友人として信じられると思った。
だから・・・その・・・泣くなよな。」
ネイルは恥ずかしそうにしながら、ラリイをチラっと見る。
恥ずかしそうにしてるネイルを見て、ラリイはクスっと笑ってしまった。
「ラリイ、大事な話しがあるんだ。」
「え?」
「ゴートレスが言ってた話。」
「あ・・・」
ネイルの真面目な顔にラリイも真剣になる。
「鳥人と関わると禍が起こるみたいに言ってただろ?」
「うん。」
「あれは、50年程前になるかな、過去にもドラゴネスに、
鳥人の王族の女性が滞在していたことがあるんだ。
どういう理由では知らないが、結構活発な方だったらしい。」
「も、もしかして、フェニおばちゃまのことかな?」
「ラリイの知り合いなのか?!」
突然、ラリイが名前を出すので、ネイルは意外そうな顔をする。
「うん。短い期間だったけど、一緒に暮らしたことあるんだ。
とっても、優しい人で、面白くて、出来る限りの時間はいつも一緒に居たの。」
「へぇ、そうだったのか。」
ラリイはフェニのことを思い出す。
ラリイにとって、今の人生の中で、あれほど幸せな時はなかった。
フェニの話す話はどれも面白く、一緒に食べたお菓子は、
どれも美味しく、いつも優しくしてくれた。
ラリイが色々なレッスンを嫌がって泣いた日も、いつも慰めてくれた。
「フェニおばちゃま・・・」
ラリイは懐かしい人を思い出して少し涙目になる。
涙目になってるラリイに声を掛けようか、悩んだネイルだが、
そのまま話を続けることにした。
「ここからは、あくまで俺も人づてに聞いたことだから、その、怒らないで欲しいんだが・・・」
とネイルは前置きしてから、話を続ける。
「そのフェニ様と俺より3代目の前の王、俺の曾祖父だな。
その王の弟と、恋人関係のような感じになったらしい。
だけど、その弟を唆して、その弟を王にして、自分は
ドラゴネスの王妃の座を狙ったと。」
「そ、そんな!そんなことするような、人じゃないよ!!!」
信じられないと言わんばかりにラリイはネイルに言う。
あまりのラリイの取り乱し様に、ネイルも困惑する。
「信じたくないのはわかるが、これはあくまで人づてに聞いた話だから、
どこまで真実かは、俺もわからないんだ。」
「そうだった・・・ごめんね。ネイル。」
「いや、知り合いを悪く言われたら、そうなってもしょうがないと思う。」
ネイルも責められても、ラリイを怒れる気にはなれなかった。
「その所為で、激しい権力争いになったらしくて、
かなりの竜人の貴族が死んだらしい。
その恋人関係にあった、王の弟も。」
「そんな、酷いことに・・・」
「うん。で、それから、鳥人との付き合いは一時禁止になり、
大教会との関係も閉ざしたらしい。
だから、一部の貴族は今だに根深く、鳥人を特に王族の女性を恨んでる。
カミーラもその一人だ。」
ネイルにここまで、聞いて、ラリイは最初の日に何で、あんなにも憎まれていたのか、やっとわかった。
ネイルにも、凄く冷たくされたのも、その所為もあったのかと。
「ネ、ネイルも・・・本当はやっぱり鳥人は・・・嫌い?」
ラリイは、どんな答えが来るか、わからないのに、怖いと思って
いたのにも関わらず、ネイルに聞かずにいられなかった。
「過去は嫌いだった。ラリイに会うまではな。」
「え?」
「本当に今でも嫌いなら、あんな友人になってくれなんて、
皆の前でするわけないだろ?」
ネイルは優しく笑って言った。
ラリイはネイルの言葉が嬉しすぎて、大泣きしてしまった。
「え?おいおい、何もそこまで泣かなくても!」
こんなに泣かれるとは思わなかったネイルは慌てる。
まるで何かいじめて泣かしてしまったみたいではないか。
「だって、ぐすぅ、ネイルがそんな風に思ってくれたなんて、思わなかったんだもん。ぐすん。」
「だって、そう言うけど、ラリイはラリイだろ?
鳥人だからって、それだけで、すべて否定するなんて、
おかしいって俺は思ったんだよ。」
「ネイル・・・」
「俺は、自分の目で見たもの、感じたものを信じる。その上で、
ラリイは友人として信じられると思った。
だから・・・その・・・泣くなよな。」
ネイルは恥ずかしそうにしながら、ラリイをチラっと見る。
恥ずかしそうにしてるネイルを見て、ラリイはクスっと笑ってしまった。