第四章「友情」
「本当にいいのか?帰らなくて?」
「うん。まだ、私はやらなきゃいけないことが、
ここにあるような気がするし・・・
それにやっとネイルと友達になれたのに、すぐお別れは
寂しいと思って・・・」
「ラリイ・・・お前・・・」
クルクスを正門で見送りながら、ラリイはネイルに言う。
ネイルも複雑な気持ちながらも、内心はちょっと嬉しいと
思っていた。
ネイルにはラリイにどうしても、解いておきたい誤解があるからだ。
「何故?一緒にフェニキアに帰城しよう、ラリイ。
フェルオリア様も、アディリス様もかなり心配されてる。」
あれから、2日程クルクスもドラゴネスに滞在し、ラリイと一緒に過ごした。
ラリイが実はいつでも国に戻って、良い状態だと知った時、
クルクスはラリイにすぐに国に一緒に戻ろうと何度も言った。
ラリイがここで、肉体的にも精神的にも、良い生活を
送っているとは思えなかったからだ。
だが、ラリイはクルクスに国に戻るのを断る。
「クルクス様、私はまだここで、やらないといけないことがあるんです。
だから、もうしばらく、ここに居ます。」
「何をするんだい、ラリイ?
なら、私も手伝おう。そして、一刻も早く、帰ろう。私達の国に。」
クルクスも簡単には引き下がらなかった。
今後も、あんな内戦など、危険なことにラリイが巻き込まれないと
は言えなかったからだ。
けど、ラリイの意志は固かった。
結局、クルクスはラリイを説得することが出来ないと悟り、
もう無理に一緒に帰ろうと言うのは止めた。
幼馴染みだから知っている。ラリイは一度決めたら、絶対にやる子だと。
「すぐに連絡が取り合える伝書鳥を、ラリイの元にすぐに遣わせるから、絶対にいつも側に置いて欲しい。」
クルクスはそれだけはラリイに約束させた。
ラリイも、クルクスを安心させる為に笑顔で承諾した。
「ラリイ王女様、この度は我が国の為に、あんなにもご協力して頂き、
心から感謝いたします。
この恩は、私を始め、民も忘れないでしょう。
これからは、どうぞ、良き友人として、我が国に交流を持って
頂けるよう、再度ここにお願い致します。」
戦いが終わり、次の日にネイルは約束通りにすぐにラリイに
友人になって貰えるように、感謝しつつ、願い出た。
この申し込みは、王の間で、ネイルはラリイの前で膝を折り、
頭を下げ、厳粛に行われた。
これは、貴族達も見守ってる中でされたので、かなり凄い事態である。
一部の者が知っている、鳥人との確執が改善されることを王自身が
下の者に示していたのだ。
ラリイも、これが凄い事態だとわかり、顔が真っ赤に
なったままで、何とか、返事が出来た感じだった。
ネフィリートは、凄く満足した様な顔で、ネイルとラリイを
見守り、ベアードもちょっと泣いていた。
カミーラは少し複雑な顔をしていたが、
流石に今回のラリイの功績には感謝するしかなかった。
クルクスを見送ってから、ネイルはラリイを誘って、
自分の部屋に招き入れた。
部屋に入ってすぐ、ラリイにあるプレゼントを渡す。
「友人になった証に、お前にこれやる。」
「え?」
ラリイはいきなり、ネイルに箱を渡され、びっくりした顔でネイルを見る。
そして、ドキドキしながら、箱の中身を見る。
「う、嘘!これ!あの幻の限定のウサちゃん?!!!」
ラリイは箱からウサギのぬいぐるみを取り出して、驚愕する。
それは、ドラゴネス国で短い期間でしか、売られなかった、
ファンの間では幻と名高いウサちゃんシリーズの1体だった。
「い、いいの?だって、これかなり貴重なものじゃ・・・」
「いいんだ、俺はもう1体、持ってるから。」
「え?」
ラリイはネイルのその言葉にも驚く。
「もしかして、ネイルもウサちゃんシリーズ好きなの?」
「ああ、ここだけの話だけどな。俺も好きなんだ。
ウサちゃんシリーズのファンクラブの会員でもあるぞ。」
「嘘?!何番なの?!」
「うん?5番だけど?」
「えええええ!私より若い番号だ!!!」
ラリイでも、12番だっただけに、驚きっぱなしである。
「まー俺は発足するって前に知ってたから、すぐに申し込んだし、その頃にはすでに王だったしな。」
ネイルは少し自慢げにラリイに言った。
そんなネイルにラリイは羨ましそうにする。
「いいなぁー王様だとやっぱり優遇されるのかな?」
「いや、そんなことはないだろう。あの作者はそういう、
えこひいきみたいなの嫌いらしいからな。」
「へぇー」
ラリイはただただ、ネイルの言葉に感心していた。
どうやら、これは相当詳しそうだ。
「なぁ、ラリイに聞きたいんだけど?」
「うん?何?」
「羽の生えた、究極の幻のウサちゃんがあるのって知ってるか?」
「え?そんなのあるの?」
「やっぱ、知らないか・・・」
「うん、ごめん、知らない・・・」
ネイルに露骨に残念がられて、ラリイはつい謝ってしまう。
ネイルはラリイに謝らせてしまったことに気づいて、すぐに話かける。
「あ、いや、こっちこそ、ごめん。この話は忘れてくれ。」
ネイルは、ラリイなら、欲しい情報を持ってるかもしれないと、
思ってただけに、かなり残念だった。
もしかしたら、過去の自分の恩人に関わる情報が聞けたかもしれないと。
「うん。まだ、私はやらなきゃいけないことが、
ここにあるような気がするし・・・
それにやっとネイルと友達になれたのに、すぐお別れは
寂しいと思って・・・」
「ラリイ・・・お前・・・」
クルクスを正門で見送りながら、ラリイはネイルに言う。
ネイルも複雑な気持ちながらも、内心はちょっと嬉しいと
思っていた。
ネイルにはラリイにどうしても、解いておきたい誤解があるからだ。
「何故?一緒にフェニキアに帰城しよう、ラリイ。
フェルオリア様も、アディリス様もかなり心配されてる。」
あれから、2日程クルクスもドラゴネスに滞在し、ラリイと一緒に過ごした。
ラリイが実はいつでも国に戻って、良い状態だと知った時、
クルクスはラリイにすぐに国に一緒に戻ろうと何度も言った。
ラリイがここで、肉体的にも精神的にも、良い生活を
送っているとは思えなかったからだ。
だが、ラリイはクルクスに国に戻るのを断る。
「クルクス様、私はまだここで、やらないといけないことがあるんです。
だから、もうしばらく、ここに居ます。」
「何をするんだい、ラリイ?
なら、私も手伝おう。そして、一刻も早く、帰ろう。私達の国に。」
クルクスも簡単には引き下がらなかった。
今後も、あんな内戦など、危険なことにラリイが巻き込まれないと
は言えなかったからだ。
けど、ラリイの意志は固かった。
結局、クルクスはラリイを説得することが出来ないと悟り、
もう無理に一緒に帰ろうと言うのは止めた。
幼馴染みだから知っている。ラリイは一度決めたら、絶対にやる子だと。
「すぐに連絡が取り合える伝書鳥を、ラリイの元にすぐに遣わせるから、絶対にいつも側に置いて欲しい。」
クルクスはそれだけはラリイに約束させた。
ラリイも、クルクスを安心させる為に笑顔で承諾した。
「ラリイ王女様、この度は我が国の為に、あんなにもご協力して頂き、
心から感謝いたします。
この恩は、私を始め、民も忘れないでしょう。
これからは、どうぞ、良き友人として、我が国に交流を持って
頂けるよう、再度ここにお願い致します。」
戦いが終わり、次の日にネイルは約束通りにすぐにラリイに
友人になって貰えるように、感謝しつつ、願い出た。
この申し込みは、王の間で、ネイルはラリイの前で膝を折り、
頭を下げ、厳粛に行われた。
これは、貴族達も見守ってる中でされたので、かなり凄い事態である。
一部の者が知っている、鳥人との確執が改善されることを王自身が
下の者に示していたのだ。
ラリイも、これが凄い事態だとわかり、顔が真っ赤に
なったままで、何とか、返事が出来た感じだった。
ネフィリートは、凄く満足した様な顔で、ネイルとラリイを
見守り、ベアードもちょっと泣いていた。
カミーラは少し複雑な顔をしていたが、
流石に今回のラリイの功績には感謝するしかなかった。
クルクスを見送ってから、ネイルはラリイを誘って、
自分の部屋に招き入れた。
部屋に入ってすぐ、ラリイにあるプレゼントを渡す。
「友人になった証に、お前にこれやる。」
「え?」
ラリイはいきなり、ネイルに箱を渡され、びっくりした顔でネイルを見る。
そして、ドキドキしながら、箱の中身を見る。
「う、嘘!これ!あの幻の限定のウサちゃん?!!!」
ラリイは箱からウサギのぬいぐるみを取り出して、驚愕する。
それは、ドラゴネス国で短い期間でしか、売られなかった、
ファンの間では幻と名高いウサちゃんシリーズの1体だった。
「い、いいの?だって、これかなり貴重なものじゃ・・・」
「いいんだ、俺はもう1体、持ってるから。」
「え?」
ラリイはネイルのその言葉にも驚く。
「もしかして、ネイルもウサちゃんシリーズ好きなの?」
「ああ、ここだけの話だけどな。俺も好きなんだ。
ウサちゃんシリーズのファンクラブの会員でもあるぞ。」
「嘘?!何番なの?!」
「うん?5番だけど?」
「えええええ!私より若い番号だ!!!」
ラリイでも、12番だっただけに、驚きっぱなしである。
「まー俺は発足するって前に知ってたから、すぐに申し込んだし、その頃にはすでに王だったしな。」
ネイルは少し自慢げにラリイに言った。
そんなネイルにラリイは羨ましそうにする。
「いいなぁー王様だとやっぱり優遇されるのかな?」
「いや、そんなことはないだろう。あの作者はそういう、
えこひいきみたいなの嫌いらしいからな。」
「へぇー」
ラリイはただただ、ネイルの言葉に感心していた。
どうやら、これは相当詳しそうだ。
「なぁ、ラリイに聞きたいんだけど?」
「うん?何?」
「羽の生えた、究極の幻のウサちゃんがあるのって知ってるか?」
「え?そんなのあるの?」
「やっぱ、知らないか・・・」
「うん、ごめん、知らない・・・」
ネイルに露骨に残念がられて、ラリイはつい謝ってしまう。
ネイルはラリイに謝らせてしまったことに気づいて、すぐに話かける。
「あ、いや、こっちこそ、ごめん。この話は忘れてくれ。」
ネイルは、ラリイなら、欲しい情報を持ってるかもしれないと、
思ってただけに、かなり残念だった。
もしかしたら、過去の自分の恩人に関わる情報が聞けたかもしれないと。