第三章「確執」
「ラリイ・・・遅れて済まない。」
「ネイル様・・・良かったご無事で・・・」
ゴートレスと対峙してる為、ネイルは背を向けたままだが、
ラリイに謝る。
ラリイもネイルが無事だったのが嬉しくて、涙目になる。
「観念しろ、ゴートレス。お前の部下は、ほとんど捕まえた。
残りはお前だけだ。」
「くっ、ガキの癖に、偉そうになりおって!」
「悪かったな。そんなガキが王様で。」
ゴートレスの嫌味に、ネイルは笑顔つきで嫌味を返す。
「鳥人なんかと手を組んで、またこの国に禍を持ち込む気か!ネイル!」
ゴートレスの言葉にラリイがびっくりする。
「禍?」
なんで、鳥人と手を組むことが禍を招くことになるのだろう?
こんな状況で想像もつかない言葉を言われ、ラリイの方が困惑する。
「もし、その女と結婚したら、またお前に盾突く者が出てくるだろうな。
あの悲劇をまた繰り返すんじゃないかと思われて・・・
くっくっく、いい気味だ。
所詮はお前のような子供に納められる国じゃないんだ。ドラゴネスは。」
「いい加減にしろ。ゴートレス。」
ゴートレスの言葉をネイルは遮った。
凄い殺気が、ネイルから感じられる。ラリイが怯える程に。
とうとうネイルの怒りの限界点が来てしまったようだ。
「お前がどう思おうと、どう考えようと、勝手だ。
だが、それに乗じてラリイを侮辱することだけは、絶対に許さん。」
「何故庇う?ネイル、お前も鳥人は嫌っていただろう?」
ゴートレスの言葉にラリイはショックを受ける。
ネイルも、鳥人を嫌っていた?嘘・・・
ラリイはそんなことは信じたくなかった。
だが、ネイルはそれを否定する。
「そんなの関係ない。ラリイはラリイだから。」
ネイルはそう答えた。そして、こう続ける。
「過去のしがらみは、いつか俺が取り払う。その為にも、
ラリイには俺の大事な友人になって貰う。」
ネイルの返答に、ゴートレスは口を開けたまま、何も言わなくなった。
しばらくして、狂ったように一人で笑って、会話にならなくなった。
そんなゴートレスをネイルの部下が連行していく。
やっと、平穏が訪れて、ネイルはラリイを心配する。
「大丈夫か?」
「あ、はい・・・」
ラリイは何とかネイルに返事を返した。
だけど、心には棘が刺さったような痛みが残る。
ネイルも鳥人を嫌っていたと言う棘が。
ラリイの元気のなさに、ネイルは気づく。
「ゴートレスの言ったことは気にしないで欲しい。
と言いたいところだけど、無理だよな・・・」
ネイルは気まずそう頭を掻く。
「だが、今は一旦、忘れて欲しい。まずは休むのが先決だ。
ラリイもかなり疲れただろ?」
「え、ええ。」
ネイルの優しい気遣いにラリイは、今は深く考えるのは止めようと思った。
きっと、何か事情があるのだと。
そんな時に、ネイルの部下が大声を上げた。
「おい、こら!待て!!」
連行されていたはずのゴートレスが、狂気で笑いながら、ネイルとラリイに迫って来ていたのだ。
しかも、取り上げたはずの剣を持って、ラリイに狙いを定めている。
ラリイを守るのが間に合わない!!
ネイルがそう思った瞬間に、空から、一人の鳥人の男が降りてくる。
ゴートレスの剣を剣で見事に弾き、ラリイを抱きかかえて、ふわっと飛び、ゴートレスから距離を取る。
「え?クルクス様?」
ラリイはあまりの出来事に、クルクスの名前を言うのが精一杯だった。
「久しぶりだね、ラリイ。」
「う、うう、うわぁーーーーん。」
いつもの優しい笑顔に言われて、ラリイは一気に緊張感が
切れて、子供の様に泣き出した。
そして、クルクスにしがみついて、甘える。
「逢いたかったですぅ・・・クルクス様・・・ううう」
ラリイのクルクスへの態度に、ネイルは唖然として見ていた。
胸にもやもやとしたものも感じつつ。
「ネイル様・・・良かったご無事で・・・」
ゴートレスと対峙してる為、ネイルは背を向けたままだが、
ラリイに謝る。
ラリイもネイルが無事だったのが嬉しくて、涙目になる。
「観念しろ、ゴートレス。お前の部下は、ほとんど捕まえた。
残りはお前だけだ。」
「くっ、ガキの癖に、偉そうになりおって!」
「悪かったな。そんなガキが王様で。」
ゴートレスの嫌味に、ネイルは笑顔つきで嫌味を返す。
「鳥人なんかと手を組んで、またこの国に禍を持ち込む気か!ネイル!」
ゴートレスの言葉にラリイがびっくりする。
「禍?」
なんで、鳥人と手を組むことが禍を招くことになるのだろう?
こんな状況で想像もつかない言葉を言われ、ラリイの方が困惑する。
「もし、その女と結婚したら、またお前に盾突く者が出てくるだろうな。
あの悲劇をまた繰り返すんじゃないかと思われて・・・
くっくっく、いい気味だ。
所詮はお前のような子供に納められる国じゃないんだ。ドラゴネスは。」
「いい加減にしろ。ゴートレス。」
ゴートレスの言葉をネイルは遮った。
凄い殺気が、ネイルから感じられる。ラリイが怯える程に。
とうとうネイルの怒りの限界点が来てしまったようだ。
「お前がどう思おうと、どう考えようと、勝手だ。
だが、それに乗じてラリイを侮辱することだけは、絶対に許さん。」
「何故庇う?ネイル、お前も鳥人は嫌っていただろう?」
ゴートレスの言葉にラリイはショックを受ける。
ネイルも、鳥人を嫌っていた?嘘・・・
ラリイはそんなことは信じたくなかった。
だが、ネイルはそれを否定する。
「そんなの関係ない。ラリイはラリイだから。」
ネイルはそう答えた。そして、こう続ける。
「過去のしがらみは、いつか俺が取り払う。その為にも、
ラリイには俺の大事な友人になって貰う。」
ネイルの返答に、ゴートレスは口を開けたまま、何も言わなくなった。
しばらくして、狂ったように一人で笑って、会話にならなくなった。
そんなゴートレスをネイルの部下が連行していく。
やっと、平穏が訪れて、ネイルはラリイを心配する。
「大丈夫か?」
「あ、はい・・・」
ラリイは何とかネイルに返事を返した。
だけど、心には棘が刺さったような痛みが残る。
ネイルも鳥人を嫌っていたと言う棘が。
ラリイの元気のなさに、ネイルは気づく。
「ゴートレスの言ったことは気にしないで欲しい。
と言いたいところだけど、無理だよな・・・」
ネイルは気まずそう頭を掻く。
「だが、今は一旦、忘れて欲しい。まずは休むのが先決だ。
ラリイもかなり疲れただろ?」
「え、ええ。」
ネイルの優しい気遣いにラリイは、今は深く考えるのは止めようと思った。
きっと、何か事情があるのだと。
そんな時に、ネイルの部下が大声を上げた。
「おい、こら!待て!!」
連行されていたはずのゴートレスが、狂気で笑いながら、ネイルとラリイに迫って来ていたのだ。
しかも、取り上げたはずの剣を持って、ラリイに狙いを定めている。
ラリイを守るのが間に合わない!!
ネイルがそう思った瞬間に、空から、一人の鳥人の男が降りてくる。
ゴートレスの剣を剣で見事に弾き、ラリイを抱きかかえて、ふわっと飛び、ゴートレスから距離を取る。
「え?クルクス様?」
ラリイはあまりの出来事に、クルクスの名前を言うのが精一杯だった。
「久しぶりだね、ラリイ。」
「う、うう、うわぁーーーーん。」
いつもの優しい笑顔に言われて、ラリイは一気に緊張感が
切れて、子供の様に泣き出した。
そして、クルクスにしがみついて、甘える。
「逢いたかったですぅ・・・クルクス様・・・ううう」
ラリイのクルクスへの態度に、ネイルは唖然として見ていた。
胸にもやもやとしたものも感じつつ。