第三章「確執」
ラリイとネフィリートの話がまとまったところで、
ネイルは、ネフィリートの部屋を訪ねて来た。
そして、さっきの二人の話を聞いて、そんなのは駄目だ!と大声で反対した。
「ラリイを巻き込むわけにはいかない!ラリイは他国の者です。
ここが戦場になる前に、自国に戻れば!」
「そんな猶予があると思うかえ?
後、2日でここを攻め落とそうしてる連中ぞ?」
「ですが・・・」
「それに、今戻ろうとすれば、逆にラリイを捕まえて、
殺そうとするかもしれぬ。いや、確実に殺されるであろうな。」
「な、何故です?」
「そうすれば、お前を世界中で貶めるのは容易になるからよ。
ラリイがドラゴネス国で殺されたとなれば、フェニキアを始め、
大教会と繋がりのある国も黙ってはおるまいよ。」
「ゴートレス伯爵はそこまで考えていると?」
「そうじゃ、あやつも相当本気らしいのぉ。」
「そんな・・・」
ネイルは申し訳なさそうにラリイを見る。
ラリイはネイルを元気づける為に、声を掛ける。
「心配しないで下さい!
ネフィリート様の言う通り、もし敵がアンデットなら、
私もお役に立てるかもしれません!」
「だけど・・・」
ネイルはどうしても、ラリイを巻き込みたくないらしい。
「なに、なにかあったら、お前が責任を取ればよい。」
「おばあ様・・・こんな時にそんな冗談止めて下さい。」
「わしは本気じゃがなぁ、ラリイがお前の嫁御になってくれたら、
こんなに嬉しい事はない。」
「ネフィリート様・・・こんな時にそんな・・・」
ネイルとネフィリートのやり取りにラリイは顔を赤くする。
ネフィリートなりに、場を和ませようとしたのだろう。
やはり、長生きしてるだけあって、ラリイ達とは度量が違う。
「とにかく、ラリイはここに居た方がむしろ安全じゃ。
ネイルの元から離れるほどに危険になるじゃろう。」
「わかりました。じゃあ、ラリイにも協力して貰います。」
ネイルは真剣な顔でラリイの方を見る。
「迷惑は百も承知だが、協力してくれるか?ラリイ?」
「はい!私で良ければ!」
ネフィリートに返したように、ネイルにも、はっきりと言葉を返した。
「マジか・・・」
「本当にそんなことで?」
ネイルが、ラリイを政務室に連れて行き、ベアードとカミーラにも
さっきまでの話を聞かせる。二人はその話に疑心暗鬼だ。
「そんな歌くらいで、そこまで期待出来るんですか?」
「俺もラリイ王女の事は信頼してるが、戦場で歌うって言うのは、
流石にどうかと思うぞ?」
「仕方がないだろう。おばあ様の意見なんだから。」
ベアードやカミーラにも否定的な意見を言われるネイルだったが、
ネフィリートが出した案なのだから、従うしかない。
それに自分達で、それ以上の策があるのか言えば、ないのだから。
しばらくして、ネフィリートの使いの執事が、政務室に紙束を
持ってきて、ネイル、ラリイ、ベアード、カミーラそれぞれに渡す。
「ネフィリート様より、ご指示が書いてある書面です。
各自ご確認の上、ご健闘を祈るとのことです。では。」
執事は用件を素早く済ませると、さっさといなくなった。
皆、静かに書面を確認する。
「うひゃー相変わらず、きつい指示出されるわー」
ベアードがまず軽く悲鳴を上げた。
「ふぅ、今回もかなりの手間がかかりそうですね。」
カミーラも続けて、不満を漏らす。
「ここで文句を言っても、しょうがない、各自でやることをやるだけだ!」
ネイルが二人に激を飛ばす。
こうなってしまえば、後はなるようになるだけだ。
ラリイも自分が貰った書面を確認して、頑張らなければと認識した。
ネイルは、ネフィリートの部屋を訪ねて来た。
そして、さっきの二人の話を聞いて、そんなのは駄目だ!と大声で反対した。
「ラリイを巻き込むわけにはいかない!ラリイは他国の者です。
ここが戦場になる前に、自国に戻れば!」
「そんな猶予があると思うかえ?
後、2日でここを攻め落とそうしてる連中ぞ?」
「ですが・・・」
「それに、今戻ろうとすれば、逆にラリイを捕まえて、
殺そうとするかもしれぬ。いや、確実に殺されるであろうな。」
「な、何故です?」
「そうすれば、お前を世界中で貶めるのは容易になるからよ。
ラリイがドラゴネス国で殺されたとなれば、フェニキアを始め、
大教会と繋がりのある国も黙ってはおるまいよ。」
「ゴートレス伯爵はそこまで考えていると?」
「そうじゃ、あやつも相当本気らしいのぉ。」
「そんな・・・」
ネイルは申し訳なさそうにラリイを見る。
ラリイはネイルを元気づける為に、声を掛ける。
「心配しないで下さい!
ネフィリート様の言う通り、もし敵がアンデットなら、
私もお役に立てるかもしれません!」
「だけど・・・」
ネイルはどうしても、ラリイを巻き込みたくないらしい。
「なに、なにかあったら、お前が責任を取ればよい。」
「おばあ様・・・こんな時にそんな冗談止めて下さい。」
「わしは本気じゃがなぁ、ラリイがお前の嫁御になってくれたら、
こんなに嬉しい事はない。」
「ネフィリート様・・・こんな時にそんな・・・」
ネイルとネフィリートのやり取りにラリイは顔を赤くする。
ネフィリートなりに、場を和ませようとしたのだろう。
やはり、長生きしてるだけあって、ラリイ達とは度量が違う。
「とにかく、ラリイはここに居た方がむしろ安全じゃ。
ネイルの元から離れるほどに危険になるじゃろう。」
「わかりました。じゃあ、ラリイにも協力して貰います。」
ネイルは真剣な顔でラリイの方を見る。
「迷惑は百も承知だが、協力してくれるか?ラリイ?」
「はい!私で良ければ!」
ネフィリートに返したように、ネイルにも、はっきりと言葉を返した。
「マジか・・・」
「本当にそんなことで?」
ネイルが、ラリイを政務室に連れて行き、ベアードとカミーラにも
さっきまでの話を聞かせる。二人はその話に疑心暗鬼だ。
「そんな歌くらいで、そこまで期待出来るんですか?」
「俺もラリイ王女の事は信頼してるが、戦場で歌うって言うのは、
流石にどうかと思うぞ?」
「仕方がないだろう。おばあ様の意見なんだから。」
ベアードやカミーラにも否定的な意見を言われるネイルだったが、
ネフィリートが出した案なのだから、従うしかない。
それに自分達で、それ以上の策があるのか言えば、ないのだから。
しばらくして、ネフィリートの使いの執事が、政務室に紙束を
持ってきて、ネイル、ラリイ、ベアード、カミーラそれぞれに渡す。
「ネフィリート様より、ご指示が書いてある書面です。
各自ご確認の上、ご健闘を祈るとのことです。では。」
執事は用件を素早く済ませると、さっさといなくなった。
皆、静かに書面を確認する。
「うひゃー相変わらず、きつい指示出されるわー」
ベアードがまず軽く悲鳴を上げた。
「ふぅ、今回もかなりの手間がかかりそうですね。」
カミーラも続けて、不満を漏らす。
「ここで文句を言っても、しょうがない、各自でやることをやるだけだ!」
ネイルが二人に激を飛ばす。
こうなってしまえば、後はなるようになるだけだ。
ラリイも自分が貰った書面を確認して、頑張らなければと認識した。