プロローグ
様々な獣人達が住む世界が異世界のどこかにあった。
竜人、鳥人、狼人、兎人、猫人などなど、その世界では人と言うと
獣人になる。
その中でも、竜人族が治める、大国のドラゴネス国は、どの国よりも
領土が広く、戦力も高く、そこを治める王は歴代の中でもかなり残酷だと噂されていた。
ドラゴネス国と戦って、勝てる国はなし。
とさえ、言われてる現代であった。
そんな国から、突如、鳥人が治める小さな国フェニキアに住む、
王女のラリイの元に、結婚の話が舞い込む。
ドラゴネス国の王である、ネイルの元に嫁いで欲しいと言う話だった。
ネイル王は王であったが、まだ独身である。
フェニキア内では、この突然の話に大騒ぎである。
「冗談ではない!あんな残酷な王と噂のある男の元に、娘を嫁がせるなど出来るか!!!」
フェニキアの王である、フェルオリアは大激怒である。
家臣達を怒鳴りつけてはいるが、そんなことをしたとしても、
本当は無意味だと言う事は、彼が一番理解している。
国力が違いすぎるのだ。
もし、この話を断り、ドラゴネスから因縁をつけられ、
戦争にでもなれば、フェニキアは数日と持たないだろう。
娘を守って国を滅ぼすか、娘を差し出して国を守るのか。
王はかなり辛い判断を急遽迫られていたのである。
「父上、私はネイル様の元に嫁ぎたいと思います。」
怒り狂う王の元に一人の鳥人の少女が声を掛ける。
ピンク色の髪に、愛らしい大きな瞳。
人間の耳で言う部分は小さな翼になっており、時々パタパタさせる。
姿に似て、声も明るく可愛らしい声をしていた。
「だが、ラリイ。
お前をみすみす不幸にするかもしれないんだぞ。
もっと判断は慎重に・・・」
その少女をラリイと呼ぶ、もう一人の長髪で銀髪の男は、心配そうに言う。
ラリイ王女の兄で、アディリス王子である。
「いいえ、お兄様。この話はお受けするしかないと思います。
私は、私の所為で、母国のフェニキアを戦火に巻き込みたくはありません。父上にも、お兄様にも、民にも誰も死んで欲しくはないのです。」
神に祈るようにして、ラリイ王女は両手を組んで言う。
「それに、ネイル王の事は、あくまで噂だと聞いてます。
どんな方なのかは、逢ってみてから判断したいと思います。」
「ラリイ・・・お前・・・」
フェルオリアは娘の決意に悲しさを覚えた。
もし、噂通りの男ならば、娘は死すら覚悟しているのだろう。
フェニキアは、小さい国なれど、歴史は古く、世界のどの国よりも
神を信仰している。
小さい国ではあるが、他国に助けが必要であれば、
出来る限り支援するような、そんな国である。
なので、フェニキアの王族の女性には、何か特別な力があると、
陰で噂されているのだ。
その中でも、最も有名なのが、フェニキアの王族の女性を
迎い入れると、一族が栄えると言う話だ。
実際にどこまで信憑性があるか、わからないが、この噂もあって、
現にラリイ王女にも、かなりの数の婚姻話が来ていた。
だから、ドラゴネス国からも、申し出はあってもおかしくは
なかったのだが、ドラゴネスでは長い事、同族としか結婚して
いなかったので、油断していたのだ。
まさか、今になって他種族である、ラリイを求めてくるなど。
ラリイ王女を含めて、散々話し合いが行われたが、結局、
ラリイ王女の強い意志で、ラリイ王女はドラゴネス国の王である
ネイルの元に嫁ぐことが決まったのだった。
竜人、鳥人、狼人、兎人、猫人などなど、その世界では人と言うと
獣人になる。
その中でも、竜人族が治める、大国のドラゴネス国は、どの国よりも
領土が広く、戦力も高く、そこを治める王は歴代の中でもかなり残酷だと噂されていた。
ドラゴネス国と戦って、勝てる国はなし。
とさえ、言われてる現代であった。
そんな国から、突如、鳥人が治める小さな国フェニキアに住む、
王女のラリイの元に、結婚の話が舞い込む。
ドラゴネス国の王である、ネイルの元に嫁いで欲しいと言う話だった。
ネイル王は王であったが、まだ独身である。
フェニキア内では、この突然の話に大騒ぎである。
「冗談ではない!あんな残酷な王と噂のある男の元に、娘を嫁がせるなど出来るか!!!」
フェニキアの王である、フェルオリアは大激怒である。
家臣達を怒鳴りつけてはいるが、そんなことをしたとしても、
本当は無意味だと言う事は、彼が一番理解している。
国力が違いすぎるのだ。
もし、この話を断り、ドラゴネスから因縁をつけられ、
戦争にでもなれば、フェニキアは数日と持たないだろう。
娘を守って国を滅ぼすか、娘を差し出して国を守るのか。
王はかなり辛い判断を急遽迫られていたのである。
「父上、私はネイル様の元に嫁ぎたいと思います。」
怒り狂う王の元に一人の鳥人の少女が声を掛ける。
ピンク色の髪に、愛らしい大きな瞳。
人間の耳で言う部分は小さな翼になっており、時々パタパタさせる。
姿に似て、声も明るく可愛らしい声をしていた。
「だが、ラリイ。
お前をみすみす不幸にするかもしれないんだぞ。
もっと判断は慎重に・・・」
その少女をラリイと呼ぶ、もう一人の長髪で銀髪の男は、心配そうに言う。
ラリイ王女の兄で、アディリス王子である。
「いいえ、お兄様。この話はお受けするしかないと思います。
私は、私の所為で、母国のフェニキアを戦火に巻き込みたくはありません。父上にも、お兄様にも、民にも誰も死んで欲しくはないのです。」
神に祈るようにして、ラリイ王女は両手を組んで言う。
「それに、ネイル王の事は、あくまで噂だと聞いてます。
どんな方なのかは、逢ってみてから判断したいと思います。」
「ラリイ・・・お前・・・」
フェルオリアは娘の決意に悲しさを覚えた。
もし、噂通りの男ならば、娘は死すら覚悟しているのだろう。
フェニキアは、小さい国なれど、歴史は古く、世界のどの国よりも
神を信仰している。
小さい国ではあるが、他国に助けが必要であれば、
出来る限り支援するような、そんな国である。
なので、フェニキアの王族の女性には、何か特別な力があると、
陰で噂されているのだ。
その中でも、最も有名なのが、フェニキアの王族の女性を
迎い入れると、一族が栄えると言う話だ。
実際にどこまで信憑性があるか、わからないが、この噂もあって、
現にラリイ王女にも、かなりの数の婚姻話が来ていた。
だから、ドラゴネス国からも、申し出はあってもおかしくは
なかったのだが、ドラゴネスでは長い事、同族としか結婚して
いなかったので、油断していたのだ。
まさか、今になって他種族である、ラリイを求めてくるなど。
ラリイ王女を含めて、散々話し合いが行われたが、結局、
ラリイ王女の強い意志で、ラリイ王女はドラゴネス国の王である
ネイルの元に嫁ぐことが決まったのだった。
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