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いざ!ハロウィンパーティーへ☆彡

『俺の本当の好物はな。お菓子よりも人間なんだよな・・・
特に悪事を好んで働く者の魂なんかが好物だ。
今宵は俺の仮契約者であるこいつに手を出したのだ。お前達、どうなるかわかっているよな?』

黒猫?は小さい身体ながらも、ゲント達を不敵に笑いながら、威圧してみせた。
ゲント達も恐怖に怯えていたが、途中から黒猫?の身体が小さい事に気付いたゲントが叫ぶ。

「そ、そんなただの猫くらいのサイズのお前が、俺達に何が出来るって言うんだ!」
「だ、だよな?!」
「小さい生き物のお前が俺達を食べれるって言うのか?!」

ゲントが叫んだのを皮切りに、他の仲間も一緒になって叫ぶ。
まるで恐怖を少しでも消す為にしているようであった。
エルナも自分を守ってくれる黒猫?を心配し始めた。
もし自分のようにゲント達にいじめられたらどうしようと。
カボッチャ君は隙を見ながらも、コロコロと転がって、エルナの側に来た。
エルナはカボッチャ君が側に来てくれたのに気づき、カボッチャ君を大事そうに抱っこする。

『ふっはっはっは!!!』

と低い声でしゃべる黒猫?は、突然大声で笑い出した。
こんな愉快な事はないと言う感じで、しばらく笑い出した後で、
まだ笑いを堪えながら、会話を続けた。

『幼い人間とは、何とも愉快な事を言い出すものよ。なるほど。
俺の身体がお前達よりも小さいから、俺が怖くないとでも思いたいわけか。
ふむふむ、ならばこの姿ならどうだ?』

黒猫?はゲント達にそう言った後で、黒い針山のような姿になったかと思うと、
次にムクムクと大きくなり、バーン!!と何かが爆発したかのような音がした後で、
大きな狼のような獣に姿を変えていた。
真っ黒な毛は、本当に毛なのか?生き物のようにうねうねと常に動き、
目は真紅でギラギラと光を放ち、ゲント達を確実に獲物と捕らえていた。
これにはゲント達も今度こそ恐怖に負けて、固まってしまった。

『今宵は実に良い。魔界の力が溢れる日だからな。俺も本来の姿に近い姿になれた。
しかし、こんなハロウィンなんて日に限って、お前達は最低な行為をしたものだ。
外見など気にせず、こいつに謝罪して立ち去れば許してやったものを。
俺のこの姿を見たからには、もう生きて帰れんぞ?』

黒猫?は外見に相応しく、更に低い声でゲント達をそう脅した。
ゲント達はガクガクと震えて、涙目になり、一気に謝罪し始めた。
自分達のお菓子も全部渡すから、許して欲しい!や、今後はエルナをいじめたりしないなど、
様々なことを言って、どうにか許して下さいと言い続ける。
これにはエルナもカボッチャ君も顔を合わせて、困るだけだった。

『我が主よ。どうする?こいつらを許すか?』
「え?私のこと?」
『そうだ。お前だ。俺は今宵お前を守るように言われただけにすぎん。
お前が許せないのなら、俺はこいつらを食べるだけだ。契約に従ってな。』
「契約?」

エルナは何がなんだかさっぱりと言った顔をするが、
黒猫?はただ静かにエルナの回答を待った。
エルナの前に立ったままで、ゲント達を睨み続けている。
カボッチャ君は小さい声でエルナに言う。

「きっとこの黒猫さんはご主人様の命令で、エルナちゃんのお菓子を、
守ってくれてるんだと思いますぅ。」
「そうなの?カボッチャ君?」
「はい!こんなことが出来るのはご主人様だけのはずですから!
それで多分ですが、エルナちゃんのお菓子を奪おうとする者は、
代わりにこの黒猫さんが食べてもいいってことになっているんじゃないかと思いますぅ!」
「ひぃい!そんな怖い事になってたの?!」
「ごめんなさい!ボクもご主人様に何も聞いてなくて・・・
でも、エルナちゃんを守る為にしてることだから、許して欲しいですぅ!(><)」

カボッチャ君は必死になってエルナに説明しながら、自分のご主人様のしたことを謝った。
でもエルナは最初こそ怖いと思いはしたが、カボッチャ君の説明を
聞いていくうちに笑顔が戻る。
自分を守ってくれる為にしたくれたことなのだ。
エルナがカボッチャ君やそのご主人様を責めるなんてするわけがない。
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