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プロローグ

「ご主人様!いけません!ちゃんと朝ご飯は食べるですぅ!」
「うぅーん・・・もうちょい寝かせてくれないかい?カボッチャ君?
ふぁーあぁぁ・・・まだ眠い・・・」
「駄目ですぅ!ご主人様はいつもそうなんですからぁ!
昨日の夜にボクとちゃんと約束したですぅ!
ちゃんと明日は朝ご飯食べるって!だから起きるですぅうう!」

世にも変わった奇妙なかぼちゃのお化け?が、いい歳をした成人の男性を
可愛らしく叩き起こしている。
とある世界の中の1つ「エンガイス」と呼ばれる世界に存在する彼らは、
神、悪魔、魔法などが存在するファンタジーな世界で平和に暮らしていた。
カボッチャ君は、このカボッチャ君が叩き起こしている、
ある有名な大魔導士の男が訳アリで召喚した使い魔である。
使い魔と言えば、普通はカラスや猫やカエルなどが、そういう生き物が多いと思うが、
この大魔導士は、かぼちゃを媒介として自分の使い魔を誕生させた。
その理由を知る者は他に誰もいない。
それはこの大魔導士の男が、とにかく人見知りの人間嫌いで、
自分の家からほとんど出ない引き籠りだからだ。
その為、他人と関わる事が極力ない生活をしている。
それでも生活出来ているのは、ある大悪魔の契約と、ある組織の為に研究やら何やらで貢献して、
生活に必要なお金は余裕で稼げているから。
一部の界隈では、彼は有名な大魔導士なのである。一部では。

「起きるですぅううー!せっかく、ご主人様の大好きなサンドウィッチ作ったのに!
後コーンスープとアロエヨーグルトも!!」
「おお!いいね!朝から豪華だね♪カボッチャ君♪」
「やっと起きたぁ!早くー早くー!スープが冷めちゃうよ!」
「わかったーわかったー。顔洗ったらすぐに行くよ。」

やっと起きてくれたご主人様に、無邪気に喜ぶカボッチャ君。
使い魔とは言えカボッチャ君は素直でいい子である。
人間の子供で言えば、5歳児くらいの知能があり、
それでも家事全般は得意とは言えなくても最低限は出来る。
後、この大魔導士の男の家には、他にも住人が存在していた。
それは人魂の「タマさん」である。
タマさんは無口ではあるが、いつもカボッチャ君を優しく見守り、
何かカボッチャ君が困っているとすぐに無条件で助けてくれる存在だ。
なので、そのタマさんがカボッチャ君に家事などを教えている部分もある。
カボッチャ君もご主人様の次に言う事を聞くのはタマさんだ。

「今日の朝ご飯は上手に出来たかな?タマさんどう思う?」
「・・・・・」
「きっと大丈夫だよね☆彡まずは食べて貰わなきゃね!」
「♪」
「だねーだねー♪」

カボッチャ君はタマさんと無邪気にはしゃぎながら、ご主人様と朝食を取る為に、
いつものテーブルにふわふわと浮かびながら向かう。
カボッチャ君はご主人様の使い魔ではあるが、実は魔法使いの見習いでもあった。
ご主人様の許しを得て、ちょっとした魔法なら使う事も許されていたが、
それは基本は家事する為に使われている。
それから、カボッチャ君は買い物で街に行くこともあり、
そこで友達になった子達をこっそりと助けたりもしている。
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