第1章「津雲百の陰謀」
俺は清香の夕食作りを、あの清香のぬいぐるみ達にも、
ギャアギャア言われながらも手伝い、
無事に夕食を済ませて、自分の部屋でまた期末試験の勉強を始めた。
「俺、英語はマジで苦手だわ・・・」
英語の教科書の前で苦戦する俺は、自分だけ英語が苦手なのを呪った。
「父さんや母さんは英語が得意なのは、わかるとして、あの祖父ちゃんでさえ、
英語得意なんだよな。祖母ちゃんも清美も俺以上には英語出来るのに・・・
なんで、俺だけ英語が苦手なんだろうか・・・」
俺は英語の教科書に向かい、一生懸命に文法や単語を覚えようとするが、
一定の時間になると、頭が痛くなったり、寒気がしたり、
何かと嫌な気分になったりするのだ。
俺の意思としては、英語を出来るようになりたいと思っても、身体が拒絶する。
「こんな調子じゃ・・・大学の入試の時も絶対に困るよな・・・
今は、赤点取らないようにするので必死だし・・・」
俺は英語の教科書を閉じて、気分転換に音楽を聞くことにしようと思い、
自分のベッドに寝そべった。
「ん?お経?」
俺は自分のベッドに横になって、薄っすらとお経が聞こえていることに気付く。
「まさか、こんな時間から九十九神家の仕事をしているのか?
もう夜の10時過ぎてるぞ?」
俺は何だが、小さく聞こえてくるお経のような言葉に、ソワソワしてしまう。
別に九十九神家の仕事は時間を問わない。早朝にされることもあれば、
深夜や昼間されることだってある。
だから、夜10時過ぎに仕事があっても不思議ではないのだが。
「いつもならこんなに気にしないのに・・・なんで今日は気になるのかなぁ・・・
ま、イヤホンで音楽を聞けば、気にならないか・・・」
俺はいつも愛用しているイヤホンを手にかけようとした瞬間に、
意識を失った。
「え?!」
目の前が、数秒だけ真っ暗になる。俺は、自分に何が起きたのか、さっぱりわからずに混乱する。
すると、俺はいつの間にか、祖父ちゃんの仕事部屋に来ていた。
本来であれば、仕事中なら絶対に入る事が許されない部屋だ。
「百様。お願いです。どうかあいつらに罰を!!私の可愛い姪の命を奪った奴らに復讐を!!」
1人のヨレヨレになったスーツを着た、50代くらいの男性が、祖父ちゃんに向かって叫ぶ。
祖父ちゃんはいつもの服でなく、仕事着に着替え、その男性と対峙していた。
仕事時の祖父ちゃんも、祖母ちゃんと同じくらい、冷静で怖い顔になる。
「これが九十九神家の現在の当主か・・・」
俺は仕事時の祖父ちゃんをまじまじと見て、祖父ちゃんの貫禄を知った。
普段は穏やかで、時に祖母ちゃんとバトったりする変わり者ではあるが、
この時の祖父ちゃんは、まるで別人のようだ。
俺は、祖父ちゃんと依頼主を部屋の隅から見ていて、気づく。
「あれ?今の俺って、2人からは見えてないのか?」
そうだ。この2人は、急に現れたであろう、俺に気付いている様子がない。
祖父ちゃんは驚かないにしても、こっちの依頼主は急に俺が現れたりすれば、少しは驚くだろう。
しかし、依頼主の男性は、祖父ちゃんに何かを必死に頼み込むだけだ。
「もしかして、今の俺って・・・」
霊体になってる?と俺は思った。
そう思った瞬間に、自分の身体が異様に軽いことに気付く。
過去に何度か経験してことがある、幽体離脱そのものだった。
「何で俺は、期末試験の勉強中に、幽体離脱して、
挙句に祖父ちゃんの仕事部屋にいるんだ?」
俺は、自分の現状に混乱しながらも、祖父ちゃんの仕事を見ているしかなかった。
ギャアギャア言われながらも手伝い、
無事に夕食を済ませて、自分の部屋でまた期末試験の勉強を始めた。
「俺、英語はマジで苦手だわ・・・」
英語の教科書の前で苦戦する俺は、自分だけ英語が苦手なのを呪った。
「父さんや母さんは英語が得意なのは、わかるとして、あの祖父ちゃんでさえ、
英語得意なんだよな。祖母ちゃんも清美も俺以上には英語出来るのに・・・
なんで、俺だけ英語が苦手なんだろうか・・・」
俺は英語の教科書に向かい、一生懸命に文法や単語を覚えようとするが、
一定の時間になると、頭が痛くなったり、寒気がしたり、
何かと嫌な気分になったりするのだ。
俺の意思としては、英語を出来るようになりたいと思っても、身体が拒絶する。
「こんな調子じゃ・・・大学の入試の時も絶対に困るよな・・・
今は、赤点取らないようにするので必死だし・・・」
俺は英語の教科書を閉じて、気分転換に音楽を聞くことにしようと思い、
自分のベッドに寝そべった。
「ん?お経?」
俺は自分のベッドに横になって、薄っすらとお経が聞こえていることに気付く。
「まさか、こんな時間から九十九神家の仕事をしているのか?
もう夜の10時過ぎてるぞ?」
俺は何だが、小さく聞こえてくるお経のような言葉に、ソワソワしてしまう。
別に九十九神家の仕事は時間を問わない。早朝にされることもあれば、
深夜や昼間されることだってある。
だから、夜10時過ぎに仕事があっても不思議ではないのだが。
「いつもならこんなに気にしないのに・・・なんで今日は気になるのかなぁ・・・
ま、イヤホンで音楽を聞けば、気にならないか・・・」
俺はいつも愛用しているイヤホンを手にかけようとした瞬間に、
意識を失った。
「え?!」
目の前が、数秒だけ真っ暗になる。俺は、自分に何が起きたのか、さっぱりわからずに混乱する。
すると、俺はいつの間にか、祖父ちゃんの仕事部屋に来ていた。
本来であれば、仕事中なら絶対に入る事が許されない部屋だ。
「百様。お願いです。どうかあいつらに罰を!!私の可愛い姪の命を奪った奴らに復讐を!!」
1人のヨレヨレになったスーツを着た、50代くらいの男性が、祖父ちゃんに向かって叫ぶ。
祖父ちゃんはいつもの服でなく、仕事着に着替え、その男性と対峙していた。
仕事時の祖父ちゃんも、祖母ちゃんと同じくらい、冷静で怖い顔になる。
「これが九十九神家の現在の当主か・・・」
俺は仕事時の祖父ちゃんをまじまじと見て、祖父ちゃんの貫禄を知った。
普段は穏やかで、時に祖母ちゃんとバトったりする変わり者ではあるが、
この時の祖父ちゃんは、まるで別人のようだ。
俺は、祖父ちゃんと依頼主を部屋の隅から見ていて、気づく。
「あれ?今の俺って、2人からは見えてないのか?」
そうだ。この2人は、急に現れたであろう、俺に気付いている様子がない。
祖父ちゃんは驚かないにしても、こっちの依頼主は急に俺が現れたりすれば、少しは驚くだろう。
しかし、依頼主の男性は、祖父ちゃんに何かを必死に頼み込むだけだ。
「もしかして、今の俺って・・・」
霊体になってる?と俺は思った。
そう思った瞬間に、自分の身体が異様に軽いことに気付く。
過去に何度か経験してことがある、幽体離脱そのものだった。
「何で俺は、期末試験の勉強中に、幽体離脱して、
挙句に祖父ちゃんの仕事部屋にいるんだ?」
俺は、自分の現状に混乱しながらも、祖父ちゃんの仕事を見ているしかなかった。