第1章「津雲百の陰謀」
清香が先に玄関を出て行った後で、清香のぬいぐるみ達が俺に気付く。
そして、清香の時とは全く違う対応をしてくる。
「一か。お前も学校に行く頃合いか。」
「九十九神家の現在の長男であるにも関わらず、何たる気楽さ加減よ。」
「仕方あるまい。こやつは清香ほど、九十九神家の者として素質がない。
悲しいかな。」
「清恵も、さぞ残念なことだろうな。清美の夫に才能があれば、男子に家督を譲れたものを・・・
その息子にも才能が無いに等しいのだから。」
と、こんな調子で、俺を憐れんで見てくる。ちなみにいつもこんな感じだ。
清香がいない時は、特に。
「悪かったな。俺にも九十九神家の才能がなくて。
申し訳ないんだが、そこ通して貰えないか?俺も学校に行かなきゃいけないんだ。」
「ふん。さっさと通るがよい。」
「いずれ、お前も才能が開花するかもしれぬ。
それまでは、我らも大人しくしておいてやろう。」
「はいはい。有難うございます。」
俺は、清香のぬいぐるみ達に嫌々お礼を言って、家を出た。
清香といる時は可愛い子供のような声を出すが、俺の時は低い声で、
偉そうにしゃべる。
だが、だからと言って、俺が歯向かうなことをすれば、
あいつらが身体がぬいぐるみとは言え、恐ろしい事をされかねないので、
俺は絶対に逆らう事はしない。
逆らいさえしなければ、時に清香の命令なら、俺を守ってくれることもなくはないのだ。
だから敵に回すようなことは出来ない。
「清香はいいよな・・・俺もぬいぐるみじゃなくて、
何か自分を守ってくれる存在は欲しいわ・・・」
俺は、時々そう思う。兄として、いざって時に妹に守られると
言うのも情けないと感じるからだ。
それに、俺は九十九神家の才能は皆無と言うわけではない。
本気で祖母ちゃんに頼み込めば、自分の身を守る術くらいは、
教えて貰えなくないと考えている。
今は、緊急性がないから、俺もそんな事を祖母ちゃんに頼んだりもしないが。
「よう!一!おはようさんー♪」
「陽一か、おはよう。」
俺は学校に着いて、すぐに親友に朝の挨拶をされて答えた。
彼の名前は、日渡(ひわたり)陽一(よういち)。
俺の親友で、俺が自分の日常をネットで投稿してみようと思わせた人物だ。
こいつが、俺を変にからかいさえしなければ、俺は自分の日常を書こうとは思わなかったわけだ。
「今日は、何か面白い事あったか?」
「うーん、そうだな。祖父ちゃんが呪いの人魚のミイラとか言い出したくらいかな?」
「マジかよwwwそんなの持ってたのか?」
「たぶん、2日前くらいにヤホーオクで手に入れたものだと思う。
祖母ちゃんに、それは偽物だって馬鹿にされて怒ってたわ。」
「ちょwウケるわwっつか、お前とこの祖父ちゃん可愛すぎだろw」
「おい!人の祖父ちゃんを可愛いとか言うな!キモイだろうが!」
俺は、陽一にそんなことを言われて、怒った。
こいつは、いつも他人事だと思って、面白がりやがって。
と言うか、こいつからしたら、何を話しても面白がってないか?
陽一とは小学校から一緒だが、中学までは別段仲良くはなかった。
中学生の時にある事件をきっかけに仲良くなったんだよな。
まぁ・・・俺の祖母ちゃんが陽一の家族を救ったわけだけど。
そして、清香の時とは全く違う対応をしてくる。
「一か。お前も学校に行く頃合いか。」
「九十九神家の現在の長男であるにも関わらず、何たる気楽さ加減よ。」
「仕方あるまい。こやつは清香ほど、九十九神家の者として素質がない。
悲しいかな。」
「清恵も、さぞ残念なことだろうな。清美の夫に才能があれば、男子に家督を譲れたものを・・・
その息子にも才能が無いに等しいのだから。」
と、こんな調子で、俺を憐れんで見てくる。ちなみにいつもこんな感じだ。
清香がいない時は、特に。
「悪かったな。俺にも九十九神家の才能がなくて。
申し訳ないんだが、そこ通して貰えないか?俺も学校に行かなきゃいけないんだ。」
「ふん。さっさと通るがよい。」
「いずれ、お前も才能が開花するかもしれぬ。
それまでは、我らも大人しくしておいてやろう。」
「はいはい。有難うございます。」
俺は、清香のぬいぐるみ達に嫌々お礼を言って、家を出た。
清香といる時は可愛い子供のような声を出すが、俺の時は低い声で、
偉そうにしゃべる。
だが、だからと言って、俺が歯向かうなことをすれば、
あいつらが身体がぬいぐるみとは言え、恐ろしい事をされかねないので、
俺は絶対に逆らう事はしない。
逆らいさえしなければ、時に清香の命令なら、俺を守ってくれることもなくはないのだ。
だから敵に回すようなことは出来ない。
「清香はいいよな・・・俺もぬいぐるみじゃなくて、
何か自分を守ってくれる存在は欲しいわ・・・」
俺は、時々そう思う。兄として、いざって時に妹に守られると
言うのも情けないと感じるからだ。
それに、俺は九十九神家の才能は皆無と言うわけではない。
本気で祖母ちゃんに頼み込めば、自分の身を守る術くらいは、
教えて貰えなくないと考えている。
今は、緊急性がないから、俺もそんな事を祖母ちゃんに頼んだりもしないが。
「よう!一!おはようさんー♪」
「陽一か、おはよう。」
俺は学校に着いて、すぐに親友に朝の挨拶をされて答えた。
彼の名前は、日渡(ひわたり)陽一(よういち)。
俺の親友で、俺が自分の日常をネットで投稿してみようと思わせた人物だ。
こいつが、俺を変にからかいさえしなければ、俺は自分の日常を書こうとは思わなかったわけだ。
「今日は、何か面白い事あったか?」
「うーん、そうだな。祖父ちゃんが呪いの人魚のミイラとか言い出したくらいかな?」
「マジかよwwwそんなの持ってたのか?」
「たぶん、2日前くらいにヤホーオクで手に入れたものだと思う。
祖母ちゃんに、それは偽物だって馬鹿にされて怒ってたわ。」
「ちょwウケるわwっつか、お前とこの祖父ちゃん可愛すぎだろw」
「おい!人の祖父ちゃんを可愛いとか言うな!キモイだろうが!」
俺は、陽一にそんなことを言われて、怒った。
こいつは、いつも他人事だと思って、面白がりやがって。
と言うか、こいつからしたら、何を話しても面白がってないか?
陽一とは小学校から一緒だが、中学までは別段仲良くはなかった。
中学生の時にある事件をきっかけに仲良くなったんだよな。
まぁ・・・俺の祖母ちゃんが陽一の家族を救ったわけだけど。