第1章「津雲百の陰謀」
「きぇえええええええええ!!!!!」
と、朝方突然に、俺の家で大きな奇声が発せられる。
俺はその声を聞いて、あーあーまた始まったと思う。
この声の主は祖父ちゃんで、きっとまた祖母ちゃんか母さんと
戦いを始めたのだろう。
清香なんかは、何事も無いような涼しい顔をして、学校に行く前の朝食を
美味しそうに食べている。
もちろん、俺もそうなんだが。
「ええい!余の邪魔をするでない!!この呪いの人魚のミイラを使って、
この世界に禍を振りまいてやろうではないか!どけ!!」
「全く、ももちゃんは、また馬鹿な事を朝っぱらから言い出して、
いい加減にしなさいな!」
「何だと?!何が馬鹿なことか!この呪いの人魚のミイラから出てくる、
禍々しいオーラに気付かぬのか!」
「どこが、禍々しいものかね。そんなの偽物もいいとこなのに。
大体、人魚のミイラは、ほとんどが日本で作られた偽物ばかりだよ。
本物なんて、私が知ってる限りでも、日本では1体しかないね。」
「ぐぅ・・・いつもいつも、余に歯向かう事ばかり・・・
小癪なババアよ!!!」
「何を言うんだい!そしたらあんたは、馬鹿も馬鹿の大馬鹿ジジイだよ!
目を醒ましな!!!」
「ぬぅ?!何をする!!!やめろぉおおおおお!!!」
祖父ちゃんと祖母ちゃんが何やら会話がひと段落つくと、
大きな何かの音が聞こえて、ぱったりと静かになった。
どうやら、今日の戦いはここで終わったようだ。
意外に今日は短かったな・・・
無事に祖父ちゃんは祖母ちゃんに成敗されたみたいだ。
何も知らない人間がここに居たら、アニメか何かの再現をして
遊んでるのかと思うだろうな。
当人達は本気も本気で戦っているのだが。
「ほら、一。早く食べちゃって頂戴。母さんはこれから、お祖母ちゃんを
手伝って軽く仕事したら、父さんのとこに、荷物届けなきゃいけないんだから。」
「へいへい。すぐ食べます。」
俺は居間にひょっこりと顔を出した母さんに急かされて、朝食を掻き込む。
母さんも、もちろん祖父ちゃんと祖母ちゃんの戦いには無反応だ。
わざわざ、言い合う必要がないんだよな。俺達の家族は。
「お母さん、ご馳走様。食器片付けておくね。」
「有難う、清香。今日は、お母さんはお父さんのとこにいるから、
夕食の準備お願いね。」
「わかった。じゃー学校行って来ます。」
「はい、気を付けてね!ほら!一も、終わったの?」
「ほい、終わったよ。俺も食器流しに入れとくから。」
「うん、そうして頂戴。清香の事、手伝ってあげてよ?」
「わかってるって。どうせ、俺なんか清香には逆らえないよ。
あいつらがいるから。」
「ふふ、それもそうね。でも、清香のぬいぐるみの中にいる存在は偉い方なんだからね?
礼儀を欠くようなことすると痛い目みるわよ。」
「だから、いつも気を付けてるって。じゃあ、俺も行って来ます。」
俺は母さんにそう言うと、さっさと居間から出て、玄関に向かった。
すると清香が、いつものぬいぐるみ達に挨拶している。
「今日は学校が終わったら、家の夕食の買い出しをしてから、
帰るから、少し遅くなるからね!」
「うん、わかった!」
「清香、気を付けて帰って来てね!」
「うん♪もっきゅんも、もにゅちゃんも、大人しくお留守番しててよ♪」
「はーい♪」
「まかせて♪」
清香のぬいぐるみ達は可愛い声で清香とやり取りし、清香を見送った。
清香のぬいぐるみ達は、ある有名なキャラクターのぬいぐるみなのだが、
清香の力により、年数がそれほど経っていなくても、付喪神になっている。
こんなことが出来るのは、我が家では清香しかいない。
だから、清香には才能があると、祖母ちゃんなんかは期待しているのだ。
と、朝方突然に、俺の家で大きな奇声が発せられる。
俺はその声を聞いて、あーあーまた始まったと思う。
この声の主は祖父ちゃんで、きっとまた祖母ちゃんか母さんと
戦いを始めたのだろう。
清香なんかは、何事も無いような涼しい顔をして、学校に行く前の朝食を
美味しそうに食べている。
もちろん、俺もそうなんだが。
「ええい!余の邪魔をするでない!!この呪いの人魚のミイラを使って、
この世界に禍を振りまいてやろうではないか!どけ!!」
「全く、ももちゃんは、また馬鹿な事を朝っぱらから言い出して、
いい加減にしなさいな!」
「何だと?!何が馬鹿なことか!この呪いの人魚のミイラから出てくる、
禍々しいオーラに気付かぬのか!」
「どこが、禍々しいものかね。そんなの偽物もいいとこなのに。
大体、人魚のミイラは、ほとんどが日本で作られた偽物ばかりだよ。
本物なんて、私が知ってる限りでも、日本では1体しかないね。」
「ぐぅ・・・いつもいつも、余に歯向かう事ばかり・・・
小癪なババアよ!!!」
「何を言うんだい!そしたらあんたは、馬鹿も馬鹿の大馬鹿ジジイだよ!
目を醒ましな!!!」
「ぬぅ?!何をする!!!やめろぉおおおおお!!!」
祖父ちゃんと祖母ちゃんが何やら会話がひと段落つくと、
大きな何かの音が聞こえて、ぱったりと静かになった。
どうやら、今日の戦いはここで終わったようだ。
意外に今日は短かったな・・・
無事に祖父ちゃんは祖母ちゃんに成敗されたみたいだ。
何も知らない人間がここに居たら、アニメか何かの再現をして
遊んでるのかと思うだろうな。
当人達は本気も本気で戦っているのだが。
「ほら、一。早く食べちゃって頂戴。母さんはこれから、お祖母ちゃんを
手伝って軽く仕事したら、父さんのとこに、荷物届けなきゃいけないんだから。」
「へいへい。すぐ食べます。」
俺は居間にひょっこりと顔を出した母さんに急かされて、朝食を掻き込む。
母さんも、もちろん祖父ちゃんと祖母ちゃんの戦いには無反応だ。
わざわざ、言い合う必要がないんだよな。俺達の家族は。
「お母さん、ご馳走様。食器片付けておくね。」
「有難う、清香。今日は、お母さんはお父さんのとこにいるから、
夕食の準備お願いね。」
「わかった。じゃー学校行って来ます。」
「はい、気を付けてね!ほら!一も、終わったの?」
「ほい、終わったよ。俺も食器流しに入れとくから。」
「うん、そうして頂戴。清香の事、手伝ってあげてよ?」
「わかってるって。どうせ、俺なんか清香には逆らえないよ。
あいつらがいるから。」
「ふふ、それもそうね。でも、清香のぬいぐるみの中にいる存在は偉い方なんだからね?
礼儀を欠くようなことすると痛い目みるわよ。」
「だから、いつも気を付けてるって。じゃあ、俺も行って来ます。」
俺は母さんにそう言うと、さっさと居間から出て、玄関に向かった。
すると清香が、いつものぬいぐるみ達に挨拶している。
「今日は学校が終わったら、家の夕食の買い出しをしてから、
帰るから、少し遅くなるからね!」
「うん、わかった!」
「清香、気を付けて帰って来てね!」
「うん♪もっきゅんも、もにゅちゃんも、大人しくお留守番しててよ♪」
「はーい♪」
「まかせて♪」
清香のぬいぐるみ達は可愛い声で清香とやり取りし、清香を見送った。
清香のぬいぐるみ達は、ある有名なキャラクターのぬいぐるみなのだが、
清香の力により、年数がそれほど経っていなくても、付喪神になっている。
こんなことが出来るのは、我が家では清香しかいない。
だから、清香には才能があると、祖母ちゃんなんかは期待しているのだ。