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第1章「私は、勘のいい子です」

私は同じ学校で、クラスは違うが、同級生の霊感ちゃんに、
あの事件の後で、すぐに話しかけられた。
霊感ちゃんと言うのは、あだ名で、私が勝手につけたものだ。
あだ名の通りに、その子には霊感があるみたいで、時々、
私にある話をしに来たりする。
霊感ちゃんとは、小中も同じ学校で、高校もたまたま一緒だが、
けど、遊んだりとかするような仲でもなかった。
だからと言って、仲が悪いわけでもないのだが、私は、自分は勘がいいとは思っているけど、
霊感があるとは思ってはいない。
霊なんて見た事ないし、金縛りとかにもあったことないしね。
なので、最初は、霊感ちゃんは、私にも霊感があるのではと思い、
話しかけて来たのが、最初の出会いのきっかけだ。
霊感ちゃんは、私と何度が話しているうちに、私に霊感はないのは、
分かってくれたようで、無理に仲良くしようとしなくなった。
それでも、時々、私が勘の良さによって助かった事があると、
話しかけてくることは、有る。

「E子ちゃん。今回も助かったみたいで良かったね。」
「やっぱり、R子ちゃんには、今回もわかっちゃった?」

Rと言うのが、霊感ちゃんの本当の名前ね。
私は、霊感ちゃんに穏やかな顔をして話しかけられたので、苦笑いで答えた。

「うん。E子ちゃんの同じクラスだった、A子ちゃんは、
私からみても、ヤバかったからね。」
「そうなの?R子ちゃんには、何か見えてたの?」
「はっきりと見えてたよ。A子ちゃんの背後に、
凄い怖い形相をした女の人が数人も、とり憑いていたのをね。
しかも、死んでる人もいれば、生霊だった人もいるし。
あれは、むしろ、よく今まで死なないで済んだと思うくらいだよ。」
「ひぃぇえええ・・・そこまで酷かったんだ。」
「うん。だから、今回の事は、なるべくしてなった感じかな。
Iと言う、男に関わった所為だろうね。
A子ちゃんにとり憑いて霊達は、Iって男に関りがある女の人ばかりな印象あったし、
A子ちゃんがIと親密にならないように、悪意のある妨害をしてたんじゃないかな?」
「霊感のあるR子ちゃんから見たら、そんな感じなんだ・・・」
「まぁーね。ちょっと心配になってね。E子ちゃんに言おうかなーと思ったけど、
E子ちゃんは、途中からA子ちゃんと距離を置いてたみたいだから、
言わなかった。」
「えー?言ってくれれば良かったのにー。」
「だって、気持ちのいい話じゃないでしょ?
仲が良かった同級生の背後には、怨念が凄い霊がいっぱい憑いてましたとかさ?」
「うぅ・・・それもそうだけどさ・・・」

私は、霊感ちゃんにそう指摘されて、納得するしかなかった。
確かに、いきなり、話しかけられて、そう言われても、気持ちのいい話ではない。
あのバイトの件がなければ、確かに私はA子だって、仲が悪くはなかったのだから。

「あ、でもB子はどうだったの?B子には何も無かったの?」

私は、B子の事も思い出して、霊感ちゃんに聞いてみた。

「B子ちゃんは、Iには全く興味が無かったみたいだね。
それに、B子ちゃんの背後に優しそうな顔をした、
おばあさんの霊が居たから、B子ちゃんを守ったんじゃないかな?
だって、B子ちゃんだけでしょ?退学にならなかったの?」
「うん。B子は、2回くらいしか働いてなかったらしいし、
家庭の事情も考慮されたみたい。
もしかして、例のアレ?守護霊って奴?」
「多分ね。薄っすらと、B子ちゃんの面影あった感じだから、
B子ちゃんのおばあちゃんで間違いないんじゃないかな?」
「そうなんだ・・・B子は、でも同情されてもいいと思うな。
お父さんが勤めてる会社が倒産しちゃったから、それで家計を助ける為に働いたらしいから・・・」
「そんな事情があったんだね。なら、余計に、B子ちゃんの
おばあちゃんが心配したのかもしれない。
B子ちゃんが、家族を助ける為でも、悪い事をしないかどうか。」
「へぇーR子ちゃんからしたら、そこまでわかっちゃうんだ?」
「そうね・・・あくまで私の勝手な考えだけどね。いいんだよ?
E子ちゃんも、私の妄想だと思ってくれてさ。」

霊感ちゃんは私に、そう言いながら、冗談めいた顔で笑ってみせた。
いや、何の損得もなしに、私にだけ話してくるのだから、私は信じてはいるよ。
霊を信じるのは、怖い部分もあるのはあるけどさ。

「あ、じゃあ行くね。今学期も、よろしく♪」
「うん!何か授業で一緒になったら、よろしくね♪」

私は、霊感ちゃんと笑顔で別れた。
霊感ちゃんは、霊感はあるけど、暗い子ではない。むしろ、明るい子で、
他の子には極力、霊感があることは言ってないらしい。
親友の子と、本当に何か危険がありそうで、信用出来そうな子だけに、こういう話をしてるみたい。
私も、ある意味では信用して貰っているから、こんな話を聞けるんだけどね。
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