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第1章「私は、勘のいい子です」

私は、勘のいい子です。
自分で、あんまりそんなことを言うのは、疑わしいと思われるかもしれませんが、
私は勘だけはいいと自分で思ってます。
でも、そういう子って、怪談とかには、意外にいません?
何か嫌な気持ちがするから、ある行動をしなかったとか、ある場所に行かなかったとか。
すると、その後で、自分の命が助かったとか言う系の話。
私は、今現在は、勘がいい以外では、また自分で言うのもアレなんですが、
普通の女子高生で17歳です。
けど、最初にも言いましたが、勘が良かったからこそ、してきた体験は、
歳以上にしています。
今回は、その中でも、つい最近起きた事を話そうかな。

私は東京にある、某高校に通っています。
同級生の友人達と一緒に、庭とも言える遊び場の池〇にある、
コンセプトカフェで、バイトをしてみようか?と言う話になりました。
給料はいいんです。でも、給料がいいと言う事は・・・

「どうせ、ちょっとエッチな恰好させられたりするんでしょ?
私は嫌だよ。それで、キモいおっさんとかに身体を触られるの。」
「大丈夫だって!あそこのI(アイ)さんが経営するお店は、そんなことないから!
それに、すでにA子は何回も働いてるらしいよ♪心配なら、一緒に働いても大丈夫なんだってさ♪
お店にお客さんを呼び込めば、更にボーナス貰えるんだってよ!」
「ふーん・・・」

私は、友達の中でも、一番仲が良い、C子にそう言われた。
C子は働く気満々だった。夏休み前に、がっつり稼いで、彼氏と、
ちょいと豪華な旅行に行くつもりらしい。
それで、手軽に稼げるとA子に言われて、1人じゃ寂しいからって、私にも話を持ち込んできた。
もちろん、私にとっても魅力的な話ではあるが・・・
こういう話には大体、裏があるのよね・・・
絶対とは言えないけど、法律的にはブラックなのを誤魔化して、
働かせるみたいなさ。あるじゃない?

「ねぇーお願い!E子!1日だけでもいいからさ!一緒に働こうよ!ね?ね?」

C子は、私の名前を呼んで、可愛い仕草でお願いしてくる。
私は仕方がなく、1日だけだよ!と念を押して、C子に付き合ってあげることにした。
そのバイトの日になって、A子、B子、C子と私で、池〇にある、
その噂のバイト先があるビルまでは行ったのだが・・・

「あかん、これはマジであかんわ・・・」

私は、ついエセ関西弁になってしまう程に、バイト先のコンセプトカフェが、
入ってるビルの前に来て、顔が真っ青になった。
最初にも私は言いましたが、私は勘のいい子です。
そのビルの前に来て、私は物凄く嫌な感じを受けたわけよ。

「や、やだ!E子?!顔が真っ青だよ?!どうしたの?!」

C子は、私の顔を見て、凄くびっくりする。他人から見ても、
驚かれる程なら、それだけ、この今回のバイトはヤバいと言う事だ。

「ここまで来て、悪いんだけど、私、凄く具合が悪くなってしまったから、一旦帰るね・・・」
「ええ?!そんな・・・でも、その顔色じゃ、Iさんも心配して帰すかもね・・・」

A子は、最初こそ、私が断ると、わざとらしく残念そうにしていたが、
途中で帰るような事態になるくらいなら、しょうがないかと言った雰囲気で、
私が今回は働けないのは認めた。

「C子・・・お願い・・・一緒に帰って・・・ね?」
「もう!E子はいつもそうなんだから!!今度、なんか奢ってよ!!」

私は、C子も一緒に帰った方がいいと思い、C子にも無理を言って、一緒に帰る事にした。
A子は渋々と言った感じで、私とC子が、今回は働けない事を、
分かってくれて、次回は絶対に一緒にしようね!としつこく言い、
B子と2人で、私が入れなかったビルに、堂々と入って行った。

「ねぇ・・・?もしかして、あのビルと言うか、今回のバイトさ。
E子的には、かなりヤバい奴だったの?」

C子は、私を私の家まで送り届けてくれて、私の部屋に来てくれた時に、そう聞いてきた。
流石、私と仲が良いC子は、私の行動に気付いてくれたみたい。
C子は、私の勘の良さを実はよく知っている。
何度か一緒に助かってる経験をしている友人の1人だから。

「うん。あの場では、詳しく言えないから、具合が悪いってことにしたけどね。」
「なんか、そんな感じしたんだよね。前のあの時、みたいな感じだったもん。あんた。」

C子は、私を見て、呆れた顔をする。

「もっと早くに、そういうのが分かればさ、現地まで行くことないのにさ。」
「それは、私だって、自分でもそうしたいけど、無理よ。
それに、ここまで、私の勘がヤバい!って思ったのも久しぶりだもん。
だって、C子を怖がらせたくないけど、このバイトしたら、
死ぬかも?とも思ったくらいだよ?」
「え?!何それ!こわ!!!」

C子は、私の言葉を聞いて、不気味がる。私も、C子でなければ、ここまで話したりしない。

「とにかくさ、あれ系の仕事はするなとは、言わないけどさ。
私は今回のA子の紹介してくれたバイトは絶対にしないわ・・・
バイト先に行けそうにないしね・・・顔が真っ青になっちゃうんじゃさ。」
「ふぅ・・・E子がそこまで言うなら、私もやめるわ。
私も今思うと、やっぱりヤバそうな感じがして来て、怖くなってきたもん。」
「そうしなよー。あの手のバイトをもしやってるって、学校に知れたら、
退学の恐れもあるかもよ?」
「ああ・・・それもあるわねぇ・・・」

私達は、そう言い合いながら、今回のこのバイトはしないと言う事になった。
その後で、A子に散々、しつこく誘われたが、私は体調を理由に、
C子は、別のバイト先を別の子に紹介して貰ったと言って、断った。
A子は、勿体無い、せっかく紹介してあげたのに、馬鹿な子達みたいな態度で、
私達から距離を置くようになった。
私は、逆にそれで安心した。A子とは、今後関わらない方がいいと、
私の勘が働いていたからだ。
そんな事があってから、夏休みが明けた頃に、学校で騒ぎが起こった。

「ねぇーねぇー聞いた?うちの学校が、某超有名配信者の所為で炎上してるらしいよ?!」
「聞いたー聞いた!あれでしょ?池〇にある、コンセプトカフェだっけ?
あれの裏の仕事を暴露した、そのバイト先の子の所為で、うちの学校の子が10人近くだっけ?
働いてるのが、もろバレしたんでしょ?」
「うんうん!そうそう!私もその配信みたけどさ、あれヤバすぎだよ!
うちの学校以外にも、学生居たらしいけどさ。その働いてる店の子の顔の写真全員分あったらしいもん。」
「あーあー、もう写真あったのなら、言い逃れ出来ないね。」
「きっとさ、あの調子だと、みんな退学だよねぇ。10人も一気にとか、
ヤバすぎない?」
「仕方ないでしょ。一部の子は、名前とか住所とか、色々とバレちゃってるし、
酷い子は、他の子をその仕事に勧誘して、どんどん被害者と言うか、
増やしちゃったんだしさ。」
「まぁーあの子には、私も同情出来ないわ。〇組のA子だっけ?」
「うん、その子は、私も流石に、ざまーって思うわ。自業自得でしょ?あんなの。」

私は、他のクラスの子が、廊下でそんな会話を聞いて、やっぱりなぁーと思った。
C子は、私の側で、ゾッとした顔をしている。

「今回も、E子に助けられたね・・・私。」
「別に、たまたまだよ。こんなのは。」
「でもさ・・・まさか配信者によって、バイト先の裏事情を暴露されて、
それから退学に繋がるかもしれないって、思う?普通?」
「それは・・・私もさ、まさか、こんな事態になるとは、思わなかったけどさ。」
「にしても、A子が、あんなにしつこかったのも、Iとか言う男といい仲だったからなんだね。」
「そうみたいだね。しかも、そのIって男を、取り合って、
今回の暴露事件が起きたんでしょ?」
「はぁー良かった。私、働かなくて・・・もし両親に知られて、
更に、学校が退学になったら、E子の言うように冗談抜きで、
死んでたかもしれないわ。」
「でしょ?」

私達は互いに顔を見合わせて、苦笑いをした。
私は、勘のいい子です。けど、こんな話は、たまたま、そうだっただけでしょ?
と言われてしまえば、それまでの事です。
だけど、こんな感じの体験は、私の中では、毎度の事です。
それから、A子は案の定、退学になりました。B子は、停学になったみたい。
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