第6章「私は、くいずです」
私は、くいずです!
あ、いいえ、私の名前がくいずと言う訳ではありません。
ちょっと、言い方が悪かったですね。混乱しましたか?
すいませんねぇ。
私は、クイズを出すのが大好きなモノです。
だから、私の名前は・・・
やっぱり、とりあえずは、私の事はくいずにしておきましょうか?
名前がないと不便ですから!
では早速、皆さんに、くいずを出しますね!
「学生の夏休みに、必ず一緒についてくるものはなーんだ?」
ヒントは、ほとんどの子供達は、喜ばない物です!
自由を謳歌する為の、代償と言ったところでしょうか?
ん?答えは?
「夏休みの宿題」
だろうって?え?簡単すぎ?
こんなのはクイズでも、なんでもないって?
あはは。厳しいことをおっしゃる!
まぁーこんなのはくいずじゃないですよねぇー小学生だって
すぐわかってしまいますもんね。
じゃー次は、難しいくいずを出してみましょうか?
「個ではいられないくせに、個でいたがる時もあるくせに、
時として、個を否定し、個を差別し、個を集団で囲い、
一部のモノが優越感に浸るがために、最低最悪な行為も平気でする
モノってなーんだ?」
あれ?どうしました?ちょっと難しかったです?
やだなぁーそんな顔しないで下さいよー
全然難しい、くいずではないでしょ?
わかりません?ははーん?さては、わかってはいるけど、
口にはしたくないってやつですか?
認めたくないですよね。醜い部分と言うのは。
私だってもちろん神とかじゃないんですから、完全なる善みたいな
存在にはなれっこないですよ?
けど、やっぱり、イジメと言う行為は良くないと思うんですよね。
あ、で、さっきの答えは何なのか?ですか?
それは、この話の後で答えましょうか。
まず先に、聞いて欲しい話があるんですよ。
私には、ちょっと前に知り合ったT子ちゃんと言う、可愛い感じの女の子が居ました。
歳はまだ10歳だったかな?
性格は素直で、明るい子で、笑顔が可愛い女の子でして、
親の言う事もしっかり聞く、良い子です。
今時には珍しい子かもしれません。なんて言うと、私が年寄りのようですが、そこはさておき。
そんなT子ちゃんは、クイズが大好きな子で、公園で知り合った
私にも、可愛いクイズを沢山出してくれました。
私が、どうしてもクイズが答えられないと、T子ちゃんは可愛い声で、
「じゃあ、明日までの宿題ね♪」と言ったりもしたものです。
楽しい時間だったなぁーあの時は・・・
だけど、T子ちゃんは、ある日を境にクイズを一切出すのを止め、
私と居ても、暗い顔をしたままで、前までの明るく可愛い笑顔を
見せてくれることが無くなってしまいました。
私は心配になり、T子ちゃんに、さりげなく、最近様子が変なことを聞き出しました。
察しの良い方なら、わかるかもしれませんが、T子ちゃんは、
友達にも、いつもクイズを出して遊んだりしてたらしいんですよね。
けど、友達の1人が、T子ちゃんのクイズ遊びに嫌気が差して、
T子ちゃんを邪険に扱うようになって、それから、T子ちゃんは、
その友達を始め他の友達からも、イジメられるようになってしまったらしいんですよ。
T子ちゃんからすれば、少しでも友達の暇つぶしになることを、
してあげたかっただけなのに・・・
人の気持ちって、上手い具合にいかないですよね。
それから、T子ちゃんは、私の居る公園に、よく来てくれるようにはなりました。
でも、私は、ちっとも嬉しくありません。だって、T子ちゃんは暗いままですから。
1人寂しそうに・・・
それどころか、あのT子ちゃんから、他人を激しく罵り、汚い言葉を叫び、
最後には怨念めいたことまで言うようになってしまって・・・
私は、T子ちゃんに酷く落胆したのを、覚えています。
いや、T子に落胆するのは、間違ってますね。だって、考えてもみて下さいよ?
クイズ出されるのが、嫌だったのなら「嫌だからやめて」とか、
「クイズ飽きたから、今度から違う遊びしよう」とか、
友達だったのなら、いくらでも止めようはあったはずじゃないですか?
それをイジメの口実にするって、あんまりじゃないですか?
私は、悲しく変わったT子ちゃんを見る度に、T子ちゃんをイジメた奴らが憎くなってきました。
そんな日々が、数か月続いて、徐々にT子ちゃんは公園にも来なくなり、
全く姿を見せなくなって、1か月後くらいに、
T子ちゃんの母親が黒い服を着て、T子ちゃんが良く遊んでは、
疲れて座るお気に入りのベンチに小さな花束を置き、泣きながら、言うのです。
「T子・・・ごめんね。守ってあげれなくて、ごめんね。
お母さんが、ちゃんと話を聞いてあげて、相談に乗っていたら、
T子が、あんなにも苦しんでいたのを、早く知れたのに・・・
無力なお母さんで・・・ごめんね・・・T子・・・」
と。
私は、すぐにわかりました。T子ちゃんは亡くなったのだと。
きっと、イジメが原因で、T子ちゃんは・・・
もう、そう考えたら、私は居ても立っても居られない状態になりました。
私は、私にしか出来ない方法で、T子ちゃんをイジメた奴らに、
お仕置きしてやりました。
特に、首謀者になった子にね。フフフ。
え?何をしたのかって?そうですねー何も暴力を振るったとかではないですよ?
毎夜、毎夜、耳元で、T子ちゃんが私に出してくれたクイズを、
今度は私が、そのイジメっ子の首謀者に出したんですよ。
1日、2日と、日が経つごとに、あのイジメっ子が顔を真っ青にさせ、
最後には、「T子許してーーー」と叫んだ時は最高でしたね。
おっと、いけない。こういうことは、あんまり言っちゃいけないんでした。
T子ちゃんをイジメた奴らが、全員、T子ちゃんのお墓に謝罪に
来るまで、私はやってやりました。
こんなことをしても、T子ちゃんは戻っては来ないけど・・・
でも、私は何もせずにはいられなかったんです。T子ちゃんの事が好きだったから。
クイズを出してきて、私が答える度に、可愛い笑顔で対応してくれてた、
あの時のT子ちゃんが。
あ、そろそろ、あのクイズの答えを言いましょうか?
え?聞かなくてもいい?それより、私の正体が知りたい?
さて?私はくいずですから、それ以上でもそれ以下でもありません。
でも、私は誰にでも見えるわけじゃないってことだけは、
言っておきましょうかね?フフフ。
あ、いいえ、私の名前がくいずと言う訳ではありません。
ちょっと、言い方が悪かったですね。混乱しましたか?
すいませんねぇ。
私は、クイズを出すのが大好きなモノです。
だから、私の名前は・・・
やっぱり、とりあえずは、私の事はくいずにしておきましょうか?
名前がないと不便ですから!
では早速、皆さんに、くいずを出しますね!
「学生の夏休みに、必ず一緒についてくるものはなーんだ?」
ヒントは、ほとんどの子供達は、喜ばない物です!
自由を謳歌する為の、代償と言ったところでしょうか?
ん?答えは?
「夏休みの宿題」
だろうって?え?簡単すぎ?
こんなのはクイズでも、なんでもないって?
あはは。厳しいことをおっしゃる!
まぁーこんなのはくいずじゃないですよねぇー小学生だって
すぐわかってしまいますもんね。
じゃー次は、難しいくいずを出してみましょうか?
「個ではいられないくせに、個でいたがる時もあるくせに、
時として、個を否定し、個を差別し、個を集団で囲い、
一部のモノが優越感に浸るがために、最低最悪な行為も平気でする
モノってなーんだ?」
あれ?どうしました?ちょっと難しかったです?
やだなぁーそんな顔しないで下さいよー
全然難しい、くいずではないでしょ?
わかりません?ははーん?さては、わかってはいるけど、
口にはしたくないってやつですか?
認めたくないですよね。醜い部分と言うのは。
私だってもちろん神とかじゃないんですから、完全なる善みたいな
存在にはなれっこないですよ?
けど、やっぱり、イジメと言う行為は良くないと思うんですよね。
あ、で、さっきの答えは何なのか?ですか?
それは、この話の後で答えましょうか。
まず先に、聞いて欲しい話があるんですよ。
私には、ちょっと前に知り合ったT子ちゃんと言う、可愛い感じの女の子が居ました。
歳はまだ10歳だったかな?
性格は素直で、明るい子で、笑顔が可愛い女の子でして、
親の言う事もしっかり聞く、良い子です。
今時には珍しい子かもしれません。なんて言うと、私が年寄りのようですが、そこはさておき。
そんなT子ちゃんは、クイズが大好きな子で、公園で知り合った
私にも、可愛いクイズを沢山出してくれました。
私が、どうしてもクイズが答えられないと、T子ちゃんは可愛い声で、
「じゃあ、明日までの宿題ね♪」と言ったりもしたものです。
楽しい時間だったなぁーあの時は・・・
だけど、T子ちゃんは、ある日を境にクイズを一切出すのを止め、
私と居ても、暗い顔をしたままで、前までの明るく可愛い笑顔を
見せてくれることが無くなってしまいました。
私は心配になり、T子ちゃんに、さりげなく、最近様子が変なことを聞き出しました。
察しの良い方なら、わかるかもしれませんが、T子ちゃんは、
友達にも、いつもクイズを出して遊んだりしてたらしいんですよね。
けど、友達の1人が、T子ちゃんのクイズ遊びに嫌気が差して、
T子ちゃんを邪険に扱うようになって、それから、T子ちゃんは、
その友達を始め他の友達からも、イジメられるようになってしまったらしいんですよ。
T子ちゃんからすれば、少しでも友達の暇つぶしになることを、
してあげたかっただけなのに・・・
人の気持ちって、上手い具合にいかないですよね。
それから、T子ちゃんは、私の居る公園に、よく来てくれるようにはなりました。
でも、私は、ちっとも嬉しくありません。だって、T子ちゃんは暗いままですから。
1人寂しそうに・・・
それどころか、あのT子ちゃんから、他人を激しく罵り、汚い言葉を叫び、
最後には怨念めいたことまで言うようになってしまって・・・
私は、T子ちゃんに酷く落胆したのを、覚えています。
いや、T子に落胆するのは、間違ってますね。だって、考えてもみて下さいよ?
クイズ出されるのが、嫌だったのなら「嫌だからやめて」とか、
「クイズ飽きたから、今度から違う遊びしよう」とか、
友達だったのなら、いくらでも止めようはあったはずじゃないですか?
それをイジメの口実にするって、あんまりじゃないですか?
私は、悲しく変わったT子ちゃんを見る度に、T子ちゃんをイジメた奴らが憎くなってきました。
そんな日々が、数か月続いて、徐々にT子ちゃんは公園にも来なくなり、
全く姿を見せなくなって、1か月後くらいに、
T子ちゃんの母親が黒い服を着て、T子ちゃんが良く遊んでは、
疲れて座るお気に入りのベンチに小さな花束を置き、泣きながら、言うのです。
「T子・・・ごめんね。守ってあげれなくて、ごめんね。
お母さんが、ちゃんと話を聞いてあげて、相談に乗っていたら、
T子が、あんなにも苦しんでいたのを、早く知れたのに・・・
無力なお母さんで・・・ごめんね・・・T子・・・」
と。
私は、すぐにわかりました。T子ちゃんは亡くなったのだと。
きっと、イジメが原因で、T子ちゃんは・・・
もう、そう考えたら、私は居ても立っても居られない状態になりました。
私は、私にしか出来ない方法で、T子ちゃんをイジメた奴らに、
お仕置きしてやりました。
特に、首謀者になった子にね。フフフ。
え?何をしたのかって?そうですねー何も暴力を振るったとかではないですよ?
毎夜、毎夜、耳元で、T子ちゃんが私に出してくれたクイズを、
今度は私が、そのイジメっ子の首謀者に出したんですよ。
1日、2日と、日が経つごとに、あのイジメっ子が顔を真っ青にさせ、
最後には、「T子許してーーー」と叫んだ時は最高でしたね。
おっと、いけない。こういうことは、あんまり言っちゃいけないんでした。
T子ちゃんをイジメた奴らが、全員、T子ちゃんのお墓に謝罪に
来るまで、私はやってやりました。
こんなことをしても、T子ちゃんは戻っては来ないけど・・・
でも、私は何もせずにはいられなかったんです。T子ちゃんの事が好きだったから。
クイズを出してきて、私が答える度に、可愛い笑顔で対応してくれてた、
あの時のT子ちゃんが。
あ、そろそろ、あのクイズの答えを言いましょうか?
え?聞かなくてもいい?それより、私の正体が知りたい?
さて?私はくいずですから、それ以上でもそれ以下でもありません。
でも、私は誰にでも見えるわけじゃないってことだけは、
言っておきましょうかね?フフフ。
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