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プロローグ

改めまして!僕の名前はラリイ・オウヌナです!
年齢は20歳の普通の青年です!ただ、髪の毛の色がピンクで、
瞳もピンクの所為か、女の子に間違える人もいるんだけども、
僕は普通に男だからね!
あ、でも、戦うのとは基本嫌いです。僕は、小さい頃から、
育ての親と森の中で一緒に暮らしていたので、動物さん達と仲良くするのが、本当は好きかな?
一番仲良しなのは、小鳥のピーちゃんって言うんだ♪
小鳥だけど、賢い小鳥の雄の子なんだよ♪
最近は、育ての親のフェニの元に帰ってないから、ピーちゃんとも全然会ってないけど、
元気にしてるかな・・・してるといいな・・・
あ、で、さっきの僕の仕事の相方のネイルは、同い年で、
ナーシェ町にあるギルド組合が誇りにしている、仕事人の1人です。
緑色の長髪に、同じ瞳の色をした、僕よりも身長も高い、体格のしっかりした青年なんだけど、
カッコいいと女の人達にモテるのに、当人は大の女嫌いです。
何でだかは、僕も理由はわかりません。ネイルがそういうのは言わないから。
後、性格は気難しいかなぁ・・・神経質なとこもあるし。
それは仕事の面においては、大事な部分でもあるんだけどね。
ネイルは、仕事においては、しっかりとした実力があり、
ギルドからも、その実力をちゃんと認められた存在です。
それもあるからこそ、余計にネイルは、他人に対して態度が横柄なのかも?
これは僕の勝手な考えだけど。
そして、そんな僕らが暮らしているのは、エンガイスと言う世界の
4大陸の1つ、風の大陸の大国「ウィル共和国」から少し離れた、
土の大陸の国境線にも近い、ナーシェと言う町の近くにある家。
この家は、今はネイルの家だけど、ネイルから聞いた話では、
過去にお世話になった人から譲り受けた家なんだって。
大きな家ではないけど、2階建てに地下室もあったりする、
見た目よりも、違う意味で?しっかり出来た家なんだ。
そこを基点にして、僕達は生活をし、時にギルドからの仕事を
受けて、その仕事をすることで、生活しています。
場合によっては、お仕事で他国に行ったりもするんだよ?
そんで、僕達の出会いなんだけど、それはまたいずれ、別の機会の時にお話するね!

「やぁ!ラリイちゃんじゃん!どうしたの?今日は、依頼人が、
ネイルの家に行かなかったっけ?」
「それが・・・」

僕は、ナーシェ町にあるギルド組合に顔を出し、いつも受付の仕事をしている
ギアンさんと喋った。ギアンさんは僕達より少し年上の25歳の男性で、
陽気で親切な性格の人だ。
最初は、僕のことを女の子に間違えたりしてたけど、今では男と分かってくれた上で、
仲良くしてくれている。ネイルの性格にも理解があるので、
僕が日頃から苦労していることもわかってくれているのか、
よく僕に、ネイルの事で同情してくれる。
僕は、今さっき起きた出来事をギアンさんに話した。

「ありゃー悪い事をしたね。それはネイルが怒ってもしょうがないわ。
あのおっさん、俺には、ちょっと貴重な本だからとか言ってた癖に。騙したな。
けど、ネイルの言う通り、本物の何かの禁断書なら、今頃は大騒ぎ
しているだろうけどね。
そんな話は今のとこは俺の耳にも入ってこないし、偽物なんじゃないかな?」
「ほっ。なら、良かったです。偽物なら、大した騒ぎにならないですもんね!」
「うんうん。この町に違法な禁断書が見つからないことを願うだけだよ。
小さいギルド組合なのに、そんなのが見つかったら対応が大変だからさ。
ただでさえ、このギルドの事務作業は、俺と後2人だけでしてるのに、
これ以上忙しいのは、勘弁して欲しいからね。」
「あはは♪それはそうですね!」

僕は、わざを首を竦めて見せてくるギアンさんに笑った。
ギアンさんも、そんな僕に笑顔で返してくれる。

「さっきのお詫びと言うのもなんだけどさ、新しい良さげな仕事が見つかったら、
すぐにラリイ達に教えるから!
今回は勘弁してくれるかい?」
「はい!僕は全然気にしてませんから!そうして、貰えるなら、
助かります♪」
「ラリイちゃんは男の子なのに、本当に素直だねぇ。
勿体無いなぁ、ラリイちゃんが女の子でいてくれたなら、
俺、絶対にアプローチしたのになぁー」
「もう!ギアンさんは、また悪い冗談を言うんだから!」

僕は少し顔を赤くして怒った。それを見て、ギアンさんは苦笑いして僕に謝る。
きっと、最初の出会いを思い出したのかもしれない。
ネイルに初めてここのギルド組合に連れて来て貰った時に、
ギアンさんは、僕を見るなり、いきなり「付き合って下さい!」
と告白してきたんだよね。あの時は本気で驚いたなぁ。
その頃のギアンさんは、失恋中だったから、新しい恋人が欲しくて焦っていたらしいけどさ。
それでも、初対面でも、告白出来る人がいるって凄いよね?
僕は男だけど、それでも僕なら無理かなぁー

「まぁまぁ!ラリイちゃん許してよ!今では、ラリイちゃんのことは、
俺の可愛い弟分だと思ってるからさ!」
「僕も、ギアンさんにはお仕事で助けて貰っているので、
そこまでは本気で怒ってないですけど。
でも、僕は女の子にはなれないので、諦めて下さい。」

僕はきっぱりと、いつもの様にギアンさんに言う。
ギアンさんは僕の言葉を聞いて、ちょっとだけ悲しそうにする。
そんな顔をされても、僕は自分の性別を変えられるわけじゃないのだから、
しょうがない。諦めてもらうしか。
その後も少しだけ、ギアンさんと会話して、必要な物を
少しだけ町で買い物して、僕はネイルの家に帰った。

「嘘だろ?それはマジな話なのか?」
「はい。」

僕がネイルの家に帰った時に、ネイルは誰かと話をしていた。
いつも冷静で不機嫌そうなネイルが、その話をしている相手に
驚いた顔をしている。
誰だろう?もしかして、新しいお客さん(依頼人)かな?

「ん?ラリイか?帰ったんだな。」
「うん。ごめん、お客さん?」
「ああ、客だ。遅くなったが、すぐにお茶の用意してくれ。」
「わかった!待ってって!お邪魔しますね!」
「あの、別にお構いなく。」
「いえいえ!すぐに用意出来ますから!」

僕は1階にあるキッチンにすぐに向かい、ネイルと新しい依頼人に
なるかもしれない男の人が向かい合って座っているテーブルの上に、
淹れたお茶を会話の邪魔にならないように、そっと出した。
僕がチラリとその男性を見ると、その人は、微笑んで頭を下げてくれた。
感謝してくれたみたい。

「ラリイ。お前も俺の横に座れ。これは、仕事になるかもしれん。」
「本当?」
「ああ。とにかく、お前も、こいつからの話を聞け。」
「うん。」

僕はネイルの指示に従い、すぐにネイルの横に座った。

「済まないんだが、こいつは俺の仕事の相方になる奴でな。
俺も再度確認したいので、もう一度さっきの話をしてくれないか?」
「よろしいですよ。それで、あの有名な仕事人である貴方が、
この件を引き受けて下さるのなら、これほど助かる事はありませんから。」

ネイルとさっきまで会話していた男性は、ネイルと僕に、薄っすらと笑い、
今回の仕事の内容を話し出した。

「私は、土の神殿の仕える者で、エネスと申します。
実は、今回、貴方達に頼みたいのはですね。私の手元にあった、
9つの禁術書の1つである、土のアース・レィヴァを、取り返して欲しいのです。」
「え?禁術書?!もしかして・・・?」

僕は最初にそれを聞いて、ネイルの方を見た。ネイルは、そんな僕を見返し、
そうだ。と言わんばかりの顔で僕を見た。
もしかして、このエネスの前に来た、あの男の人が大事そうに持っていた禁断書だか、
言ってた本って、このエネスの持ってた禁術書だったってこと?
僕は、凄いタイミングに口が開いてしまった。
そんな偶然ってあるんだね。
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