第6章「敵とあいつと大混戦」
私達は急ぎ水の神殿に行き、水の神殿の使いで来たことを、
水の神殿の出入り口に儲けられた、受付のような場所で話す。
水の神殿は来客が多いので、一旦、この受付で話を通さないといけないのよね。
そして、私達が用件を伝えると、受付内が慌ただしくなり、
すぐにある人物が私達を迎えに来てくれた。
「やぁ!よく来たね、ルエート!グラン!」
「わぁ♪ネレース様!お久しぶりです!」
「まさか、僕達の迎えにわざわざ来て下さったんですか?」
「はは。そのまさか、さ。俺は神官の中では、まだ下っ端だからね。
案内役とかも、やらされるわけさ。」
ネレースは、自虐的なことを言って、私達を和ませようとした。
いや・・・それで私達は笑う訳にはいかないでしょ。
仮にもネレースは、今の水の神殿の大神官であるネフル様の孫なんだから。
本人は下っ端なんて言ってるけど、本当は嘘なのがバレバレよ。
「とにかく、俺が水の神殿内を案内して、先にして欲しいことをして貰うよ。
あ、そちらの方もルエートの同行者かい?」
ネレースは気楽に明るい笑顔でリヴァイアサンを見た。
すると、一気に真顔になり、態度を改めて、リヴァイアサンに深々と頭を下げた。
私とグランを心の中で、何事?!と思いながらも、
変にトラブルにならないように平然を装った。
ネレースの方は厳かな態度で、リヴァイアサンに声を掛ける。
「ご挨拶が遅れ、申し訳ございませんでした。私(わたくし)、
当水の神殿の大神官のネフルの孫である、ネレースと申します。
今回はこの様な場所に足を運んで頂き、光栄でございます。
失礼ですが、呼び名を伺っても?」
「うむ。余の名はリヴァだ。今回はこのルエート達の見学で付き添っていただけだ。
要らぬ気遣いはせんでよい。普通に接してくれ。」
「わかりました。では、許して頂けそうな範囲で、今後は携わらせて頂きます。」
「うぬ。それで頼む。ネレースとやら。」
「はい。」
堅苦しそうなやり取りの後で、ネレースはやや引き攣った笑顔で、
私達を水の神殿内部に案内してくれた。
うーん、きっと自分の水の精霊から、リヴァイアサンの素性を垣間見たのかもしれないわね。
幻獣リヴァイアサンとバレたかまではわからないけど、
ヤバい存在であるのは、わかった感じ?
そんなネレースが順調に私達を水の神殿を案内していると、
途中で5,6人の神官達の集団に出くわした。
するとその中の1人で、少し年配の集団のリーダーらしい神官の男が、
ネレースに声を掛けた。
「ネレース大神官補佐ではないか。ん?もしかして、この子達が
今年の水の神殿の使いの者達かね?」
「はい。トラヴァル副大神官様。この者達が今年の水の神殿の使いの
ルエートとグランと、同行者のリヴァ殿です。」
「ほほう。そうか、そうか。」
ネレースの話を聞いて、トラヴァル副大神官と呼ばれた男は、
私達をまじまじと見て、何やら品定めをする。
その態度は、明らかに私達を見下していて、良い気分のするものではなかった。
けど、その品定めが終わると、次にいやらしい笑顔で、
私達に今度は挨拶をしてきた。
「遠路はるばる、ご苦労であった。そなたが、あのルルシア殿の
ご息女のルエートであったか。かねてより、噂を聞いていた。
魔法学院を、ほぼ卒業した身であり、両親に引けをとらぬ魔力があるので、
第一王子に才能を買われ求婚されている少女だとな。」
「そ、それは、恐れ多い事で何かの間違いでございます。」
私はトラヴァルの最後の言葉を聞いて、顔が引き攣った。
ちょっと、その最後の第一王子に求婚されてる少女って言うのは何なのよ。
迷惑の何ものでもないわ。あんなの冗談なのに、世間では、
そんな噂になっちゃってるわけ?!
これは、お母様と相談して、どうにか対処して貰った方がいいわね。
じゃないと、私は第一王子の結婚問題にも巻き込まれちゃうじゃない。
冗談じゃないわよ。私はあの王子の事は、好きでもなんでもないのに。
勝手にどこぞの人達にライバル視されたら、たまったもんじゃないわ。
「なに?勘違いとな?まぁ、当人が言うのなら、そうなのであろう。
しかしだ、その若さで水の神殿の使いを王から任されたのだから、実力があるのは確かであろう。
とにかく、今年の水の神殿の使いの義は、楽しみにしているぞ。ではな。」
トラヴァルは、そう私に言うと、さっさと取り巻きを連れて、その場から去った。
トラヴァル達が、しっかりといなくなったのを確認して、ネレースは口を開く。
「あの男が、うちのおじい様と対立している一派のリーダーのトラヴァルだ。
メルード大臣とも、個人的な付き合いがあって、かなり友好的な関係らしい。」
「んーそうでしょうね。そんな感じしました。」
私はネレースの言葉に、渋い顔をして賛同した。
さっきのちょっとした会話で、嫌なモノを感じずにはいられなかったもの。
あのガルラとかにも通じる嫌な何かをね。
水の神殿の出入り口に儲けられた、受付のような場所で話す。
水の神殿は来客が多いので、一旦、この受付で話を通さないといけないのよね。
そして、私達が用件を伝えると、受付内が慌ただしくなり、
すぐにある人物が私達を迎えに来てくれた。
「やぁ!よく来たね、ルエート!グラン!」
「わぁ♪ネレース様!お久しぶりです!」
「まさか、僕達の迎えにわざわざ来て下さったんですか?」
「はは。そのまさか、さ。俺は神官の中では、まだ下っ端だからね。
案内役とかも、やらされるわけさ。」
ネレースは、自虐的なことを言って、私達を和ませようとした。
いや・・・それで私達は笑う訳にはいかないでしょ。
仮にもネレースは、今の水の神殿の大神官であるネフル様の孫なんだから。
本人は下っ端なんて言ってるけど、本当は嘘なのがバレバレよ。
「とにかく、俺が水の神殿内を案内して、先にして欲しいことをして貰うよ。
あ、そちらの方もルエートの同行者かい?」
ネレースは気楽に明るい笑顔でリヴァイアサンを見た。
すると、一気に真顔になり、態度を改めて、リヴァイアサンに深々と頭を下げた。
私とグランを心の中で、何事?!と思いながらも、
変にトラブルにならないように平然を装った。
ネレースの方は厳かな態度で、リヴァイアサンに声を掛ける。
「ご挨拶が遅れ、申し訳ございませんでした。私(わたくし)、
当水の神殿の大神官のネフルの孫である、ネレースと申します。
今回はこの様な場所に足を運んで頂き、光栄でございます。
失礼ですが、呼び名を伺っても?」
「うむ。余の名はリヴァだ。今回はこのルエート達の見学で付き添っていただけだ。
要らぬ気遣いはせんでよい。普通に接してくれ。」
「わかりました。では、許して頂けそうな範囲で、今後は携わらせて頂きます。」
「うぬ。それで頼む。ネレースとやら。」
「はい。」
堅苦しそうなやり取りの後で、ネレースはやや引き攣った笑顔で、
私達を水の神殿内部に案内してくれた。
うーん、きっと自分の水の精霊から、リヴァイアサンの素性を垣間見たのかもしれないわね。
幻獣リヴァイアサンとバレたかまではわからないけど、
ヤバい存在であるのは、わかった感じ?
そんなネレースが順調に私達を水の神殿を案内していると、
途中で5,6人の神官達の集団に出くわした。
するとその中の1人で、少し年配の集団のリーダーらしい神官の男が、
ネレースに声を掛けた。
「ネレース大神官補佐ではないか。ん?もしかして、この子達が
今年の水の神殿の使いの者達かね?」
「はい。トラヴァル副大神官様。この者達が今年の水の神殿の使いの
ルエートとグランと、同行者のリヴァ殿です。」
「ほほう。そうか、そうか。」
ネレースの話を聞いて、トラヴァル副大神官と呼ばれた男は、
私達をまじまじと見て、何やら品定めをする。
その態度は、明らかに私達を見下していて、良い気分のするものではなかった。
けど、その品定めが終わると、次にいやらしい笑顔で、
私達に今度は挨拶をしてきた。
「遠路はるばる、ご苦労であった。そなたが、あのルルシア殿の
ご息女のルエートであったか。かねてより、噂を聞いていた。
魔法学院を、ほぼ卒業した身であり、両親に引けをとらぬ魔力があるので、
第一王子に才能を買われ求婚されている少女だとな。」
「そ、それは、恐れ多い事で何かの間違いでございます。」
私はトラヴァルの最後の言葉を聞いて、顔が引き攣った。
ちょっと、その最後の第一王子に求婚されてる少女って言うのは何なのよ。
迷惑の何ものでもないわ。あんなの冗談なのに、世間では、
そんな噂になっちゃってるわけ?!
これは、お母様と相談して、どうにか対処して貰った方がいいわね。
じゃないと、私は第一王子の結婚問題にも巻き込まれちゃうじゃない。
冗談じゃないわよ。私はあの王子の事は、好きでもなんでもないのに。
勝手にどこぞの人達にライバル視されたら、たまったもんじゃないわ。
「なに?勘違いとな?まぁ、当人が言うのなら、そうなのであろう。
しかしだ、その若さで水の神殿の使いを王から任されたのだから、実力があるのは確かであろう。
とにかく、今年の水の神殿の使いの義は、楽しみにしているぞ。ではな。」
トラヴァルは、そう私に言うと、さっさと取り巻きを連れて、その場から去った。
トラヴァル達が、しっかりといなくなったのを確認して、ネレースは口を開く。
「あの男が、うちのおじい様と対立している一派のリーダーのトラヴァルだ。
メルード大臣とも、個人的な付き合いがあって、かなり友好的な関係らしい。」
「んーそうでしょうね。そんな感じしました。」
私はネレースの言葉に、渋い顔をして賛同した。
さっきのちょっとした会話で、嫌なモノを感じずにはいられなかったもの。
あのガルラとかにも通じる嫌な何かをね。