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第6章「敵とあいつと大混戦」

私達はリヴァイアサンが借りた宿の部屋に、一緒に泊まらせて貰い、昨日のうちに、
水の神殿の使いのやるべき事などをリヴァイアサンに説明した。
リヴァイアサンは興味津々に聞き、時に気になる事は質問してきて、
それに私やグランも丁寧に答えた。

「今の時代の人間は、面白いことをするものだな。」
「そう?私達の間では普通だから、わからないわ。」
「でも、リヴァ様。こういう事をするのは、ロヴァール国にある
水の神殿だけなんですよ。」
「なに?そうなのか。なら、尚更変わっているな。」
「リヴァイアサンから見たら、そんなに変な事なの?」

私は、不思議がるリヴァイアサンに聞いてみた。

「そうだな。余が幻獣と言うのもあるかもしれぬが、四大神は遥か昔に滅んだ存在だ。
それを今の時代になって、人間達がまた敬うとはな。」
「え?昔の人間達は敬ったりしてなかったの?」

私はリヴァイアサンの意外な言葉に驚いた。
てっきり太古の時代から敬ってきたのだとばかり思っていたんだけど、違うの?

「各地に神殿があるのは余も知ってはいた。だが、余が昔、人間の世に出向いた時は、
各地の神殿には人間などいなかった。見捨てられた神殿がほとんどだったものだ。」
「え?う、嘘でしょ?グラン、そんな歴史知ってる?」
「い、いや。僕も知らないよ?」

私とグランは、リヴァイアサンの言葉で更に困惑することになってしまった。
どういうことなのかしら?じゃあ、四大神の神殿が、また使われるようになり、
四大神信仰が復活したのは、実はそんなに年数が経ってない事だったりするわけ?
そんな話は学校とかでも習ったことがない。
これは、水の神殿の大神官様に聞けば、何かわかるかしら?
私が悩んでいると、リヴァイアサンは楽し気に言う。

「これは実に興味深いな。いつから、人間達は今の様に神殿を
再度利用するようになったのか。余も知りたくなってきたぞ。
知識の神とも言われる、水神。その水の神殿の大神官とやらなら、何やら知っているかもしれぬな。」
「そうね。私もそれに期待してるわ。」
「そうですね。水の神殿は四大神の神殿の中では、今一番勢力を
誇ってますからね。
もしかしたら、何かわかるかもしれません。」

と、こんなやりとりを昨日して終わったのよね。
そして、今日は水の本神殿がある、ダーファー街に向かう。
ダーファー街はロヴァールの城下街の次に大きい街だ。
ロヴァール国各地にある水の小神殿の総本山がある街なわけだから、
栄えるのは当然って感じかしら?
もちろん、他国からも水の神殿目当てに来る人間は多い。
そのおかげで物流も増えて、観光なども盛んになる。
それらの売り上げの一部が神殿にも入るのだから、水の神殿は
ますます栄えるわけで、色んな意味でさまさまなわけよね。
後、ダーファー街には港もあったりするわ。

「この街は、ルエート達がいた街と同じか、それより栄えてるようにさえ見えるな。」

リヴァイアサンは、ダーファー街に着いて、すぐに辺りを見回して、私達にそう言う。
港とかあるから、そう思ってしまいそうになるわよねぇ。
でも、私も久しぶりに来たけど、リヴァイアサンが言うように、
もしかしたら、今はロヴァール国の城下街よりも、
発展しちゃってるかもしれないわね。
ちゃんと調べないとわからないけどさ。

「リヴァ様。僕達も久しぶりに、この街に来たのですが、リヴァ様の言われるように、
もしかしたら、僕達が過去に訪れた時よりも発展して大きくなかったかもしれません。」
「おお、そうなのか?グラン?」
「はい。見かけない店も多いですし、港の方もかなり整備されてます。
水の神殿も更に増築されてそうです。」
「ほう。なら、かなり栄えているのだろうな。」

グランの言葉を聞き、リヴァイアサンは目を細めて、水の神殿の方を意味深に見る。
リヴァイアサン的に、何か感じ取ったのかしら?

「にしても、お昼ちょっと過ぎに着いて良かったわ。慌ただしい感じになってしまうけど、
水の神殿に行って、水の神殿の使いに来たことを言いに行かなきゃだわ。」
「そうだね。すぐに水の大神官様に会えるか、わからないもんね。」
「ええ。酷いと、ここの街に数日滞在しなきゃかもだしね。」
「なんと?そんな事に成りかねないのか?」

私とグランのやり取りに、リヴァイアサンは怪訝そうにする。
リヴァイアサンにはわからないわよね。
会いに行けば、すぐ会えるとばかり思っていたでしょうし。
グランは、そんなリヴァイアサンを宥めるべく、一層丁寧にリヴァイアサンに対応する。

「そうなんです、リヴァ様。いくら僕達が国の命で来てると言っても、
水の大神官様も忙しい身なので、タイミング合わなければ、
どうしても待たされてしまうんです。」
「うむー。そうであるか。そういう所は人間は実に不便なものよ。」

リヴァイアサンは私達も思っていることを代弁する。
そこだけは、本当に同感だわ。
水の神殿の使いで来てるのだから、少しは優遇されてもいいはずよね。
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