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第6章「敵とあいつと大混戦」

「待ちくたびれたぞ?ルエート、グラン。やっと、ここまで辿り着いたか。
いや、遅いと言うのは不憫と言うものか?道中で、もろもろと大変だったようだからな?
余の水の精霊が、お前達の動向を詳細に報告したのを聞く限りでは、
かなり面倒な相手に命を狙われているようだ。」

リヴァイアサンは、私達に話しかけながら、自身は優雅に椅子に座り、
紅茶らしいものを飲みながら話してくる。
この余裕っぷりったら、苦労して、ここまで来た私達には、
嫌味な態度にしか見えない。
私もグランも、お互いに顔を見合わせ呆れる。

「とにかく、ルエートもグランも疲れたであろう?
とりあえず、こちらに来て、ゆっくりお茶でも飲みながら、
今までの事を余にも聞かせよ。」

リヴァイアサンが、自分の水の精霊達に合図をすると、
メイドの様な恰好をしている、リヴァイアサンの水の精霊達は、
私達を席に案内して、テーブルの上に紅茶とお菓子を用意して、
私達に出してくれた。
あら?リヴァイアサンにしては気が利くじゃない?
少しは私達の苦労を労ってくれる気持ちはあるってこと?

「私達の今までの経緯を話すのはいいんだけど、
先に確認したいことがあるんだけど、いいかしら?」
「何だ?申せ。」
「今後は、リヴァイアサンも私達の水の神殿への旅に、一緒に参加するってこと?」
「そうだ。その為に、もろもろの必要な手続きは、お前の母のルルシアがしてくれた。
余の人間の時の身分など、細かいものをな。」

リヴァイアサンは私の質問に、何を今更みたいな顔で答える。
いや、そうなんじゃないかなーとは思ってはいたわよ?
でも、しっかり確認はしとくべきでしょ?リヴァイアサンは、
ここまで来たら、私が断ったとしても無理矢理にでも一緒に来るでしょうけど。
私が何を考えたのか、リヴァイアサンの方も察したみたいで、
リヴァイアサンは、神妙な顔で私に言う。

「何も邪魔はしない。ルエート達に同行し、水の神殿の使いとやらを見学させて貰うだけだ。
何かルエートの方で不都合があれば、その時は、ちゃんと指示に従う。
ならば、余が同行しても問題なかろう?」

リヴァイアサンは、真面目な顔で私に言うので、私は変に意見を言わずに頷いた。
リヴァイアサンがここまで興味があるのなら、今まで助けて貰った恩もある手前、
同行を拒否など出来るわけないわね。
これで、リヴァイアサンへ少しでも恩返しになれば、私やグランだって悪い気しないし。
ついでに水の神殿を見ることで、リヴァイアサンからも、
新しい知識を貰えるかもしれないなら文句ないしね。

「問題さえ起こさないと約束してくれるなら、私やグランは何も言わないわ。」
「まぁ・・・問題を起こすのは、むしろルエでしょうけど。
リヴァ様。僕達と同行をよろしくお願い致します。」

私の言葉の後で、グランはあんな風に言って、リヴァイアサンに頭を下げた。
むぅ!何よ!確かに、リヴァイアサンよりも、私の方が命を狙われたりして、
逆にリヴァイアサンに迷惑かけちゃいそうかもだけどさ。
だからって、そんな風に言わなくてもいいじゃない!グランったら!

「お前達から了解を得られたのなら、余こそ何も文句はない。
ルエートの件も承知している。だが、余も同行したのなら、
人間の刺客に遅れをとることはない。その点は安心するがよい。」

リヴァイアサンは、穏やかな顔になって、そう私に言う。
これって、私達の身の安全もリヴァイアサンが見てくれるって
ことなのかしら?
なら、こんなに嬉しい事はないし、心強いのは確かだけど。

「良かったね!ルエ!リヴァイアサンが同行してくれるなら、
きっと安心して旅が出来るよ♪
水の神殿に悪い奴らが居たって、リヴァイアサンがけちょんけちょんにしちゃうよ♪」
「ははは、カーバンクルよ。そんなに余をおだてるでない。
ルエートやグランだけでなく、余はカーバンクルの安全も保障する。」
「えへへ♪リヴァイアサン、いつもありがとう♪」

ルビーは嬉しそうにリヴァイアサンと仲良く会話をしている。
その雰囲気は、親戚のおじさんが、可愛い甥っ子を心配してるような感じに似ている。
どうして、ルビーとリヴァイアサンって、こんなに仲が良いのかしら?
今更、疑問に思うのもどうかとは思うんだけどさ。
けど、同じ幻獣と言うだけで、こんなに仲が良いものなの?
私はいつかルビーに、どうしてリヴァイアサンと仲の良いのかを聞いてみようかなと思った。
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