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第5章「水の神殿の底の」

「ど、どうしたんだい?!お嬢ちゃん!こんな時間に?!
何かあったのかい?!」

私を驚いた顔で見ていた、悪い神官達は、すぐに気まずい雰囲気になり、
慌てて、目に見えるもので、隠せるものは隠し、1人の神官が私を
早くこの場から追い出そうとする雰囲気を、必死に隠しながらも、
気持ち悪い笑顔で、私の側に近寄ってくる。
うぅ!お酒の匂いも混じって、この人の体臭もまじでヤバいんだけど!
吐きそうだわ、私。

「あ、あのう。実は、今夜、眠れなかったから、キリアさんの仕事のお手伝いを申し出て、
それでこの小屋に、必要な道具があると言うので、私が取りに来たんですぅ。」
「へ、へぇー。そうだったのかい。それは感心だ!
水の神殿の使いをする子は、やっぱり違うんだなぁーははは。」

私に近寄ってきた男は、わざとらしく、私と対話し、不愉快に笑って、
その場を誤魔化そうとしている。
少しでも、好印象を与えて、上手く丸め込んで、さっさと帰らせようと
しているのが、バレバレだ。マジで、気持ち悪いんだけど、そういうの。

「でも、おかしいですね。ここは、物置小屋と聞いたんですが・・・」
「え?お、おかしい?何がだい?」
「だって、皆さん、それなりの地位にいらっしゃる神官様達なのに、
お酒は飲まれてますし、国で禁止されてるはずの煙草も吸われてるようですし、
後、何かのゲームに、その側で、大量のお金まであるんですもの。
この小屋は、物置小屋なんかでなく、神官様達の遊びの場なのかしら?
楽しそうですね!」

私は、ここぞとばかりに皮肉を込めて、私に対応している神官に
笑顔で言ってやった。
彼を顔を引き攣らせ、それでも笑顔ではあったが、奥に居る、
神官達は一気に敵意を剝き出しにして、私を睨み出した。

「何だ、この小娘。気持ち悪くないか?」
「ああ、あの睡眠薬が効かないとか、ありえないだろう。」
「それに、小神殿に居るはずの奴らが、何で、この小娘が
この小屋に来たのに、気づいてないんだ?怪しすぎるぞ?」

奥に居る神官達は、私達が欲しいと思っている証拠の会話を、
じゃんじゃんと話している。
ラッキーだわ!自ら墓穴を掘ってるなんて、わかってないでしょうけどね!
もっとしゃべりなさい!

「お、お嬢ちゃん。キリアの仕事は私達が今から手伝うから。
お嬢ちゃんは、今夜はこのまま寝た方がいいよ!明日も、
水の神殿への使いで旅をしなきゃだろう?な?」

私に対応する神官の男は、私のどうにか無理矢理にでも帰らせようと、私の身体を触ろうとした。
とにかく、この小屋から、私を追い出したいみたいね。

「いや!止めて下さい!神官様ともあろう方が!こんな子供の私に何をしようとするんですか!!!」
「え?!いや、俺は何にも?!」

私は、セクハラされかけたので、本気で悲鳴を上げてやった。
私の相手をしていた、悪い神官は、私がまさか悲鳴をあげるとは思わずに、逆にたじろぐ。
私は更に、大声で、騒いでやった。

「きゃーーーこの水の小神殿の神官様達は、何て悪い方達なの!
お酒に、違法煙草に、賭博、果ては、少女に卑猥なことまでしようとするなんて?!!
最低すぎるわ!!!これは大問題よ!!!」
「くっ!このクソガキ!黙ってれば、さっきから、ぎゃあぎゃあと!
おい!このメスガキを取り押さえろ!」
「おう!こいつはもう駄目だ!始末しないと!」
「そうだ!水の神殿の使いとは言え、見られちゃいけないものを見られたからな。
ただの監禁だけで良いと指示されたが、それじゃ、もう駄目だ。」
「や、やめてぇ!私をどうする気ですか!ま、まさか!殺す気ですか?!」
「諦めろ。大人しく寝ていなかった、自分を恨むんだな!」

私は、証拠集めの為に仕方がなく、その悪い神官達にわざと捕まり、
もっと会話をしようと、芝居を続けた。
これで、もっといい具合に自分達の悪事をばらしてくれないかしら?
それにしても、全員が全員、茹蛸みたいに顔を真っ赤にして怒らせてるわね。
本当は、恐怖で怯える場面なんでしょうけど、私は笑いそうになるのを必死に堪えていた。
リヴァイアサンの水の精霊は、すぐに私の側に居て、私を守れる体制になってくれている。
それは、もちろんルビーも同じで、ルビーが悪い神官達に威嚇さえしていた。
けど、まずはこのリヴァイアサンの水の精霊が見えない時点で、
この悪い神官達に勝ち目はないわね。
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