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第4章「未来の賛同者」

「ネレース様、ちょっとお聞きしたいんですけど、いいでしょうか?」
「ん?なんだい?」
「どうして、水の神殿の神官達の中には、メルード側になってしまった、
神官達が出て来てしまったんですか?」
「あはは、それはちょっと俺にも痛い質問だねぇ。」
「ご、ごめんなさい。悪気があったわけじゃないんですけど・・・」
「いや、ルエ・・・それは直球するでしょ・・・」

私の質問に苦笑いするネレースと、呆れるグラン。
私だって、こんな質問は失礼だとは思うけどさ。でも、こっちだって、
命狙われたりしているのだから、知れるのなら、知りたいと思うのは当然じゃない?

「ルエート達からしたら、そりゃー聞きたい事だよね。
今の水の神殿の神官達にモラルはないのか?ってね。
残念ながら、俺から言わせてもらえば、大半以上が無いに等しいね。
皆、大なり小なりに、欲望はあるって感じかなぁ。俺も人の事を
言えないところはあるけどさ。
おじい様に反発している神官達は過去から居たのは居たけど、
それを裏で支える貴族達が出てきてしまったのが、
今回に関しても大きな元凶だろうね。」
「どこでも権力争いって言うのは起きるってことですか?」
「そう。我が国の水の神殿内でもね。しかも、質が悪いのが、
神官の素質が、ほとんどない者でも、おじい様に反発している上神官達が、
どんどん採用して、自分の仲間にしてることかな?自分達の勢力の拡大を図ってね。
もし、そんな上の奴らの誰かが大神官になったら、どうなるかと思うと・・・
俺でもゾッとするよ。」

それは、私やグランだって、ゾッとするわよ。ネレース・・・
それでは、水の神殿の神官達の質は下がる一方だし、
ますます、モラルなんてなくなるじゃないの?

「ネフル様の方では対策は何かされないのですか?」

グランも暗い顔になって、ネレースに質問する。

「おじい様は、ルルシア様に相談するくらいだろうね・・・
おじい様も歳だし、自分よりも若い神官達に徒党を組まれて、動かれたら、多勢に無勢さ。」
「でも、ネレース様だって、ネフル様を支えてるんでしょ?」
「まー俺はおじい様の孫だからね。おじい様に反発してる奴らに、
おじい様が何かされたら、やっぱり嫌だからね。」
「そうですよね・・・」

私はネレースの意見に同意した。私だって、お母様やお父様が危ない事になってたら、
助けたいと思うもの。

「ルエート達でさえ、自分の精霊は見えるのにね。
今のうちの神殿の神官達で自分の精霊がはっきりと見えてる奴は、
かなり少ないだろうなぁ・・・嘆かわしいことだよ。うん。」

ネレースは、どこか他人事の様な言い方をして、私達に呆れて見せる。
それって、思っているよりも一大事なのでは?
と、言っても、私もリヴァイアサンに教えて貰わなかったら、
精霊が見える見えないの重要性なんて、知らなかったわけだけど。
でも、水の神殿の神官達くらいは、見えてて欲しいわよね・・・
普通の魔導士とかは違って、神聖な職なわけだし。
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