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第4章「未来の賛同者」

翌日、私達がそろそろ宿を出て、次の目的地に向かう寸前に、
ある人物が私達の元に来た。

「良かった!何とか、間に合ったみたいだね!ルエ!」
「う、嘘?!何で、グランがここに来たの?!!」

私はグランを見て、驚きが隠せなかった。グランは、まだ苦しそうに呼吸をしていたけど、
私にある紙の束を渡してきた。

「ルエ。これ。王様からの勅令証だよ。これがあれば、
ルエが水の神殿の使いを済ませ、国に帰るまでは、自国、他国の貴族を始め、
誰もルエに手出し出来ない!
これでやっと、安心して、水の神殿への使いを再開出来るね!」
「グラン!あんた!その為にわざわざ、これを届けに私のとこまで来たの?!
と、言うか、よく私がここにいるのが、わかったわね!」

グランは私が一番欲しがっていたものをピンポイント持ってきた。
それにも驚いたが、私の居場所がすぐ分かったのにも、驚きを隠せなかった。

「ルエの居場所を知るのは簡単だよ。リヴァイアサン様の水の精霊が、道案内してくれたからね!
ルエの側にいる、リヴァイアサン様の水の精霊が、色々と、今までの事を
リヴァイアサン様に報告してくれたおかげで、知ることが出来たんだ。」
「はい!私の報告がリヴァイアサン様に、早めに通じて良かったです♪」

私の側にいるリヴァイアサンの水の精霊は、グレンの側にいる同族の水の精霊と、
ハイタッチして喜び合っている。やってやりました!と
言わんばかりの感じが、なんか可愛い。
私達は再度、宿屋に留まり、事の経緯をグランが聞いた。

「ルエが、一部の貴族達から狙われているって言うのは、
すぐにリヴァイアサン様が気づいたんだ。ガルラと戦った、あの日にね。」
「あの時に?!」
「うん。それで、人の姿で、すぐに僕の所に来てくれてね。
ルルシア様をルエの家に呼んで、リヴァイアサン様が色々お話されたんだよ。
あ、それにしても、ルエも人が悪いよ!ルルシア様は、
もうリヴァイアサン様の事を、知ってたなんてさ。
それを僕は聞いてないから、最初は、凄い困ったんだからな?」
「あ、ごめん。言いそびれちゃってたわ!だって、あの後で、
すぐに水の神殿の使いに決まってしまったから・・・」
「まぁ・・・ルエの事だから、そんな気はしたけどさ。」

グランは、やれやれと言った顔で私の顔を見る。こればかりは、
私の方が悪いと思うので、大人しくグランに謝るしかない。

「けど、グラン!本当に有難う!これで、必要以上に貴族に恨みを
買うことが減るから助かるわ!」
「それは良かったよ。ルルシア様も、本当は考えていたらしいんだけどね。
けど、まさか、水の神殿の使いの途中で、敵対してる貴族達がルエの命まで狙うとまでは、
流石に考えてなかったみたいで、凄く後悔されてたよ。
やっぱり、念入りに準備してからにすれば良かったって。」
「お母様・・・心配してくれてのね。でも、そうよね。
私もお母様と同じで、まさか命まで狙ってくるとは考えなかったわよ。」
「あ、後さ。僕も今後はルエと同伴するから!よろしく!」
「ええ?!グランも?!」

私はグランに一緒に来ると言われて、更に驚いてしまった。
なんか今日は、驚くことが多すぎて、心臓に悪いわ。
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