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第3章「捻じ曲げる悪い大人」

私達は、泊まる事が出来なくなった村の側で、少しだけ相談して、
リヴァイアサンの水の精霊が、ある提案をしてくれた。

「このまま、私達が村に泊まらないとなると、結局、またすぐに探されて、
夜の山の中で襲われる可能性もあります。そうなると、
より危険なので、ここは、こちらも相手の罠を利用してやりましょう!」
「罠を利用する?」
「はい!ルエート様の水の精霊に身代わりになって貰うのです!」
「私の水の精霊さんを身代わりに?!」
「そうです!でも、危険な事はありません。一時的に、ルエート様の姿になって宿屋に
わざと泊まり、夜になったら消えればいいのです。
後は、敵が動く前に水の精霊に戻って、ルエート様の元に帰ってくればいいだけなので♪」
「す、凄い?!私の魔法で、そんなこと出来るかな?」
「大丈夫です♪今のルエート様の魔力なら問題ないです!
ただ、ルエート様の水の精霊は、今は喋る事は無理なので、私が側でサポートします。
それで、一時的に私もいなくなってしまうのですが、大丈夫そうですか?」

リヴァイアサンの水の精霊は、少しだけ不安そうに私の顔を見て、確認する。
そこまで、してくれるのなら、私も腹を括ってやるしかない。
この作戦はかなり効果がありそうだ。敵の目をかなり混乱してやれそうだしね。

「うん!大丈夫よ!こんなにも貴女が、私の為に協力してくれるだから!
当の本人もやる事はしないとね!!」
「ふふ♪流石リヴァイアサン様が気に入った方です♪
そうとなれば、自分の水の精霊をまずお呼び出し下さい!」
「わかったわ!私の水の精霊さん・・・出て来て・・・」

私はリヴァイアサンの水の精霊に言われた通りに自分の水の精霊を呼び出した。

「では、次に、自分の水の精霊に自分の姿を重ねて、魔力を込めながら願って下さい。
自分の姿になってみてくれと。私もお力を貸しますので!」
「う、うん。」

私は意識を集中させて、自分の水の精霊に全身全霊をかけて願ってみた。

「私の水の精霊さん・・・私の姿になってみて・・・?」

私が魔力を込めながら祈ると、私の水の精霊が淡く輝き、
大きな光の球にみたいになったかと思うと弾け飛び、私の姿に
変わっていた。
え?!本当に出来ちゃったの?!私はびっくりして腰を抜かしそうになった。

「うわ♪凄い!本物のルエみたい♪」

ルビーも私の姿になった、水の精霊の側に寄って、肩に飛び乗り、
いつもの様に、顔をスリスリしている。
自分で自分の生き写しを見るって、こんな気分なのね・・・
他の人には、私はこう見えているんだなぁ・・・不思議体験ね。

「ふぅー無事に成功しましたね!やっぱり、ルエート様の水の精霊は、優秀です!
今後も、どんどん成長していけば、ルエート様なら、もしかしたら、
リヴァイアサン様の使う水の魔法も習得出来るかもしれませんね♪」
「ええ?!リヴァイアサンの使う水の魔法?!!」

私は、それを聞いて、唖然としてしまったが、でも考えたら、
それはいいかもしれないわね。
今後は、こんな危険な目に遭う事も増えていくでしょうから、
自分の身を守るのにも、色々な手段が増えるのは良い事よね?
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