第3章「捻じ曲げる悪い大人」

私とルビーが城下町から出発して、1時間もしないくらいに、
ある水の精霊が私達の元に来た。

「貴女がルエート様ですか?」

その水の精霊は、普段の魚の様な姿ではなく、もっと上位の姿である、
ウンディーネの姿だった。
しかも、私に普通に話しかけてくるあたり、ただの水の精霊ではない。

「どうして、私の事を知っているの?」
「私は、リヴァイアサン様と最も深い繋がりのある水の精霊でございます。
この度は、リヴァイアサン様の命で、ルエート様の旅を
お助けせよと命を受けて参りました。」
「ええ!?嘘?!本当?!」

私は、この水の精霊の言葉を聞いて驚いてしまった。
あのリヴァイアサンが、私を心配して、自分の水の精霊を貸し出してくれるって言うの?

「どうぞ、ルエート様の旅に私をお加え下さい。お邪魔は決してしません。
邪魔だと言われれば、すぐに姿も消しますので。どうか、お願いします。」
「そんな!邪魔だなんて、とんでもないわ!私は凄く嬉しいけど、
でも本当にリヴァイアサンは、貴女にそんな事言ったの?」

私は少し疑いの気持ちで、リヴァイアサンの水の精霊に聞いてしまった。
リヴァイアサンの水の精霊は、私の質問にクスクス笑いながら、答えた。

「やっぱり、疑いたくなりますよね。ルエート様は、
リヴァイアサン様の言われた通りの女性の方みたいです。」
「ご、ごめんね!悪気があるわけじゃないんだけど!けど、ここまで、してもらう理由が
思いつかなくてね・・・それでね・・・?」
「それを聞かれたら、リヴァイアサン様はこう答えろと言ってました。
精霊を見えさせるようにした時に、危険な目に遭わせた、償いだそうです。」
「あ、あの時の・・・」

私は過去にそんな事があったことを思い出した。
そう言えば、いずれ詫びはするとか言ってたわね・・・
それをここで返そうってわけなのね。うん、気が利くじゃない?

「あはは、リヴァイアサンらしいね♪本当は、ただ心配だから、
力を貸してる癖に♪
素直じゃないんだから♪ルエ、良かったね♪一緒に来て貰ったらいいよ!
いざって時は、リヴァイアサンとも連絡取れるから!」
「そうね!私はもちろん大歓迎よ♪お友達も増えるし♪」
「有難うございます。何かお役に立てることがあれば、すぐにお呼び下さい。
では、一旦、姿を消しますね。」
「うん♪また、落ち着ける場所に行けたら、お話しましょうね♪」
「はい!了解しました!」

リヴァイアサンの水の精霊のウンディーネは、礼儀正しく、
可愛くお辞儀をして、消えた。
リヴァイアサンと違って、愛想が良い感じが、またいいわね。
ま、今のリヴァイアサンも大分、優しい感じになったけど。

「本当は、リヴァイアサンも一緒に来たかったのかもね!」
「え?そうなの?ルビー?」
「うん。ボクはそう思うよ。でも、リヴァイアサンは、
用心深いから、だから、今回は自分の水の精霊を使って、
様子を見ようとしてるんじゃないかな?」

なるほどね・・・そういう訳ですか。
私に自分の水の精霊を使わせて、もっと人間界の様子を
見ようとしてるってことかしらね。
なんか、それを知っちゃったら、素直に喜べなくなっちゃった。
ただの優しさからの行動じゃないってことだもんね。
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