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第3章「捻じ曲げる悪い大人」

「じゃあ!ルエート!しっかりやるのよ!」
「絶対に無理はしないようにな。それから、国からの使者として、
恥ずかしくない行動をするのだぞ?」

私は、ロヴァール国の城下町の正門から、両親に送り出されていた。
あの両親が揃って、私を送り出してくれるなんて、やっぱり責任重大よね。
普段、2人が揃うなんて、滅多にない事ですもの。

「ルエ。好奇心に任せて、危険な事はしちゃ駄目だからね?」
「何よ!グランは!本当に心配性なんだから!」
「無理もないわよ。ルエは、子供の頃から、危なっかしいんだもん。」
「酷い!エルメリアまで!」

私はグランとエルメリアに、ちょっとだけ怒る。心配してくれて
言っているのだから、素直に聞くべきなんだけどさ。
でも、こんなとこで、からかうように言わなくてもいいわよね。

「ルエ・・・本当に気を付けて行ってくるのよ。」
「そうだよ。ご両親も心配されるからね。無理はしないようにね?無事に帰って来るんだよ?」
「有難う!シルエママ、クロムパパ♪ちゃんと、気を付けて、
ちゃんと帰ってくるわ♪」

私は、グランの両親でもあり、私の育ての親でもある、
シルエおばさんとクロムおじさんに笑顔で答えた。
つい、いつもの癖で、ママとパパをつけて呼んじゃった。
だって、この2人が、こんなに嬉しそうな顔をしてくれるのなら、
私も、今回の水の神殿の使いに選ばれた事は良かったと思える。
本当の親子なら、親孝行出来た気持ちかしら?

「お土産話、待ってるからね♪ルエ♪後、大したものじゃないけど、このお守り持って行って♪」
「わぁー可愛い♪有難うね!ミナート♪」

私はミナートから、可愛い花柄のお守りを貰った。
私はすぐに大事な物を入れる冒険者用のカバンにしまった。
うん!これで大丈夫ね!

「じゃあ!行ってきます♪」

私は、両親とグラン、それから親友と学友達に見送られて、
水の神殿に出発した。
初めての1人旅で、不安もいっぱいだけど・・・
でも、私にはルビーも居てくれるし、自分の三元素の精霊さんも
いるんだから、怖くないわよね♪

「ルエ!やっと、初めての大冒険だね♪」
「そうね!ルビー♪どんな事があるか、楽しみね♪」
「ボクも凄く楽しみだよ♪あ、でも安心して!ルエは、
ボクが絶対に守ってあげるからね!」
「うふふ、有難うルビー♪でも、私だっていざと言う時は、
ルビーの事守ってあげるからね♪」
「えへへ。本当にルエは、出会った頃から変わらないね♪
ボクはそんなルエの事が大好きだよ♪」
「やだぁールビーったら♪でも、私も同じだよ♪」

私は人目を気にしながらも、ルビーと楽しく会話をしながら、
水の神殿への冒険を開始した。
やっぱり、ルビーが居てくれるなら、この冒険に不安はないわ。
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