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第3章「捻じ曲げる悪い大人」

「ルエ!再度おめでとう!水の神殿への使い!頑張るんだよ♪」

私はリヴァイアサンのいる、いつもの洞窟でグランに笑顔で応援されていた。
リヴァイアサンも、私がそんな使命を王から任されたと知って、
興味がありそうな顔をする。

「ほう?そんなに名誉なことなのか?ならば、気を付けて行ってくるが良い。
しかし、グランはルエートとは一緒には行かないのか?」
「残念ながら、僕は、そこまでの資格がないんです。リヴァイアサン様。」

グランは、少し寂しそうな顔で、リヴァイアサンに答えた。
私も、許して貰えるなら、グランが一緒に来てくれれば、嬉しいんだけどねぇ。
でも、グランは、私と違って、普通に学生として、学院で
勉強しなきゃいけないからなぁ・・・

「でも、ボクがルエについていくから、心配しないで大丈夫だよ!グラン♪」
「そうだね。ルビーが居てくれれば、ルエも安心だと思うよ!」
「うむ。カーバンクルは危険を察知する能力には、かなり長けている。
それに、人間の魔法の攻撃なら、ほとんど防げるであろう。
守り手の存在として、ここまで心強い存在もおるまい。」

私を心配するグランに、ルビーもリヴァイアサンも励ますように、言う。
リヴァイアサンに言われて、改めて思うけど、ルビーは、
本当に優秀な幻獣なのよね。そういう意味でも。
私は、いつも一緒にいるから、当たり前の感覚になっちゃってるけど。
普通に考えて、全ての魔法を跳ね返す光の壁を作り出せる存在なんて、
かなり貴重な存在よね。

「それで、ルエートが行く、その水の神殿とやらへの使いは、何日ほど掛かるのだ?」
「そうね・・・歩いて行くのが決まりだから、下手すると
1か月は掛かってしまうかもしれないわね。
仮にすぐに水の神殿に着いても、すぐに入れない場合もあるし。」
「なんと、1か月も掛かるのか?思ったよりは掛かるのだな。」
「意外に掛かるのよ。一応は、使いと言っても、修行でもあるからね。」
「なるほど。そういう面も持ち合わせているわけか。」
「うん。だって、この使いが上手く行けば、どんな道にでも進めるんだもの。
学院の関係者になってもいいし、城で働くのもありだし、
私は大魔導士になって、しばらく世界を旅したいけどね♪」
「うむ。ルエートは、一か所にいるよりも、その方が良さそうだな。
ルエートは、世界を見た方がいい。その方が、もっと大きく成長しようぞ。」

リヴァイアサンは、私の将来の希望に賛同してくれた。
なんか、ちょっと嬉しいかも?
だって、お父様やお母様に言ったら、絶対に怒られそうだもん。
冒険者まがいなことをするなって。
けど、リヴァイアサンが賛同してくれるなら、お母様の説得は、
しやすいかもしれないわね。
いざとなったら、リヴァイアサンの力を借りようかしら?
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