私達は、ワイワイ言いながら、楽しく昼食を食べた。
ただ、グランだけは、食事をしながらも、リヴァイアサンから、
質問攻めにあっていたけどね。
この料理は、どうだの、こうだのってね。
でも、グランも自分の作った料理に関心を寄せられたことは嫌じゃなかったみたいで、
嫌な顔せずに、丁寧に答えていた。私が逆の立場だったら無理だわ。
食事中は大人しく食べさせて！って言っちゃいそうだもん。
私達は、食事を済ませて、その後はどうするか、相談している最中だった。

「ただいま。ルエートいるのかしら？グランもいるのね。
あら？そちらの方は？」

予期せぬ事態が起こった。年に数度しか帰って来ない、お母様が、今日いきなり帰宅したのだ。
これには、私もグランも驚愕した顔になり、リヴァイアサンは、
この事態がわからずに「？」みたいな顔をする。

「え？！お、お母様！な、なんで？！！」
「何よ。私の家でしょ？帰ってきたらいけないわけでもあるのかしら？
それより、そちらの方はどなたなの？ちゃんと、説明なさい。ルエート。」

お母様は厳しい顔で私にリヴァイアサンの事を聞いてくる。
お母様は勘が良い人だから、怖いのよね。変な事は言えない。
それに、リヴァイアサンが変な事を言わないことも願うしかない。

「こ、こちらの方は、グランの遠い親戚の方で、今日は、久しぶりにグランの家に
来たみたいで、それで、街の観光とか、もろもろ私もお手伝いしてたと言うか・・・」
「ふーん、そうなのね。で、お名前は？」
「リヴァ様です。ルルシア様。」

グランは私よりも冷静にお母様と対応している。
こういう時のグランって、意外に度胸？があるのよね。

「そうなの。グラン？」
「はい。父方の遠い親戚でして。僕一人では、心細かったので、
ルエに協力して貰ってました。今さっき、キッチンもお借りして、
食事もさせて頂いてました。」
「あら！残念だわ！グランの料理を私は食べ損なったのね！」

お母様は悔しそうな顔でグランの話を聞いている。お父様も
そうだけど、お母様もグランには甘い。

「っと、お客様を前に失礼だったわね。リヴァ様。
ようこそ、ロヴァールへ。ルエートの母のルルシアでございます。
ロヴァールの街並みはいかがでしたかしら？」

お母様はここぞとばかりの笑顔で、リヴァイアサンに挨拶をする。
リヴァイアサンは、私達の顔をじーっと見た後で、お母様の挨拶に答えた。
どうやら、何かを察して話を合わせてくれそうだ。良かったわ。

「丁寧な挨拶、痛み入る。そなたの娘からも、手厚い歓迎を受けて、
余は満足させて貰っている。母であるそちにも感謝する。」

ちょっとーーー言い方をどうにかしてーーー！と私は心の中で
叫んだが、今更どうにもならないわよね・・・はぁ・・・
私は恐る恐るお母様の顔を見た。お母様の方は少しびっくりした
顔はしていたが、またすぐに笑顔に戻った。

「ルエート、グラン？ちょっと、リヴァ様と二人でお話したいわ。
ちょっと席を外してくれるかしら？」

お母様は笑顔ではあるが、私達に威圧的にそう言ってきた。
こんな時のお母様に私達が逆らえるわけもない。
私達は内心は冷や冷やしながらも、部屋を出て行くしかなかった。
リヴァイアサン！お願いだから！余計な事言わないでよ！！！
私は心の中で叫ぶしかなかった。