「これが今の時代の人間の家か、家の作りも余が知っていた時代と大分違うな。
それともルエートの家が特別なのか？」

私の家に着くなり、リヴァイアサンはまじまじと私の家の中を
観察して、私達に聞いてきた。
リヴァイアサンにとっては、今の人間の家も、そんな感じで、
珍しいのねぇ・・・私達にはわからない感覚かも。

「ルエの家は、代々有名な魔導士の家ではありますが、家の作りとしては、
他の人の家と大差ないと思います。ま、少しだけ大きい家と言うのは
あるかもしれませんが。」
「そうか・・・」
「国が違えば、多少は家の作りが違うのはあるかもね。」

私はグランの説明に、その事も付け加えておいた。
リヴァイアサンは、その後も、キッチン、お風呂にトレイとかまで、
見て、自分だけで、何やら納得していた。

「じゃあ、料理作り始める？ルエ？」

そんなリヴァイアサンをよそに、グランは買ってきた食材を素早くわけたりして、私に聞いてきた。
私は頷いて、料理しよ！とグランに返事した。

「お！グランが料理するのか！余も見学しようぞ！」

私達が料理をすることを知ったリヴァイアサンは、明るい顔をして、私達がいるキッチンに来た。
ちょっと！邪魔なんですけど？！グランなんか苦笑いしてるし。

「リヴァイアサン様は、嫌いな食材とかありますか？」
「余か？さて、どうだろうな。地上にあるすべてのモノを
食したわけではないからな。」
「じゃあ、逆に好物は、何なのよ？」
「好物か・・・そうだな。」

リヴァイアサンは少し悩んでから、ニヤリとした顔になって、私達に言う。

「人間の生き肝なんかどうだ？特に魔力の高い人間が良い。」

と答える。全く、これから食事にするって言うのに、
そういう悪い冗談はやめなさいよね。この海蛇幻獣は・・・
きっと、そう言えば、私達が怖がって面白いとでも、
思っているのだろうが、私達も、そこまで子供じゃない。
小さい子なら、怖がったかもしれないけどさ。

「はいはい。そんな冗談はいいのよ。」
「なんだ。つまらぬ反応だ。だが、あながち冗談でもないがな。
余は魔獣でないから、食したことがないだけだが。」

リヴァイアサンは、私達の反応が普通だったので、つまらなさそうにしている。
いやいや、あながち冗談じゃないってとこの方が今、普通に怖かったんですけど？！
その気になれば、食べることも出来るってことね・・・

「では、今日は色々な食材を使って、料理してみますね！」

グランは、私達のやり取りを聞きながらも、器量に手を動かし、
どんどん料理を作っていく、それを見た、リヴァイアサンは、
感心したような顔で、楽しそうにグランを見ている。

「うむ。グラン、それで頼む。なに、人間のお前達が食べれるものなら、
余も基本、食することが出来るだろう。実に楽しみだ。
グランの手作りの料理を、今日はその場で食せるのだからな。」

リヴァイアサンは、笑顔でグランにそう言った。
なんか、グランが女の子だったら、もうすっかり、
リヴァイアサンの胃袋ゲットしちゃってるわね、これ。