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第2章「それって大使命?!」

シードラ商店街に着いた私達は、リヴァイアサンにあれこれとお店を紹介する。
人間の姿になっても、どこか気難しそうな顔をしていた、リヴァイアサンだったけど、
店の商品をあれこれと見ていくうちに、だんだんと目を輝かせていった。
私達から見ても、リヴァイアサンが興奮していると言うか、喜んでいるのがわかる。
でも、多分それを指摘すると機嫌が悪くなりそうなので、私は黙ってあげた。
リヴァイアサンって、変なところで無邪気になるのが、ちょっと可愛いのよね。
本人に言ったら、大激怒するでしょうけど。

「ほう!これが今の人間の書物なのか!昔は巻物だったのにな。
これは、全世界遊戯辞典とな?!それから、これは?!」

リヴァイアサンは書店に入るなり、一際、1匹で大興奮している。
人間の情報が欲しいのなら、本は便利かもしれないわね。

「ルエート、グラン!余は、この本を数冊欲しいのだが、
今は手元に金がない。貸して貰えるか?」
「私、あんまりお金ないわよ?グランはいくらある?」
「僕は、一応1万エンあるけど、ルエートは?」
「私は5000エンくらいかな・・・」

私達は互いの所持金を確認する。リヴァイアサンが欲しがった本は、
それなりにするモノだったので、グランが払うことになった。

「すまぬな。グラン。だが、余はちゃんと返すからな。安心せい。」
「あはは!はい、いつでも結構ですから、お待ちしてます。」

書店を出た頃には、リヴァイアサンは大事そうに買った本を抱きかかえていた。
ちょっと!その外見で、その行動はギャップがあって笑っちゃうじゃない。もう。

「何だ?ルエート。何をニヤついておる?」

リヴァイアサンは、危うく笑いそうになっている私を、不思議そうに見ている。
いやいや、人の事言えないでしょうが!
リヴァイアサンだって、さっきの顔はニヤついてましたけど?

「別に、何でもないわ。ちょっと思い出し笑いしそうになっただけよ。」
「ふん。わけのわからぬ娘よ。」

あのね・・・本当の事言ったら、怒るのあんたでしょうが!
だから、誤魔化したのに!頭きちゃうわ!

「まぁまぁールエート。ところでさ、街の案内は大体済んだけど、次はどうする?」

怒りそうになっていた私に気づき、私をうまいタイミングで
宥めたグランは、私に次の予定を聞いてくる。

「どうしようか?そういえば、お昼も過ぎたけど、手持ちが
ちょっと不安だから、私の家で昼食にする?」
「そうだね。それなら、再度、食材を買いに戻って、
ルエートの家で食事にしてもいいかな?」
「いいわよ!どうせ、私の家は誰も帰ってこないと思うしね!」
「そういう事なのですが、リヴァ様、それでよろしいですか?」
「ルエートの家か、それは良いな。興味深い。余は全然に構わないぞ?」
「だそうだよ、ルエ!」
「じゃあ!決まりね♪」

私達は昼食の食材を買いに、再度、シードラ商店街に戻った。
リヴァイアサンが食べてみたい食材などを買ったら、
結構な量になってしまったんだけど、グランはこれを全部、
処理出来るのかしら?
ま、グランは私より料理が上手だから大丈夫かしらね。
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