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第2章「それって大使命?!」

リヴァイアサンを連れて、私達は街の観光案内を開始した。
リヴァイアサンは、自分が想像していたよりも、街が発展していたことに
かなり驚いている様子だった。

「今の人間達は、こんなにも高度な文明を築いていたのか。なるほど。
これなら、ルエートのような存在が居てもおかしくないやもしれぬな。」

リヴァイアサンは、私達にだけ聞こえるように喋る。

「余は考えを改めなければいけないな。今の人間の世界を。」

リヴァイアサンは、そう言いながらも顔は険しくなっていく。
うーん。私から見ると嬉しそうに見えないんだけど・・・
リヴァイアサンの中では、あまり都合がいい状態じゃないみたいね。
何か脅威に感じるものでもあるのかしら?

「リヴァイアサン様。あちらが、僕とルエが通う、魔法学院です。
世界でも1つしか存在しない場所で、ロヴァールが大国と言われる所以の1つです。」

グランは、リヴァイアサンの様子を気にせずに、案内を続けている。
リヴァイアサンは、グランの説明を受けて、私達の魔法学院を、
じーっと見ていた。

「あれが、お前達の学院と言うわけか。うむうむ、確かに
あそこからは強い魔力を感じるな。あそこを治めている者は、
それなりに力を持っているようだな。」
「ふふ、リヴァイアサン様。あそこの学院長をしているのは、
そこのルエの父親のセレン様なんです。」

グランは楽しそうに、リヴァイアサンに教えている。
リヴァイアサンはそれを聞いて、納得したような顔をした。

「通りで、魔法の気質が似ていると思ったぞ。そういう事か。」
「え?そんなことまで、リヴァイアサンはわかるの?」
「当たり前だ。余を何だと思っている?あの有名な・・・
いや、ここでは、余計な事を言うまい。」

リヴァイアサンは最後まで言わずに会話を途中で止めてしまった。
そー言えば、私達は、リヴァイアサンとか平気に言ってたけど、
街中に居る時は、呼び方変えないとダメよね。流石に・・・

「ね?今から、リヴァイアサンの事をリヴァさんと呼んでもいいかしら?」
「何?なんだその安直な呼び方は!むぅ、しかしあまりにも
偽名過ぎては、いざと言う時に余が反応出来ないのでは
しょうがないしな・・・止むを得えまい、許可してやろう。」

私の提案に一瞬、ムッとしたリヴァイアサンだったけど、
事情が事情だったので、あっさりと許可してくれることになった。
こうなるなら、今後は、ちゃんと事前に打ち合わせしとくべきよね。
リヴァイアサンって、案外そういうところは慎重にならないのかしら?

「じゃあ、僕はリヴァ様って呼びますね!」

グランはいつもの笑顔でリヴァイアサンに言った。
グランらしいわねーそういうところ。

「ところでルエ、今度はどこ紹介する?」

グランは私に次の案内場所をどこにするべきか聞いてくる。
私は少しだけ悩んで、グランにある場所を提案した。

「シードラ商店街なんてどうかしら?あそこは、魔法関係の
アイテムも多いし、リヴァさんも喜ぶんじゃないかしら?」
「そうか、そうだね!そこにしよう!」

グランはパッと明るくなり、リヴァイアサンに、
シードラ商店街の話をしながら歩き出した。
今日はきっとこんな感じで1日がアッと言う間に終わりそうね。
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