このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第1章「友情度0%」

自分の風の精霊と交渉がうまくいった私は、もう一度、風の精霊にお願いをする。

「私の火の精霊さんと仲良くなれるように、協力して!私の風の精霊さん!」

私は今度はしっかりとした声でそう言うと、風の精霊は、火の精霊の側に向かった。
火の球のような姿の火の精霊は、風の精霊に追い回され、逃げ惑う。
大丈夫かな?なんか、追い掛け回してるだけな感じだけど・・・

「私の火の精霊さん!お願い!お話したいだけなの!私のお話聞いて!」

私は風の精霊に追いかけ回されてしまっている、火の精霊に声を掛けたが、
火の精霊は、追いかけ回されてる事に怒ってしまったのか、
私に向かって、ファイヤーボールを撃ってきた!

「いや?!嘘でしょ?!」

私は咄嗟の事で魔法では何も出来ず、両腕でファイヤーボールを受け止めようとした。
するとルビーが大声で私にある能力を使ってくれる。

「ルエ!危ない!大いなる光の壁よ!ルエを守り給え!」

ルビーは幻獣カーバンクルが使える、あるゆる魔法を反射できる、
光の壁を私の前に出してくれた。
おかげで、火の精霊が出した、ファイヤーボールを弾き返すことに成功した。
火の精霊は、こんな形で反撃されるとは思わなかったようで、
跳ね返ってきた、自分の攻撃に見事に当たり、地面に、ぽてっと落ちた。
ルビーのおかげで助かったわ。火の精霊には可哀想だけど・・・

「もう!リヴァイアサンは意地悪しすぎだよ!!ルエは、
今日、初めて、自分の火の精霊と会うんだよ?
そんなにボク達みたいに都合良く、精霊と仲良くなれるわけないじゃないか!」

珍しくルビーは本気で怒って、リヴァイアサンに抗議した。
流石のリヴァイアサンも、ルビーが本気で怒ったので、
申し訳なさそうな顔をする。

「すまぬ。つい、ルエートがどこまで出来るか、見てみたくなってな。
そう、怒るな、カーバンクル。」
「ボクより、ルエに謝ってあげて!ルエは女の子なんだよ?
もし顔に火傷なんかさせたら、可哀想だよ。ルエ・・・大丈夫?」

ルビーは私を心配してくれて、そんな事まで、言ってくれた。
そして、いつもの様に私の肩に飛び乗り、私の頬に自分の頬を
スリスリして、慰めてくれる。
本当、ルビーの言う通りよね。ルビーがあの能力で私を守ってくれなかったら、
私は腕どころか、顔も火傷していたわよね・・・

「許せ。ルエート。余も悪気があったのではない。貴様の素質を
見極めようと本気になってしまったのだ。この詫びは、いずれしよう。」

リヴァイアサンは気まずそうに私に謝罪してきた。
本当に反省してるのかしら?この海蛇幻獣は。
でも、今日のこの体験はリヴァイアサンが居なければ、出来なかった体験でもあるのよね。
だから、一概に責めるのも、可哀想か・・・

「いいえ。私はリヴァイアサンを責めたりしないわ。
油断してた私も悪いんですもの。お互い様?ってことよ。」
「ルエ・・・」
「貴様・・・」

ルビーも、リヴァイアサンも私の顔を見て、唖然としている。
何よ?私、変な事言ってる?
少し離れた場所にいるグランだけは、そんな私をニコニコと
した顔で見ていた。

9/12ページ
スキ