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第1章「友情度0%」

私の火の精霊は、戦闘態勢に入ったままだった。
この調子で変に声をかけたら、怒って攻撃してくるかもしれない。
気まずい空気の中で、リヴァイアサンは楽しそうな顔で見守り、
グランとルビーは心配そうな顔で見守っていてくれた。
それにしても、どうしたらいいの・・・何をしたら・・・
私は自分の周りも再度確認した。私の周りには、水の精霊と、
風の精霊も居てくれた。私はふっと水の精霊をじっと見る。

「もしかして、私の水の精霊さんも怒ってる?」

私は、さっきまで穏やかな感じがしていた水の精霊から、怒りのような感情を感じた。
水と火・・・もしかして、そういうこと?
私は考えた事を実践してみた。

「私の水の精霊さん、私のお話を聞いて?」

水の精霊は、私の声を聞き、火の精霊を気にしながらも、私の側に来てくれた。

「あのね?ちょっとだけ、姿を消して欲しいの?出来る?」

水の精霊は、私の言葉にびっくりしたみたいな態度をとる。
そして、心配してくれてそうな顔をした。
なんか、水の精霊のことなら、私、大分わかるようになったかも?

「ふふふ。大丈夫よ!ちょっと、私の火の精霊とはお話するだけだから。
ね?心配しなくても大丈夫♪」

私は笑顔で安心させるように言うと、水の精霊は、わかったと言う顔で、さっと姿を消した。
そのおかげか、火の精霊は、さっきよりも落ち着いた感じの雰囲気になった。
やっぱり、反対属性の精霊があんまりにも近くに居たのも、
良くなかったみたいね。

「ほう・・・」

リヴァイアサンは私の行動を、まだ楽しそうに見ている。
憎らしい海蛇幻獣なんだから!いつか大人になったら、契約して、
こき使ってやろうかしら?
私は少しイラっとしつつも、次の火の精霊の対応を考える。

「さっきは、水の精霊さんが風の精霊さんを説得したんだから・・・
次を考えたら、風の精霊さんが火の精霊さんを説得して貰うしかないよね・・・」

私は、次は風の精霊に話に声を掛ける。

「私の風の精霊さん・・・側に来てくれる?」

私は真剣な顔で風の精霊を見た。風の精霊は最初よりは、私の言葉を聞いてくれた。
水の精霊ほど、近づいては来なかったけども、私の事は見てくれている。

「あのね・・・?私は、私の火の精霊さんとも仲良くなりたいの。
だから、私の風の精霊さん。私に協力してくれる?」

私は、風の精霊にそう懇願した。この方法しか、今の私には思いつかない。
風の精霊は、私の言葉を聞いて、悩んでいる感じだった。
もしかして、タダじゃ、動かないってことかしら?

「もし、私に協力してくれるなら、風の精霊さんが
好きな風の魔法結石あげるわ!それでどう?」

私は試しにそう風の精霊に言ってみた。すると、風の精霊は、
嬉しそうに私の側にもっと寄ってきて、くるりと体を回転して見せた。
交渉成立ってこと?風の精霊は、やっぱり現金な子みたいね。
風の精霊は自由を愛する精霊でもあり、取引でも有効な精霊って
言われてるもんね。
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