第4章「蠢く敵の影」

「結局は、二四も、まだ十二には勝てる見込みは無さそうだな。」
「そうですね、師匠。けど、二四は、ゴートンに比べれば、かなり粘りましたけどね。」
「しかし、13冊目の身体の一部を受け継いでも、あれでは困るぞ?
早く覚醒させてやらねば。」

俺と師匠は、完全に気絶してしまっている、二四とゴートンを介抱しながら、会話をしていた。
ゴートンの後で俺はすぐに二四と戦ったが、結局最後は、二四も、
俺に身体を中をまさぐられる経験をして、戦いは終わった。
修行の後で、俺も少しは罪悪感が出てしまいそうになるが、
でも、2冊達が起きて来ても、俺は謝る気はない。
これが、師匠の修行のやり方だからな。
俺も師匠に、どんなに殺されかけても、謝られたことはない。

「しかし、ゴートンには、困るな。この調子では、修行の意味がない。
十二との戦いでも、あの戦いでは、拙者と戦ったら、
確実に拙者はゴートンを殺してしまうぞ。」
「俺も、そう思います。ゴートンも、二四みたいに、吹っ切れられる何かが
あってくれればいいんですが・・・。」

俺はゴートンの頭をポンと触り、悩んだ。
最初はチャラた、ふざけた本だと俺は思ったものだ。
トワにいきなりナンパして来た日が懐かしい。

「けど、そういう行動も、こいつからしたら、寂しさと優しさから、
きてる行動だったんだよな。」

俺は、ゴートンの付き合いを思い出し、そう感じた。
こいつからしたら、仲良くしてきた下巻の兄弟達を失ってきた悲しみと寂しさ。
そこからくる、仲間を見つけたら、心から喜び、同じ苦しみを持つ本とかなら、
特に安心させようとして陽気に振る舞う、気遣いと優しさ。
ゴートンは、やっぱり根は悪い本ではないのだ。
チャラさが無い時に、トワを心配してることがあったりしたが、
実に気の利く、出来る本だったのを、俺は陰ながら知ってる。
トワもゴートンにイチャモンを言うが、心を開いているのは、二四よりもゴートンの方だろう。
しかし、師匠から見れば、それは「甘え」だ。
優しいだけでは、救えないモノがあることは、ゴートンも
ちゃんとわかっているはずなのだ。
ゴートンみたいなタイプは、例えば、二四の姿を模写した敵に、
襲われたりしたら、何も出来ずに惨めに死ぬだろう。
「甘え」が出て、敵からの攻撃をろくに防げず、反撃も出来ずに。
俺は、そんな悲劇は見たくない。だから、ゴートンにも、しっかりと成長して欲しかった。
こいつは、本当に憎めない奴なんだよな。俺達の中でも、
男の本ではあるが、マスコット的な存在と言うか・・・
俺も師匠には、ゴートンと似てる「甘え」があると過去に言われたこともあるから、
気持ちはわかってやれるはずだ。
俺は、こいつの先輩として、出来ることがないか、考えた。
師匠も同じように難しい顔をして考えている。
今後の修行の内容でも、考え直しているのかもしれないな。
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