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第4章「蠢く敵の影」

俺は、まずゴートンと戦う事にした。でないと、二四から戦えば、ゴートンは、
その後で、何かと理由をつけて、今日は戦いたくないなどと
言いかねないと俺は思ったからだ。
ゴートンは、二四より、全然成長が出来てないのは、俺から見てもわかる。
これは、ゴートンの為を思うのなら、俺が心を鬼にして、
ゴートンが師匠に殺されないようにしてやらなければならないだろう。
それに、俺はゴートンにもかなり期待してるのだ。
二四とのあの仲の良さなら、絶対に連携技を覚えてくれるだろうと。
俺は、ゴートンを過去の18と戦うような気持ちで対峙した。
ゴートンは、俺から殺気を感じて、すぐに身構える。

「はぁはぁ・・・くそ・・・」
「どうした?50冊目?まさか、それで終わりとか言わないよな?」

基本、体術で殴り合ったり、時として能力を使い合ったりして、
俺とゴートンは、戦ってはいた。けれど、力の差は、10分もしないうちに現れ、
ゴートンは息切れを起こしていた。
身体の数か所にも傷が出来ている。俺は、宣言した通りに、
時として急所を狙い、ゴートンに本気だと言う事を再認識させる。
普段はチャラチャラしてるゴートンも、流石に今はそんな余裕もない。

「お前、まさか、今でも相手が俺だからって、加減してるんじゃないだろうな?」
「くっ、そ、そんなわけないだろう!」
「本当か?なら、お前の本気なんて、この程度なわけか?」
「なにぃを?!!」
「そうだろ?良く俺を見てみろ?俺は、この通り、細かい傷さえお前から受けてない。
なのに、お前は痛々しい傷が増えていくばかりだ。
今のお前じゃ、二四の足手まといでしかない。このまま、成長が出来ないのなら、
大人しく、上巻の奴にでも喰われちまえ!」
「う、うるさい!!!そこまで言う事ないだろう!!!」

俺の挑発的な言葉に、流石のゴートンも切れて、俺に掴みかかってきた。
俺は溜息をつきながら、ゴートンの隙をついて、ゴートンの腹に、
手を突っ込んだ。

「げ、げは?!!!」

俺の攻撃で、ゴートンは口から血を吐き、俺の顔を見る。
その顔は、どうして?と言う顔をしていた。やっぱり、ゴートンは
まだ非情になりきれないようだ。

「言っただろう?殺す気で来いと。お前は、まだ優しい過ぎるんだ。
俺がここまでしないだろうって、甘えもあっただろうけどな。
だが、俺はすると言ったはずだぞ?これも、一つの経験だ。
敵から、身体の中をまさぐられるのは、どんな感じか、味わえ。
そして、今一度、自分の考えを改めろ。お前が、二四を
守りたいって心から思っているならな?」
「と・・う・・じせn・・・げほごほ!!!」

俺に身体の中をまさぐられてる中で、無理に会話をしようとした、
ゴートンは、もっと激しく血反吐を吐き、そして激痛の中で、
耐えきれず気絶した。
俺も師匠に同じことをされたから、わかるが、この痛みは、
想像以上に本当にきついし、辛い。
俺も最初にされた時は、死ぬのだと覚悟したな。
二四は、心配そうな顔をして、ゴートンに近づき、悲しそうな顔をする。
その後で、師匠の能力で、すぐに回復したゴートンは、気絶はしているが、命に別状はない。
しばらくは、この事はトラウマにはなってしまうかもだが。
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