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第3章「混濁するモノたち」

俺はトワに四四の事を話し、トワは「そうなんだ」と、納得し、
その日はそれで終わった。
それから、2日後ぐらいに、まさかの四四が早朝に俺を訪ねに来た。
思ったよりも早い再会に、俺は驚いたが、トワは逆に喜んでいた。
笑顔で四四に自己紹介を済ませて、四四も悪い気はしてないようだ。

「意外に早く会いに来たな。驚いたよ。」
「すいません。自分だけでは、どうしても難しそうな話だったもので。
出来るなら、ご協力願えないかと。」
「例の仕事はまだしてるのか?」
「はい。」

俺は、四四が遥か昔からしている仕事を、今もしているのか確認した。
トワは、興味津々な顔をして、俺と四四の会話を聞いている。

「実は、京都にある古いお寺に、ちょっと厄介な「禁断の本」があるっぽいんです。
それを手に入れるのに、協力して貰えないですか?」
「京都か・・・また随分と遠いな。」
「駄目でしょうか?」
「いいや。全然大丈夫だ。京都なら、最高に丁度いい。最近、24冊目達が
大阪に拠点を作ったからな。それを見に行くついでも兼ねて、
拠点を借りればいいさ。」
「そうなんですね。それなら、尚、私も助かります。」
「え!?十二達は大阪に行くの!トワは?!トワも一緒に行っていい?」
「ああ、トワも一緒に来い。二四とゴートンの拠点を、お前も
見ておいた方がいいからな。」
「わーい♪やったー♪」
「ふふふ、トワちゃんは可愛い子ですね。」
「あ、お仕事のお話してたのに、邪魔してごめんなさい。」

トワは四四に穏やかに笑われて、恥ずかしがって謝った。
ほうほう、トワも恥ずかしがることがあるのか、珍しい。
まぁ、四四が大人しい、落ち着きのある本だから、余計に
自分と比べて恥ずかしいと思ったのかもしれないな。

「そうだ、トワ。お前から、二四か、ゴートンに連絡を取ってくれないか?
俺達がそっちに行くってな。」
「うん!わかった!で、いつに行くの?」
「四四は、いつがいいんだ?」
「出来るなら早くに・・・今日に出発でも、私は大丈夫なんですが・・・」
「今日か?!それはまた、随分と急ぎの仕事なんだな?」
「ええ。その寺の住職が、その「禁断の本」を早く処理して欲しいみたいで。
その代わりに、その寺にある古い本を、かなりの数でお譲り頂けそうなので、
もし、十二の欲しい本があれば、譲るのも可能ですよ。」
「本当か!それなら、こっちも、ますますやる気が出るな!
よし!今日に出発しよう!奮発して、奥の手を使えば、
アッと言う間に大阪には行けるからな!」

俺は、笑顔になって、四四とトワに言った。京都にある、
古いお寺の所蔵の本を見れるなんて、こんな有難いチャンスはない。
俺はワクワクした気持ちで四四の仕事を手伝うことにした。
四四の祓い師としての仕事を。
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