第3章「混濁するモノたち」
「じゃあ、トワ、言いつけ通りに先に帰るんだぞ?」
「うん・・・わかった。」
俺は、44冊目と話し合いをする為に、トワを先に帰らせることにした。
案の定、トワは嫌がって、自分も一緒に居ると我が儘を言ったが、
そこは俺がしっかりと怒った。
トワには悪いが、戦いになれば、足手まといでしかないからだ。
今日は、まさかこんな事態になるとは思っていなかったので、
俺は、ほとんど準備らしいことはしてない。同種の本喰人相手の戦いの準備を。
「トワ。俺が3日以上も帰ってこないか、連絡が無かったら、わかるな?」
「うん・・・キュアートお姉様の所に行けって言うんでしょ?」
「ああ、そうだ。キュアートには、いざって時の事は頼んであるから、
絶対にキュアートを頼れ。それから、二四達への連絡は、
キュアートと、相談したからしろ。いいな?」
「わかった・・・そうする。でも・・・」
トワは凄く不安そうな、心配そうな顔で俺を見て言う。
「絶対に帰って来てね!私は、何があっても、十二の事、待ってるからね!」
「ふっ。安心しろ。逃げるのは一番得意だからな、俺は。」
俺は、トワを安心させる為に、普段の様に笑ってやった。
トワは、俺の方を何度も振り返りながらも、駅の方に向かって消えた。
トワが本当に1人で帰るか、不安がなくもないが、そこはもう、俺が信じるしかない。
俺は、44冊目に指定された公園に向かった。
そして、約束の時間になり、1冊の本喰人が俺に声を掛けた。
「12冊目。再度、お久しぶりです。44冊目です。」
「お前は・・・」
俺は、44冊目の人の姿を見て、ようやく44冊目の事を思い出した。
44冊目は20台前後の大和撫子と言うに相応しい、日本人の眼鏡を掛けた可憐な少女だった。
服こそ違えど、外見は前に会った時と変わってはいない。
「お前だったのか!お前と会うのはもう200年以上前か?
通りでなかなか思い出せないわけだ。本当にすまない。」
俺は、過去にある事で世話になった、44冊目に詫びた。
44冊目は、薄っすらとだけ微笑んで首を横に振った。
「いえ。お互いに距離を取りましょうと言ったのは自分ですから。」
「そうだとしてもだ。俺は、お前と取った、あの「特殊な本」の
おかげで、18の奴に復讐を果たすことが出来たんだ。」
「やっぱり、そうだったんですね。そんな気がしました。
だって、12冊目の身体から、あの禍々しい感じが消えてたから。」
44冊目は、俺の報告を聞いて、少し嬉しそうな顔をしていた。
俺は、44冊目の事を無事に思い出して、安堵した。
44冊目となら、敵対しないで済みそうだと思ったからだ。
「うん・・・わかった。」
俺は、44冊目と話し合いをする為に、トワを先に帰らせることにした。
案の定、トワは嫌がって、自分も一緒に居ると我が儘を言ったが、
そこは俺がしっかりと怒った。
トワには悪いが、戦いになれば、足手まといでしかないからだ。
今日は、まさかこんな事態になるとは思っていなかったので、
俺は、ほとんど準備らしいことはしてない。同種の本喰人相手の戦いの準備を。
「トワ。俺が3日以上も帰ってこないか、連絡が無かったら、わかるな?」
「うん・・・キュアートお姉様の所に行けって言うんでしょ?」
「ああ、そうだ。キュアートには、いざって時の事は頼んであるから、
絶対にキュアートを頼れ。それから、二四達への連絡は、
キュアートと、相談したからしろ。いいな?」
「わかった・・・そうする。でも・・・」
トワは凄く不安そうな、心配そうな顔で俺を見て言う。
「絶対に帰って来てね!私は、何があっても、十二の事、待ってるからね!」
「ふっ。安心しろ。逃げるのは一番得意だからな、俺は。」
俺は、トワを安心させる為に、普段の様に笑ってやった。
トワは、俺の方を何度も振り返りながらも、駅の方に向かって消えた。
トワが本当に1人で帰るか、不安がなくもないが、そこはもう、俺が信じるしかない。
俺は、44冊目に指定された公園に向かった。
そして、約束の時間になり、1冊の本喰人が俺に声を掛けた。
「12冊目。再度、お久しぶりです。44冊目です。」
「お前は・・・」
俺は、44冊目の人の姿を見て、ようやく44冊目の事を思い出した。
44冊目は20台前後の大和撫子と言うに相応しい、日本人の眼鏡を掛けた可憐な少女だった。
服こそ違えど、外見は前に会った時と変わってはいない。
「お前だったのか!お前と会うのはもう200年以上前か?
通りでなかなか思い出せないわけだ。本当にすまない。」
俺は、過去にある事で世話になった、44冊目に詫びた。
44冊目は、薄っすらとだけ微笑んで首を横に振った。
「いえ。お互いに距離を取りましょうと言ったのは自分ですから。」
「そうだとしてもだ。俺は、お前と取った、あの「特殊な本」の
おかげで、18の奴に復讐を果たすことが出来たんだ。」
「やっぱり、そうだったんですね。そんな気がしました。
だって、12冊目の身体から、あの禍々しい感じが消えてたから。」
44冊目は、俺の報告を聞いて、少し嬉しそうな顔をしていた。
俺は、44冊目の事を無事に思い出して、安堵した。
44冊目となら、敵対しないで済みそうだと思ったからだ。