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プロローグ

俺はとりあえず、生まれたばかりの、そいつに優しく説明してやった。

「俺はお前のパパじゃない。それはわかったな?」
「うん・・・でも、じゃ・・・どうしたらいいの?」
「そうだなぁ・・・」

3時間くらいは、説明を要したが、そいつは俺の話を理解し、
自分の存在も薄っすらとは理解したようだ。
だが、今さっき生まれたばかりなので、本当にどこまで理解したかは
俺にもわからない。
本人も戸惑うことばかりで、俺に困った顔で尋ねてくる。

「しばらくは、俺が面倒みてやる。けど、今はお前には可哀想だけど、状況が良くない。
俺達の同種が争いを起こしてる。極力は守ってやるけど、最悪は
自分の身は自分で守れ。いいな?」
「うん。」

生まれたばかりのそいつは、多分まだちゃんと理解してないだろうが、素直に返事した。
俺が特殊小冊子に出逢ったのは、こいつが初めてだった。
特殊小冊子は、俺達の本喰人からすれば、眷属になる。
各自、本喰人によるが、扱いは様々だ。
我が子のように扱う奴もいれば、奴隷のように酷く扱う奴もいる。
俺が知ってる仲間は、大体は、我が子にように扱いつつ、
時には、従者のように扱ってる者の方が多い。
俺は別にこいつを手酷く扱う気はないが、かと言って、今のこの時に、
我が子のように大事にしてやろうとも考えてない。
ただ、考え方によっては、確かに使える存在でもある。
俺達の戦いにおいては、こいつみたいな存在も大事だったするのだ。
優秀な奴であれば、一緒に戦いサポートして貰える。
それだけでなく、生活面においても、食事の調達も出来るだろう。
そうなるまでには、それなりの時間もかかるが、無駄ではない。
ま、その小冊子の性質も関係するので、全てが特殊小冊子が、
そうなるとは限らないので、賭けな部分でもあるが。
とりあえず、俺は生まれたばかりのそいつの頭を撫でてやった。
敵意などがないことだけは、わからせてやらなければならない。
俺に頭を撫でられ、そいつは嬉しそうに甘える。

「お前の名前を決めてやらないとな・・・」
「名前・・・?」
「ああ、お前を呼ぶ時に、お前じゃ嫌だろう?」
「?」
「今はまだ、そういうのもわからないか・・・」

俺は困りつつも、いい名前は無いかと考える。
すると、テーブルの上にあった本の一部に、トワイライトと言う文字を見つけ、
それにピンと来て名前を決めた。

「お前は今は女の子だし、トワにしよう。」
「とわ?」
「そうだ!永遠と書いてトワだ。良い響きだろ?」
「うん♪」

トワと言う名前を気に入ったのか、そいつ、トワは、俺に、
嬉しそうにしがみついて更に甘えた。

「やれやれ・・・」

俺もなんだかんだと、こいつの世話を見る覚悟を決めたら、
トワに愛着が出て来そうになっていた。
こんなに無邪気に甘えられたら、悪い気もしない。
何せ外見も、愛らしい幼女なのだ。俺はロリコンではないが。
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