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第3章「混濁するモノたち」

師匠の言葉を遮った、セアは、熱い眼差しで師匠を見て、言い出した。

「歳なんて関係ない!私は、六ちゃんがいいの!そりゃ、六ちゃんからしたら、私なんて、
まだまだ子供だと思う。未熟者だし、言葉遣いも駄目だし、
六ちゃんの好みの女性には、程遠いってわかってる・・・
でも、だからこそ、六ちゃんの側で、努力させて欲しいの・・・」
「セア殿・・・」

セアは自分の気持ちに正直になり、師匠に話している。
これは、師匠もちゃんと答えないと、セアよりも、キュアートの方が怒りそうな気がする。

「それに、あんなに熱い夜が過ごせたんだもん・・・
大丈夫だと、私は思ってるよ・・・六ちゃん・・・」
「熱い・・・夜・・・ですって?」

このセリフに、流石のキュアートも眉毛をピクっとあげる。
熱い夜って、師匠・・・何をしたんですか?!

「セ、セア殿!その誤解を招く言い方はやめなされ!!!
貴女は女性であろう!!!」
「でも、あんなに楽しく過ごしたじゃない!!!」

キュアートに、鋭く睨まれた師匠は、慌てて弁明しようとするが、
セアがますます、師匠を追い込むようなセリフを続ける。
師匠は脂汗を首に巻いている手ぬぐいで拭きながら、言う。

「あの夜とは、セア殿が、拙者の為に買ったくれた、
携帯の使い方を教えてくれた夜であろう?確かに、あの夜は、
拙者も、最近の便利な機械に感動し、セア殿には丁寧に、
使い方を教わったが、かと言って、やましいことはしておらんぞ?!」
「もうー六ちゃんったら、照れ屋なんだから・・・♥」

セアは、嬉しそうに顔を赤らめながら、また、もじもじしている。
もう、こうして男を手玉に取る術を身につけているあたりが、
流石、キュアートの娘と言った感じがする。

「こうしたとこは、私に似ちゃったみたいねぇ・・・そうね・・・
六、こうなったら、私の娘だから、貴方がしっかりと拒絶しないと、
諦めないと思うんだけど?どうなの?」

キュアートはやれやれといった顔だ。
俺は仕方がなく、師匠に耳打ちした。

「師匠・・・本当に嫌だったら、はっきりと断らないと、マジで一生ついてきますよ?
セアは、子供の時からそうでしたから。」
「何?そうなのか?」
「はい。俺もセアが子供の時に、お姫様ごっことか言って、
遊びにつき合わされたりしましたけど、マジでヤバかったっすよ?」
「うーぬ・・・」

俺は師匠にそう耳打ちし、師匠も更に困った顔になる。
と、言うか・・・あの白黒はっきりしたがる、師匠が、
こんなにも迷う理由は何なのだ?
セアに興味がないのであれば、絶対にきっぱりと断るはずだ。
俺は、再度、師匠にある事を耳打ちしてみた。

「師匠・・・まずは、セアとは、友人としてからの交際と言う事でどうですか?」
「?!」

俺はそう提案すると、師匠はそれだ!と言った顔をした。
え?師匠・・・実はセアの事が気に入っている?!

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