第3章「混濁するモノたち」
俺達は気づけば、朝方まで話し合っていた。
「とりあえず、今回はこれくらいにしておくか。」
「そうですね。十二先輩。」
「では、お互いに休息してから、修行の準備に入ろう。
24冊、50冊、拙者の修行は厳しいからな?覚悟しておけ。」
「はい!」
「はい!」
師匠は新しい弟子が出来て、嬉しそうだった。
俺も、トワがいなければ、きっと修行に参加させられていただろう。
俺は自分が弱くなった気はしていないが、時間があった時には、
俺も短期で、師匠の修行に参加するべきかもしれないと思った。
それでも、今後は、二四達が師匠の元に居てくれれば、
連絡も取りやすくなって助かる。
師匠は、昔から携帯電話とか持つ本ではないからだ。
「ん?誰か電話鳴ってない?」
ゴートンが誰かの携帯の振動に気が付く。
俺は自分のを確認したが違う。二四もゴートンも違うらしい・・・
え?まさか?
「あ、拙者のようだな。ん?セア殿か?」
俺は、この時、心底驚いた。
あの師匠が、やっぱり時代に負けて、携帯、しかも最新のスマホを
持つようになったのかと。
「もしもし?セア殿か?何?拙者と・・・うん。うん、わかった。
12冊にも伝えよう・・・」
師匠は、完璧にスマホを使いこなし、電話を終わらせ、俺を見た。
「十二、キュアート殿が、拙者とお前を呼んでいるそうだ。
10時過ぎになったら、例のホテルに来てくれとのことだ。」
「わかりました。師匠。しかし、師匠も、とうとう携帯を
持つことにしたんですね。」
俺は、感心した声で、師匠につい、そう言ってしまった。
師匠は、スマホを懐に戻し、恥ずかしそうに頬を掻いて、俺に、
何でスマホを持つことになったのかを語った。
「いや・・・本当は、こんな奇妙な機械を持つのは嫌なのだがな。
あのセア殿に、しつこく言われてな。何度も断るうちに、しまいには、泣き出されて、
なかなか泣き止まないので、仕方なく持つことにしたのだ。」
「・・・・・・」
俺はきっとポカーンとした顔を、今していることだろう。
あの頑固な師匠をよくも強引とは言え、説得し、携帯電話を
持たせることに成功したもんだと、俺はセアにある意味で感心した。
俺とかなら、絶対に無理な芸当だ。
きっと、セアからすれば、そうすれば、いつでも連絡出来るから、
そうしたに違いない。
きっと、位置情報とかも、こっそり特定できるようにしてあるだろう。
いつでも、神出鬼没な師匠を追い掛け回せるように。
「恋する女は強いって、よく言いますけど、本当ですね。」
「十二。今はその話はせんでくれ。」
師匠は辛そうな顔で、俺に言った。まさか、今度は、師匠が
あのセアに苦しめられることになろうとは。
俺も全く想像していないことだった。
「とりあえず、今回はこれくらいにしておくか。」
「そうですね。十二先輩。」
「では、お互いに休息してから、修行の準備に入ろう。
24冊、50冊、拙者の修行は厳しいからな?覚悟しておけ。」
「はい!」
「はい!」
師匠は新しい弟子が出来て、嬉しそうだった。
俺も、トワがいなければ、きっと修行に参加させられていただろう。
俺は自分が弱くなった気はしていないが、時間があった時には、
俺も短期で、師匠の修行に参加するべきかもしれないと思った。
それでも、今後は、二四達が師匠の元に居てくれれば、
連絡も取りやすくなって助かる。
師匠は、昔から携帯電話とか持つ本ではないからだ。
「ん?誰か電話鳴ってない?」
ゴートンが誰かの携帯の振動に気が付く。
俺は自分のを確認したが違う。二四もゴートンも違うらしい・・・
え?まさか?
「あ、拙者のようだな。ん?セア殿か?」
俺は、この時、心底驚いた。
あの師匠が、やっぱり時代に負けて、携帯、しかも最新のスマホを
持つようになったのかと。
「もしもし?セア殿か?何?拙者と・・・うん。うん、わかった。
12冊にも伝えよう・・・」
師匠は、完璧にスマホを使いこなし、電話を終わらせ、俺を見た。
「十二、キュアート殿が、拙者とお前を呼んでいるそうだ。
10時過ぎになったら、例のホテルに来てくれとのことだ。」
「わかりました。師匠。しかし、師匠も、とうとう携帯を
持つことにしたんですね。」
俺は、感心した声で、師匠につい、そう言ってしまった。
師匠は、スマホを懐に戻し、恥ずかしそうに頬を掻いて、俺に、
何でスマホを持つことになったのかを語った。
「いや・・・本当は、こんな奇妙な機械を持つのは嫌なのだがな。
あのセア殿に、しつこく言われてな。何度も断るうちに、しまいには、泣き出されて、
なかなか泣き止まないので、仕方なく持つことにしたのだ。」
「・・・・・・」
俺はきっとポカーンとした顔を、今していることだろう。
あの頑固な師匠をよくも強引とは言え、説得し、携帯電話を
持たせることに成功したもんだと、俺はセアにある意味で感心した。
俺とかなら、絶対に無理な芸当だ。
きっと、セアからすれば、そうすれば、いつでも連絡出来るから、
そうしたに違いない。
きっと、位置情報とかも、こっそり特定できるようにしてあるだろう。
いつでも、神出鬼没な師匠を追い掛け回せるように。
「恋する女は強いって、よく言いますけど、本当ですね。」
「十二。今はその話はせんでくれ。」
師匠は辛そうな顔で、俺に言った。まさか、今度は、師匠が
あのセアに苦しめられることになろうとは。
俺も全く想像していないことだった。