第3章「混濁するモノたち」
俺は、神社に向かう途中の道で、二四達と別れた。
何となく、俺の勘が正しければ、6冊目は、山の中に居そうな気がしたのだ。
「俺は、少し道を外れて、こっち側から先に確認してみる。
お前達も油断せずに、神社の中とか、上手く探索してみてくれ。」
「わかりました。」
「了解!」
二四達も、緊張した顔をしても、さっきよりは肝が据わったようだ。
俺達は、素早く分かれ、俺は6冊目が好きそうな場所を探す。
人間の気配は、ほとんど感じられない。
この島に来る人間は、神社がメインで来るらしいので、今頃は、
そちらに集中しているのだろう。
「人が全然いないなら、こちらは好都合だな。」
俺は、独り言呟きながら、必死に6冊目らしき存在を探す。
そして、自然の中では、逆に目立つ、柔道着姿の男を発見した。
俺の過去の記憶通りならば、間違いなく6冊目だ。
6冊目の基本的な服は、柔道着だったから。
俺は、静かに6冊目の方に近づき、様子を見ようとしたが・・・
「まだまだ、未熟だな。12冊目。こんな自然の中で、某の目に
気づかれずに済むと思っているのか?
なら、お前は再度、修行しなおしてやらなければならぬな。」
「?!」
俺は、6冊目の言葉を聞いたと、思った瞬間には、俺の背後に回れ、
片腕を掴まれ、捩じ上げられていた。
やっぱり、久しぶりに会ったとは言え、6冊目の動きは、昔と変わらずに素早い。
6冊目は、特に自然の中での戦闘なら、他の上巻クラス達より、秀でているだろう。
あの2の奴でさえも、6冊目と自然の中で戦うのは避けると言う、
話を聞いたことがあるくらいに。
「お久しぶりですね・・・6冊目。」
俺は腕を捩じ上げられて、脂汗を搔いてはいたが、極めて、冷静な口調で言った。
「そうだな、久しぶりだな。12冊目。こんなにすぐに、拙者に
捕まるほど弱くなったようだな。」
6冊目は厳しい顔で俺を見ているが、敵意はなさそうだった。
雰囲気も、邪悪さなどなく、昔と変わらない気がする。
「申し訳ありません。最近は、飯探しと、子守りが忙しくて、
個人の修行は出来ずじまいで・・・」
「そのような言い訳などいらぬ。いつも言っているだろう?
修行は何処でも、如何なる時でも出来るとな?」
俺は、腕が折られそうになるのを感じて、瞬時に、6冊目の動きに合わせて動き、
6冊目の掴まれた腕から逃れ、6冊目と距離を取った。
「それから、お前のいつもの悪い癖だ。やろうと思えば出来る癖に、しない所もな?」
6冊目は不敵に俺に笑いかける。その顔は、俺が昔から知る、
6冊目の顔だった。
俺は、そんな6冊目を見て、キュアートが言っていた事が、
本当なのか疑問になった。
キュアートを疑いたくはないが、もしかしたら、キュアート側の方が、
俺達とハメようとしているのではないかと。
こんな昔と変わらない様子の6冊目が、何でキュアートの子供を、
監禁するのか、全くの謎だった。
何となく、俺の勘が正しければ、6冊目は、山の中に居そうな気がしたのだ。
「俺は、少し道を外れて、こっち側から先に確認してみる。
お前達も油断せずに、神社の中とか、上手く探索してみてくれ。」
「わかりました。」
「了解!」
二四達も、緊張した顔をしても、さっきよりは肝が据わったようだ。
俺達は、素早く分かれ、俺は6冊目が好きそうな場所を探す。
人間の気配は、ほとんど感じられない。
この島に来る人間は、神社がメインで来るらしいので、今頃は、
そちらに集中しているのだろう。
「人が全然いないなら、こちらは好都合だな。」
俺は、独り言呟きながら、必死に6冊目らしき存在を探す。
そして、自然の中では、逆に目立つ、柔道着姿の男を発見した。
俺の過去の記憶通りならば、間違いなく6冊目だ。
6冊目の基本的な服は、柔道着だったから。
俺は、静かに6冊目の方に近づき、様子を見ようとしたが・・・
「まだまだ、未熟だな。12冊目。こんな自然の中で、某の目に
気づかれずに済むと思っているのか?
なら、お前は再度、修行しなおしてやらなければならぬな。」
「?!」
俺は、6冊目の言葉を聞いたと、思った瞬間には、俺の背後に回れ、
片腕を掴まれ、捩じ上げられていた。
やっぱり、久しぶりに会ったとは言え、6冊目の動きは、昔と変わらずに素早い。
6冊目は、特に自然の中での戦闘なら、他の上巻クラス達より、秀でているだろう。
あの2の奴でさえも、6冊目と自然の中で戦うのは避けると言う、
話を聞いたことがあるくらいに。
「お久しぶりですね・・・6冊目。」
俺は腕を捩じ上げられて、脂汗を搔いてはいたが、極めて、冷静な口調で言った。
「そうだな、久しぶりだな。12冊目。こんなにすぐに、拙者に
捕まるほど弱くなったようだな。」
6冊目は厳しい顔で俺を見ているが、敵意はなさそうだった。
雰囲気も、邪悪さなどなく、昔と変わらない気がする。
「申し訳ありません。最近は、飯探しと、子守りが忙しくて、
個人の修行は出来ずじまいで・・・」
「そのような言い訳などいらぬ。いつも言っているだろう?
修行は何処でも、如何なる時でも出来るとな?」
俺は、腕が折られそうになるのを感じて、瞬時に、6冊目の動きに合わせて動き、
6冊目の掴まれた腕から逃れ、6冊目と距離を取った。
「それから、お前のいつもの悪い癖だ。やろうと思えば出来る癖に、しない所もな?」
6冊目は不敵に俺に笑いかける。その顔は、俺が昔から知る、
6冊目の顔だった。
俺は、そんな6冊目を見て、キュアートが言っていた事が、
本当なのか疑問になった。
キュアートを疑いたくはないが、もしかしたら、キュアート側の方が、
俺達とハメようとしているのではないかと。
こんな昔と変わらない様子の6冊目が、何でキュアートの子供を、
監禁するのか、全くの謎だった。