第2章「共同戦線」
「ごめんね・・・十二。試すような事をして。」
「いや、いいんだ。キュアートがこんな事をするからには、何か訳があるんだろう?
それが、キュアートが今回、俺に言いたい事なのか?」
「そうなの。実はね・・・」
キュアートは、深刻そうな顔になり、俺に話を続ける。
こんな顔になるキュアートを、俺は今まで見たことがないかもしれない。
「驚くかもしれないけど、私は今、6冊目に脅されているの。」
「え?6冊目が・・・キュアートを脅している?」
「ええ、私の子が1冊だけ、6冊目の所にいるのよ。」
「何で、また、1冊だけ?」
「私の代わりに伝言を伝えにね。行かせたのよ。その子は、もういつでも自立出来るまでに
成長した子だから、これを機に、どこまで1冊で出来るか、
成長を見ようと思ってね。お使いをさせたの。」
「うんうん。」
「そうしたら、数日後に、6冊目から、連絡が来たのよ。
自分の子を返して欲しかったら、他の本喰人を差し出せって。」
「あ、あの6冊目が?!」
俺は、キュアートの話を聞いて、心底驚いた。過去の俺が知っている6冊目は、
そんな非道な事をするような本ではなかったはずだ。
女子供を人質に取るような、そういう行為は嫌いだった。
18と違い、身体を鍛えるのは好きな本だが、正々堂々を貫く、
まさに、日本の「漢」と言った感じの本だったはずだ。
なのに、しばらく会わない内に何があったと言うのか。
「要件それだけなのか?他には?!」
「それが、聞くんだけど、それしか言わないのよ。」
「まさか、6冊目も、共喰いをする気なのか?」
「わからないわ。誰かと手を組んだのかもしれないし。
6冊目の声だけは、真剣なのはわかるんだけど・・・」
キュアートは、自分の子供が心配で堪らないようだ。
今の俺なら、キュアートの気持ちが、凄く分かる。
俺も、トワをそんな風に人質に取られたら、心配だろう。
にしても、不可解すぎる。6冊目は何の目的があって、
キュアートを脅すのだろうか。
6冊目は、他の本との関りも、あまり望む本ではなかったのに、
ましてや、こんなトラブルを起こすなど、尚更、考えられない。
「でも、歳月が人を変えるように、俺達、本喰人だって、
何かが、変わってもおかしくないかもしれない。」
「十二・・・そうね。嫌な方向に考えたくないけど・・・
6冊目も、2冊目の様な考えを持つようになっても、おかしくないわ。」
「キュアート、じゃあ、その感じだと、6冊目の居場所は、
知ってるんだな?」
「ええ、知っているわ。」
「なら、俺が6冊目のとこに行くよ。」
「え?でも、十二、これは危険よ!6冊目が、どんな状態で、
どんな状況だって言うのも何もわからないのに!」
キュアートは俺の身を案じて、心配してくれる。俺は、キュアートを
心配させないように、笑顔で答えた。
「俺は逃げ足だけには、自信があるんだ。だから、6冊目とは無理には、
戦うつもりはないさ。もちろん、喰べられるつもりもな!」
キュアートは、そんな俺に、心配そうな顔はしつつも、
少しだけ希望を抱いているようだった。
恩人である、キュアートが困っているなら、その恩に報いる為にも、
俺が協力すべきだ。俺は、深く考えずに、ただ、そう思った。
「いや、いいんだ。キュアートがこんな事をするからには、何か訳があるんだろう?
それが、キュアートが今回、俺に言いたい事なのか?」
「そうなの。実はね・・・」
キュアートは、深刻そうな顔になり、俺に話を続ける。
こんな顔になるキュアートを、俺は今まで見たことがないかもしれない。
「驚くかもしれないけど、私は今、6冊目に脅されているの。」
「え?6冊目が・・・キュアートを脅している?」
「ええ、私の子が1冊だけ、6冊目の所にいるのよ。」
「何で、また、1冊だけ?」
「私の代わりに伝言を伝えにね。行かせたのよ。その子は、もういつでも自立出来るまでに
成長した子だから、これを機に、どこまで1冊で出来るか、
成長を見ようと思ってね。お使いをさせたの。」
「うんうん。」
「そうしたら、数日後に、6冊目から、連絡が来たのよ。
自分の子を返して欲しかったら、他の本喰人を差し出せって。」
「あ、あの6冊目が?!」
俺は、キュアートの話を聞いて、心底驚いた。過去の俺が知っている6冊目は、
そんな非道な事をするような本ではなかったはずだ。
女子供を人質に取るような、そういう行為は嫌いだった。
18と違い、身体を鍛えるのは好きな本だが、正々堂々を貫く、
まさに、日本の「漢」と言った感じの本だったはずだ。
なのに、しばらく会わない内に何があったと言うのか。
「要件それだけなのか?他には?!」
「それが、聞くんだけど、それしか言わないのよ。」
「まさか、6冊目も、共喰いをする気なのか?」
「わからないわ。誰かと手を組んだのかもしれないし。
6冊目の声だけは、真剣なのはわかるんだけど・・・」
キュアートは、自分の子供が心配で堪らないようだ。
今の俺なら、キュアートの気持ちが、凄く分かる。
俺も、トワをそんな風に人質に取られたら、心配だろう。
にしても、不可解すぎる。6冊目は何の目的があって、
キュアートを脅すのだろうか。
6冊目は、他の本との関りも、あまり望む本ではなかったのに、
ましてや、こんなトラブルを起こすなど、尚更、考えられない。
「でも、歳月が人を変えるように、俺達、本喰人だって、
何かが、変わってもおかしくないかもしれない。」
「十二・・・そうね。嫌な方向に考えたくないけど・・・
6冊目も、2冊目の様な考えを持つようになっても、おかしくないわ。」
「キュアート、じゃあ、その感じだと、6冊目の居場所は、
知ってるんだな?」
「ええ、知っているわ。」
「なら、俺が6冊目のとこに行くよ。」
「え?でも、十二、これは危険よ!6冊目が、どんな状態で、
どんな状況だって言うのも何もわからないのに!」
キュアートは俺の身を案じて、心配してくれる。俺は、キュアートを
心配させないように、笑顔で答えた。
「俺は逃げ足だけには、自信があるんだ。だから、6冊目とは無理には、
戦うつもりはないさ。もちろん、喰べられるつもりもな!」
キュアートは、そんな俺に、心配そうな顔はしつつも、
少しだけ希望を抱いているようだった。
恩人である、キュアートが困っているなら、その恩に報いる為にも、
俺が協力すべきだ。俺は、深く考えずに、ただ、そう思った。