第10章「知りたいのは貴方の答え」
2冊目がとうとう行動をし始めた。
その行動が俺達側を一気に緊張させる。
2冊目は自分側に味方が少ないので、まず最初に師匠を再度仲間に戻そうと考えたようだ。
戦力で言えば、師匠1冊だけでも仲間に取り戻せれば、2冊目としては、かなり有利になるだろうな。
さっきまで俺はトリア先生達と話し合いをしていたが、いったん席を外して、
ノウェムに師匠がいなくなった状況を再度確認しようと電話していた。
軽い挨拶をそこそこにして、ノウェムも深刻そうな声で、
師匠がいなくなった時の状況を詳しく話してくれた。
「キュアート様の敷地内にある別邸で、6冊目はセアと過ごしてました。
オレはいつもの敷地内の見回りをしていたんですが、別邸の庭で6冊目とある人影を見たんです。」
「それが・・・2冊目だと?」
「はっきりした会話を聞いたわけではないですが、6冊目の態度からしても、2冊目でないかと考えました。
見知った顔なのに、凄く警戒していたと言った雰囲気でしたので。」
「で?その後、どうなったんだ?」
「2冊目らしい人物と会話した後で、6冊目が急に苦しみだして、
倒れたと思ったら、2人は急に姿を消しました。
オレはすぐに2人の居た場所に駆け寄ったのですが、何も痕跡はありませんでした。」
「まじか・・・あの師匠があっさりと2冊目の奴に連れ去られたわけか・・・」
「はい。それで翌日にセアの携帯に6冊目からメールが・・・」
「師匠からメール?どんな内容だ?」
「そちらには二度と戻らない。余の事は忘れろ・・・と。
こんな内容だったかと・・・」
「・・・・・・」
メールの内容を聞いて、俺は絶句してしまった。
そしてセアの事を考えると気の毒になってしまう。
あれだけ熱烈にアプローチして、やっと付き合えるようになったのにな。
「セアは・・・かなりショック受けてるだろうな。」
「そうですね。今はショックで寝込んでる状況です。」
「だろうなぁ・・・」
「キュアート様も2冊目が敷地内に・・・自分の間近に来ていたのを知ったのもあって、
セアと同じショックを受けた状態になってます。
オレ達も情けなくて・・・悔しいです。」
ノウェムは悔しそうな声で、俺に自分の胸の内を話してくれた。
俺は気休めだとは思ったが、ノウェムを励ます。
ここでノウェムにまで何かあれば、
キュアートはますます危険な状況に陥ってしまうだろうからな。
「ノウェム。今はお前達も師匠の事で混乱しているかもしれないが、
でもお前には多くの兄弟姉妹達がいる。
一人で深刻に悩まずに皆で協力して、キュアートを守るんだ。」
「12冊目・・・」
「師匠は確かに強い。
はっきり言って今の俺でも、師匠を完全に止めるのは不可能だろう。
だけど、いくら師匠であってもだ。
ノウェムを含めたお前達兄弟姉妹といっぺんに戦えるわけもない。
それに俺もここでの用事が済んだら,そっちに行く予定だ。」
「ほ、本当ですか?オレ達の・・・キュアート様の元に来て下さると?」
「ああ。3冊目もその方が良いだろうと言ってくれるだろうからな。」
俺がそうノウェムに告げると、電話の向こう側でノウェムが安堵したかのような溜息が聞こえた。
喜んで貰っていると思っていいのか?この態度は?
「大変助かります。12冊目がこちらに来て下されば、
キュアート様の心労も少しはなくなるかと思うので・・・」
「おいおい。そんな堅苦しい言い方はやめてくれ。
俺とお前は仲間なんだ。お互いの利害だって一致してるしさ。
もっと・・・なんだ・・・恥ずかしいが俺を頼ってくれ。
俺もきっとトワの事でお前達に頼ったりもするから。」
「はは、そうですね。わりました。」
「んじゃーとりあえず、またそっちに行く日が決まったら連絡する。」
「はい。待ってます。」
俺はノウェムとの電話が終わって、またトリア先生達の元に戻った。
そして、こちらでの用事が済んだらキュアートの元に行くと話す。
しかし、まずは15冊目達との信用を取り戻すのも先だな。
どうしたら15冊目達の疑心を無くすことが出来るだろうか・・・
その行動が俺達側を一気に緊張させる。
2冊目は自分側に味方が少ないので、まず最初に師匠を再度仲間に戻そうと考えたようだ。
戦力で言えば、師匠1冊だけでも仲間に取り戻せれば、2冊目としては、かなり有利になるだろうな。
さっきまで俺はトリア先生達と話し合いをしていたが、いったん席を外して、
ノウェムに師匠がいなくなった状況を再度確認しようと電話していた。
軽い挨拶をそこそこにして、ノウェムも深刻そうな声で、
師匠がいなくなった時の状況を詳しく話してくれた。
「キュアート様の敷地内にある別邸で、6冊目はセアと過ごしてました。
オレはいつもの敷地内の見回りをしていたんですが、別邸の庭で6冊目とある人影を見たんです。」
「それが・・・2冊目だと?」
「はっきりした会話を聞いたわけではないですが、6冊目の態度からしても、2冊目でないかと考えました。
見知った顔なのに、凄く警戒していたと言った雰囲気でしたので。」
「で?その後、どうなったんだ?」
「2冊目らしい人物と会話した後で、6冊目が急に苦しみだして、
倒れたと思ったら、2人は急に姿を消しました。
オレはすぐに2人の居た場所に駆け寄ったのですが、何も痕跡はありませんでした。」
「まじか・・・あの師匠があっさりと2冊目の奴に連れ去られたわけか・・・」
「はい。それで翌日にセアの携帯に6冊目からメールが・・・」
「師匠からメール?どんな内容だ?」
「そちらには二度と戻らない。余の事は忘れろ・・・と。
こんな内容だったかと・・・」
「・・・・・・」
メールの内容を聞いて、俺は絶句してしまった。
そしてセアの事を考えると気の毒になってしまう。
あれだけ熱烈にアプローチして、やっと付き合えるようになったのにな。
「セアは・・・かなりショック受けてるだろうな。」
「そうですね。今はショックで寝込んでる状況です。」
「だろうなぁ・・・」
「キュアート様も2冊目が敷地内に・・・自分の間近に来ていたのを知ったのもあって、
セアと同じショックを受けた状態になってます。
オレ達も情けなくて・・・悔しいです。」
ノウェムは悔しそうな声で、俺に自分の胸の内を話してくれた。
俺は気休めだとは思ったが、ノウェムを励ます。
ここでノウェムにまで何かあれば、
キュアートはますます危険な状況に陥ってしまうだろうからな。
「ノウェム。今はお前達も師匠の事で混乱しているかもしれないが、
でもお前には多くの兄弟姉妹達がいる。
一人で深刻に悩まずに皆で協力して、キュアートを守るんだ。」
「12冊目・・・」
「師匠は確かに強い。
はっきり言って今の俺でも、師匠を完全に止めるのは不可能だろう。
だけど、いくら師匠であってもだ。
ノウェムを含めたお前達兄弟姉妹といっぺんに戦えるわけもない。
それに俺もここでの用事が済んだら,そっちに行く予定だ。」
「ほ、本当ですか?オレ達の・・・キュアート様の元に来て下さると?」
「ああ。3冊目もその方が良いだろうと言ってくれるだろうからな。」
俺がそうノウェムに告げると、電話の向こう側でノウェムが安堵したかのような溜息が聞こえた。
喜んで貰っていると思っていいのか?この態度は?
「大変助かります。12冊目がこちらに来て下されば、
キュアート様の心労も少しはなくなるかと思うので・・・」
「おいおい。そんな堅苦しい言い方はやめてくれ。
俺とお前は仲間なんだ。お互いの利害だって一致してるしさ。
もっと・・・なんだ・・・恥ずかしいが俺を頼ってくれ。
俺もきっとトワの事でお前達に頼ったりもするから。」
「はは、そうですね。わりました。」
「んじゃーとりあえず、またそっちに行く日が決まったら連絡する。」
「はい。待ってます。」
俺はノウェムとの電話が終わって、またトリア先生達の元に戻った。
そして、こちらでの用事が済んだらキュアートの元に行くと話す。
しかし、まずは15冊目達との信用を取り戻すのも先だな。
どうしたら15冊目達の疑心を無くすことが出来るだろうか・・・
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