第10章「知りたいのは貴方の答え」
※十二視点に戻る
「マジかよ・・・あの師匠が?本当に?」
俺はノウェムから来たメールの内容を何度も確認して、
それでも自分の目を疑ったくらいだった。
そして、すぐに最悪の状況になったと感じた。
それはトリア先生も同じ様で、俺達はこれから葬式でも始めるのではないか?
と言えるくらいに絶望的な雰囲気の中で、リビングに集まっていた。
15冊目達も俺とトリア先生の態度を見て緊張してしまっている。
トワも不安そうな顔で俺の横に大人しく座っていた。
「私にも報告は来たけど、今一度皆にも言うわね。
6冊目が過去の記憶を取り戻して、2冊目の元に行ったみたい。」
その言葉を聞いて、15冊目達は「え?」みたいな顔になる。
トワも似たような表情になった。
「あのぅ・・・僕達は6冊目のことはよく知らないんですが、
確か6冊目はトリア先生側になっていた上巻クラスの本喰人ですよね?」
「それからつい最近までは、トワちゃん達とも一緒に行動していたと聞きましたが?」
重い空気の中でダイスとベリーがそれぞれ確認するように俺とトリア先生に質問した。
俺は頷き、トリア先生に代わって2人に答える。
「その通りだ。6冊目・・・今の俺には師匠でもあるが・・・
最近までは一緒に日本に居て、行動を共にしていた。
俺や24冊目と50冊目は修行までして貰ったばっかりだ。
今は9冊目がいるイギリスに居て貰ったはずだったんだが・・・」
「そこまで共に行動していたのに、
今聞いた話では6冊目は2冊目側に寝返ったかもと言うんですか?」
「俺の知り合いが報告してくれた限りでは・・・
非常に残念だが・・・その可能性が高いってことだ・・・」
俺はベリーの鋭い視線を感じながら、
どうしてこうなってしまったんだと悔しいような気持ちになった。
俺だって正直言って、今も信じられない。
師匠が、あの師匠が2冊目の元に行っただなんて。
しかし師匠をよく知らない15冊目達からすれば、ようやく俺達を信じてくれるようになったのに、
疑う要素が新たにまた出来てしまったことだろう。
本当に嫌なタイミングだ。この状況は。
2冊目もわざとこのタイミングを狙って、師匠のとこに行ったんだろうな。
「僕達は話でしか6冊目を知らないから、何とも言えないけどさ・・・
過去の記憶を取り戻しただけで、すぐに2冊目の仲間に戻ってしまうほど、
その言い方が悪くてごめんだけど、軽率?な本喰人だったの?」
「俺もそこが疑問です。十二さんの話を聞く限りでは、
自分にもかなり厳しい性格で、それでも懐の深い本喰人だったと、
とても裏切るような方ではなかったと聞いてますが・・・」
「そうね・・・十二達もそう思っていたから、混乱していると思うわ。」
トリア先生はベリー達の言葉を聞き、悲しそうな顔をしながらも同時に歪んだ表情になる。
俺はそれを見て、トリア先生にとっても、
今回の事はかなり予想外な事態になったんだろうと察した。
「私達が想像している以上に、過去に6冊目と2冊目が交わした、
何か約束したものが大きかったのかもしれないわ。」
「約束ですか?師匠が2冊目に・・・?」
俺はトリア先生の言葉を聞いて、それが重大な鍵なんだろうと思った。
それがわからない限り、俺達では師匠のことは対処が出来ない気もする。
師匠は過去にあの2冊目とどんな約束をしたのだろうか?
今までの俺達との関係をあっさり切れる程の大事なものなのだろうか・・・
考える程に俺は胸が苦しくなった。
「マジかよ・・・あの師匠が?本当に?」
俺はノウェムから来たメールの内容を何度も確認して、
それでも自分の目を疑ったくらいだった。
そして、すぐに最悪の状況になったと感じた。
それはトリア先生も同じ様で、俺達はこれから葬式でも始めるのではないか?
と言えるくらいに絶望的な雰囲気の中で、リビングに集まっていた。
15冊目達も俺とトリア先生の態度を見て緊張してしまっている。
トワも不安そうな顔で俺の横に大人しく座っていた。
「私にも報告は来たけど、今一度皆にも言うわね。
6冊目が過去の記憶を取り戻して、2冊目の元に行ったみたい。」
その言葉を聞いて、15冊目達は「え?」みたいな顔になる。
トワも似たような表情になった。
「あのぅ・・・僕達は6冊目のことはよく知らないんですが、
確か6冊目はトリア先生側になっていた上巻クラスの本喰人ですよね?」
「それからつい最近までは、トワちゃん達とも一緒に行動していたと聞きましたが?」
重い空気の中でダイスとベリーがそれぞれ確認するように俺とトリア先生に質問した。
俺は頷き、トリア先生に代わって2人に答える。
「その通りだ。6冊目・・・今の俺には師匠でもあるが・・・
最近までは一緒に日本に居て、行動を共にしていた。
俺や24冊目と50冊目は修行までして貰ったばっかりだ。
今は9冊目がいるイギリスに居て貰ったはずだったんだが・・・」
「そこまで共に行動していたのに、
今聞いた話では6冊目は2冊目側に寝返ったかもと言うんですか?」
「俺の知り合いが報告してくれた限りでは・・・
非常に残念だが・・・その可能性が高いってことだ・・・」
俺はベリーの鋭い視線を感じながら、
どうしてこうなってしまったんだと悔しいような気持ちになった。
俺だって正直言って、今も信じられない。
師匠が、あの師匠が2冊目の元に行っただなんて。
しかし師匠をよく知らない15冊目達からすれば、ようやく俺達を信じてくれるようになったのに、
疑う要素が新たにまた出来てしまったことだろう。
本当に嫌なタイミングだ。この状況は。
2冊目もわざとこのタイミングを狙って、師匠のとこに行ったんだろうな。
「僕達は話でしか6冊目を知らないから、何とも言えないけどさ・・・
過去の記憶を取り戻しただけで、すぐに2冊目の仲間に戻ってしまうほど、
その言い方が悪くてごめんだけど、軽率?な本喰人だったの?」
「俺もそこが疑問です。十二さんの話を聞く限りでは、
自分にもかなり厳しい性格で、それでも懐の深い本喰人だったと、
とても裏切るような方ではなかったと聞いてますが・・・」
「そうね・・・十二達もそう思っていたから、混乱していると思うわ。」
トリア先生はベリー達の言葉を聞き、悲しそうな顔をしながらも同時に歪んだ表情になる。
俺はそれを見て、トリア先生にとっても、
今回の事はかなり予想外な事態になったんだろうと察した。
「私達が想像している以上に、過去に6冊目と2冊目が交わした、
何か約束したものが大きかったのかもしれないわ。」
「約束ですか?師匠が2冊目に・・・?」
俺はトリア先生の言葉を聞いて、それが重大な鍵なんだろうと思った。
それがわからない限り、俺達では師匠のことは対処が出来ない気もする。
師匠は過去にあの2冊目とどんな約束をしたのだろうか?
今までの俺達との関係をあっさり切れる程の大事なものなのだろうか・・・
考える程に俺は胸が苦しくなった。