第9章「交錯しあう気持ちと確認」

「あれ?どっかのお店に入ってなかったの?」
「うん。ちょっと知り合いから電話があってね。
思いのほか、話し込んでたみたいだ。」
「そう?あ!ほら!鍵貰ってきたから、おじいちゃんの家に行こうか!」
「うん、行こうか。でも良かったね。30分くらいで帰ってこれて。」
「もうー本当よー!お母さんったら、十君は来ないの?!って、
私への第一声がこれよ?ありえる?まずは娘の心配しなさいって言うの!」
「あはは。自分はそんなにサキのお母さんに好かれてたのか。」
「うーん、やっぱりお母さんも十には何か感じるものがあるのかな?
お母さんもおじいちゃんから、本喰人の話を聞いてるから・・・」
「どうなんだろうね?確かにサキのお母さんは自分に好意的に接してくれてるのは感じるけど。」
「へぇーそうなのねぇ・・・」
「うん?どうしたの?」
「今後、私よりお母さんに惚れたりとかやめてよ?」
「ぶっ?!!な、何を言い出すんだい、サキは・・・」
「ま、そんな冗談はさておき、行きましょうか?」
「サキは全く・・・嫉妬深いな・・・」

自分はサキの嫉妬発言に少し苦笑いしながら、サキの祖父の家に向かった。
また電車やバスに乗ったりして、約2時間後くらいに、自分達はサキの祖父の家に着いた。
サキは久しぶりに来た祖父の家に入れるのが嬉しいのか、
軽やかな足取りで祖父の家の玄関を開ける。
そして自分を置いて、さっさと家に上がってしまった。

「うわー久しぶりに来たけど、ちょっと埃っぽいわねぇー私は窓とか開けるからさー
十はゆっくり上がって来てー」
「はーい!わかったよーサキ!」

大声で呼びかけてくるサキに自分も大声で返事をする。
サキの祖父の家に上がると、自分は何か違和感を覚えた。

「これは・・・もしかして・・・?!」

特別な本の匂いがしたのだ。
しかもそれは、「特殊な本」や「禁断の本」とはまた違う匂い。
自分が少しずつだが、その匂いで興奮してきているのがわかった。

「サキ!君の祖父の書斎とか、本がある場所はどこだい?!」
「え?こっちよ?」

自分が少し大きめな声でサキに尋ねたので、サキが驚いた顔をしていた。
急ぎ足で自分の元に戻ってきてくれたサキは、
自分が希望していた場所にすぐ案内してくれた。

「ここがまず祖父の書斎ね。」
「ここが・・・」

自分はサキに案内されて、サキの許可を貰って、すぐに書斎の中を物色する。
サキは不思議そうな顔をして、自分の行動を見守っていた。

「どうしたの?十?何かこの部屋にありそうなの?」
「うん。この部屋から何か匂いを感じるんだ。」
「匂い?本喰人にしかわからない感じの?」
「そんなとこだね。自分も初めて嗅いだ匂いだから、
上手く説明出来ないんだ。でも良い匂いではあるんだ。」
「へぇー」

サキは興味深々な顔になって、一緒にその正体を探す手伝いをしてくれた。
部屋の隅々まで確認した為、結構な時間はかかったが、
自分とサキは意外な物を見つけることが出来た。




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