第9章「交錯しあう気持ちと確認」
「ところで1冊目は、何でこの場所に自分を招いたんですか?」
自分は次に聞いておきたいことを1冊目に聞いてみた。
1冊目は薄っすらと笑うと自分の表情を見てくる。
やっぱりただゆっくり会話したいから、ここに連れてきたわけでもないようだ。
「今日のお前は勘が良いようだな。」
「どういう意味ですか?」
「深い意味はない。俺がそう思っただけさ。」
「1冊目・・・はぐらかさないでちゃんと答えて下さい。」
「そう怒るな。お前をこの部屋に連れてきたのは、
今後の為にお前にこの部屋を譲ってやる為さ。」
「え?1冊目が自分にこの部屋をですか?」
「そうとも。今後はお前の好きに使っていい。」
「いきなりそんな事を言われましても・・・」
自分は1冊目の突然の言葉に戸惑った。
長い間1冊目の元に居て、様々な経験をしてきたつもりだが、
こうして部屋を与えて貰ったのは初めてのことだった。
「やっぱり突然ある日に返せとか言われても無理ですよ?」
「あはは。そんな意地悪なことをしないよ。好きに使え。
いざと言う時は、お前の彼女をここで匿うのにも役に立つはずだ。」
「自分の彼女の事まで考えてくれていたんですか?」
「当たり前だろう?2冊目が過去に12冊目を可愛がっているように、
俺からしたら、俺なりにお前を大事にしてきたつもりだよ。」
「急にそんな事を言う1冊目に、違和感しか感じませんが・・・」
あんなにいつもは自由奔放で、他人の事など気遣う様子もなかった1冊目が、
今日に限っては信じられないくらいに優しい。
自分は一瞬この目の前にいる1冊目は偽者なのではないかと、疑いたくなりそうだった。
2冊目が本格的に動き出したことが、普段の1冊目を冷静でいさせなくしているのだろうか?
自分が訝しんだ顔で1冊目を見ていると、
1冊目はそれに気づき苦笑いをする。
「出来る限りの保険はかけておきたいってところさ。
だから変に俺を疑うな。な?」
「ま・・・そう言うのなら、有難くこの部屋は使わせて貰いますけど。」
「状況が状況なら、トリアをここに匿って貰うこともあるかもしれないからな。」
「そんな深刻な状況にまでならないようにしたいとこですけどね。」
「それは俺だってお前と同じ思いだ。」
いつもの飄々とした態度と違い、最後にそう言った1冊目の顔は久しぶりに真面目な顔だった。
逆にそんな真面目な1冊目の顔に自分は大きな不安を感じた。
これから先、一体何が起きるのか。
2冊目はどんなことを仕掛けてくるのか。
自分も出来る限りのことは、1冊目と相談してやっておかなければならないだろう。
自分は次に聞いておきたいことを1冊目に聞いてみた。
1冊目は薄っすらと笑うと自分の表情を見てくる。
やっぱりただゆっくり会話したいから、ここに連れてきたわけでもないようだ。
「今日のお前は勘が良いようだな。」
「どういう意味ですか?」
「深い意味はない。俺がそう思っただけさ。」
「1冊目・・・はぐらかさないでちゃんと答えて下さい。」
「そう怒るな。お前をこの部屋に連れてきたのは、
今後の為にお前にこの部屋を譲ってやる為さ。」
「え?1冊目が自分にこの部屋をですか?」
「そうとも。今後はお前の好きに使っていい。」
「いきなりそんな事を言われましても・・・」
自分は1冊目の突然の言葉に戸惑った。
長い間1冊目の元に居て、様々な経験をしてきたつもりだが、
こうして部屋を与えて貰ったのは初めてのことだった。
「やっぱり突然ある日に返せとか言われても無理ですよ?」
「あはは。そんな意地悪なことをしないよ。好きに使え。
いざと言う時は、お前の彼女をここで匿うのにも役に立つはずだ。」
「自分の彼女の事まで考えてくれていたんですか?」
「当たり前だろう?2冊目が過去に12冊目を可愛がっているように、
俺からしたら、俺なりにお前を大事にしてきたつもりだよ。」
「急にそんな事を言う1冊目に、違和感しか感じませんが・・・」
あんなにいつもは自由奔放で、他人の事など気遣う様子もなかった1冊目が、
今日に限っては信じられないくらいに優しい。
自分は一瞬この目の前にいる1冊目は偽者なのではないかと、疑いたくなりそうだった。
2冊目が本格的に動き出したことが、普段の1冊目を冷静でいさせなくしているのだろうか?
自分が訝しんだ顔で1冊目を見ていると、
1冊目はそれに気づき苦笑いをする。
「出来る限りの保険はかけておきたいってところさ。
だから変に俺を疑うな。な?」
「ま・・・そう言うのなら、有難くこの部屋は使わせて貰いますけど。」
「状況が状況なら、トリアをここに匿って貰うこともあるかもしれないからな。」
「そんな深刻な状況にまでならないようにしたいとこですけどね。」
「それは俺だってお前と同じ思いだ。」
いつもの飄々とした態度と違い、最後にそう言った1冊目の顔は久しぶりに真面目な顔だった。
逆にそんな真面目な1冊目の顔に自分は大きな不安を感じた。
これから先、一体何が起きるのか。
2冊目はどんなことを仕掛けてくるのか。
自分も出来る限りのことは、1冊目と相談してやっておかなければならないだろう。