第9章「交錯しあう気持ちと確認」
※十視点に変更
「やっと長年ぶりに事は大きく動くかもしれないな。」
「それは12冊目のことを言ってるんですか?」
「12冊目のことだけではない。
4冊目も、最悪の場合は6冊目にも良くない影響が出るかもしれない。」
「六にも・・・最悪の場合と言うことは・・・」
「遥か昔のように、2冊目を親友だと思い込み、2冊目に手を貸すかもしれないな。」
「そんな・・・今更になってですか?」
「お前が思うよりも、2冊目と6冊目には深い絆があるんだよ。
2冊目と12冊目の関係以上にな。」
「どんな絆だって言うんですか?」
「そればかりは俺が答えられるわけがない。」
「ならもし六がそうなったら、誰も止めれる手段はないと?」
「何とも言えない。あの記憶を無くした後の6冊目の今までの行動に賭けるしかないな。」
「・・・・・・・・」
空港で十二達を見送った後で、自分はやっと1冊目と再会出来た。
しかし自分が望んだ形ではない。
1冊目は基本的には気まぐれだから、どうにか連絡は取り合うことが出来ても、
実際に会うとなるとこっちの予定通りにならない方が多い。
今回も自分的には空港で会うつもりはなかったのに、1冊目は空港に来ていた。
もしかしたら、1冊目も自分とは違う場所で十二達を見送ったのかもしれない。
「とにかく今は何もこちらではすることがないよ。
いや何も出来ないと言うべきかな?
それよりもお前はお前でやりたいことがあるんだろう?」
「はい。知り合いを頼って、少し調べたいことがあります。」
「ソロモニア一族の末裔かもしれないってアレか?」
「確実にとは言えませんが・・・可能性は高そうです。」
「ほう。ならお前はそれを調べたらいい。俺もトリアも何も反対しないよ。」
「わかりました。ならそうします。」
「ところで知り合いとは随分と冷たい言い方じゃないか?
お前の彼女なんだろう?その人間の娘は?」
「むぅ・・・はい。」
「ほうほう。」
1冊目は自分にそう確認すると、何やらニヤニヤとした顔になる。
こうした顔をされる時は自分的には良い事がない。
大体からかってくることが大半だ。
「6冊目にしても、お前にしても、大事な存在が出来ることはいいことだ。
その反面で弱点にもなりかねないが。」
「意外です。てっきり自分の交際は反対されるかと思いました。」
「何故?反対などするものか。
我々、本喰人だって、誰かを愛することはあってもおかしくはないんだ。
初代だって一種の「愛」があったからこそ、我々を生み出したんだからな。」
「愛ですか?」
「ああ。それが実にシンプルな答えさ。
あいつ・・・2冊目は素直に認めないだろうがな。」
1冊目は2冊目を思い出し、自分にそう語った。
時々複雑そうに笑うのだ。1冊目は。
2冊目との関係にいつも悩んでいるように。
「やっと長年ぶりに事は大きく動くかもしれないな。」
「それは12冊目のことを言ってるんですか?」
「12冊目のことだけではない。
4冊目も、最悪の場合は6冊目にも良くない影響が出るかもしれない。」
「六にも・・・最悪の場合と言うことは・・・」
「遥か昔のように、2冊目を親友だと思い込み、2冊目に手を貸すかもしれないな。」
「そんな・・・今更になってですか?」
「お前が思うよりも、2冊目と6冊目には深い絆があるんだよ。
2冊目と12冊目の関係以上にな。」
「どんな絆だって言うんですか?」
「そればかりは俺が答えられるわけがない。」
「ならもし六がそうなったら、誰も止めれる手段はないと?」
「何とも言えない。あの記憶を無くした後の6冊目の今までの行動に賭けるしかないな。」
「・・・・・・・・」
空港で十二達を見送った後で、自分はやっと1冊目と再会出来た。
しかし自分が望んだ形ではない。
1冊目は基本的には気まぐれだから、どうにか連絡は取り合うことが出来ても、
実際に会うとなるとこっちの予定通りにならない方が多い。
今回も自分的には空港で会うつもりはなかったのに、1冊目は空港に来ていた。
もしかしたら、1冊目も自分とは違う場所で十二達を見送ったのかもしれない。
「とにかく今は何もこちらではすることがないよ。
いや何も出来ないと言うべきかな?
それよりもお前はお前でやりたいことがあるんだろう?」
「はい。知り合いを頼って、少し調べたいことがあります。」
「ソロモニア一族の末裔かもしれないってアレか?」
「確実にとは言えませんが・・・可能性は高そうです。」
「ほう。ならお前はそれを調べたらいい。俺もトリアも何も反対しないよ。」
「わかりました。ならそうします。」
「ところで知り合いとは随分と冷たい言い方じゃないか?
お前の彼女なんだろう?その人間の娘は?」
「むぅ・・・はい。」
「ほうほう。」
1冊目は自分にそう確認すると、何やらニヤニヤとした顔になる。
こうした顔をされる時は自分的には良い事がない。
大体からかってくることが大半だ。
「6冊目にしても、お前にしても、大事な存在が出来ることはいいことだ。
その反面で弱点にもなりかねないが。」
「意外です。てっきり自分の交際は反対されるかと思いました。」
「何故?反対などするものか。
我々、本喰人だって、誰かを愛することはあってもおかしくはないんだ。
初代だって一種の「愛」があったからこそ、我々を生み出したんだからな。」
「愛ですか?」
「ああ。それが実にシンプルな答えさ。
あいつ・・・2冊目は素直に認めないだろうがな。」
1冊目は2冊目を思い出し、自分にそう語った。
時々複雑そうに笑うのだ。1冊目は。
2冊目との関係にいつも悩んでいるように。