第9章「交錯しあう気持ちと確認」
また夢の中か・・・と拙者はなんとか理解する。
あの時2冊目から聞いた言葉で拙者は情けなくも、2冊目の前で気絶したのだ。
ただの一言で拙者は想像を絶するほどの衝撃を受けてしまった。
あの一言で今まで思い出せなかった、失った自分の過去を一気に思い出す。
まるで長い夢からやっと醒めるような気分だ。
「今回は計画を諦めろか・・・結局はお前達も私を最後には裏切ると言うわけか・・・」
「違う!そうではない!!」
「何が違うんだ?最終的にはあの女の言葉をお前等は信じたんだろうが!!!」
2冊目がいつも大事に手に収めていた本が、拙者達の足元に乱暴に投げられる。
こんな態度を見たのは生まれて初めてのことだ。
激しく怒りを露わにしたツヴァイに罵倒され、拙者もツヴェルフも黙るしかなかった。
今見てるこの場面は、拙者とツヴェルフがツヴァイを初めて説得した日だな。
あんなにも自分の感情を剝き出しに怒ったツヴァイを、
拙者もツヴェルフも見たことがないので、2冊して動揺したものだ。
拙者も当時の十二も、あの時は死を覚悟して説得しに行ったな。
「お前がガチ切れするのはわかってたよ。
でもな・・・それでも今回の計画では、お前の望んだモノは、
絶対に手に入らないんだとよ。」
「何故そう言い切れる?あの女の戯言だろう?」
「いやただの戯言じゃない。
あの女は・・・ツヴァイは認めたくないだろうが、ソロモニア一族初代の代理だ。
そんで、それを示す様に俺達では勝てない力も持っていやがる。」
「フッ。随分と腑抜けになったじゃないか?
それで倒せないから、その女の言葉を信じるだけでなく、
手先にまで成り下がったのか?ツヴェルフ。」
「いい加減にせいツヴァイ。ツヴェルフの言う事は真実だ。
あの女の手先になったから言うのではない。
お前に恨まれるとわかっていても、真実を伝えにきたのだ。」
「で、ゼクスも一緒に来たと言う訳か?ツヴェルフとその女の言葉を信じて・・・」
「余も最初は認めるつもりはなかった。だが、あの女・・・
イレーネと言う小娘は確かに特殊な力を持っておる。
それは1冊目も3冊目も認めている。
認めていないのは・・・ツヴァイお前だけだ。」
「・・・・・・・」
拙者がそう言うと、ツヴァイは沈黙してしまった。
その後はツヴェルフも拙者も、何も隠す事などはなく、
ツヴァイを親友だと思って全て話をした。
顔に残った憎しみの表情は消えることはなかったが、
それでも敵の情報は貰おうと2冊目はしばらく黙って、
拙者達の言葉を聞いていた。
「なら、その女と私も、もう一度話してみようじゃないか。
どうして私が得た方法では、幻の0冊目は呼び出せないのかをな。」
拙者達の長い説得の後に、無表情な顔で2冊目は呟くように言った。
拙者もツヴェルフも、この2冊目の言葉でホッとしたのは間違いない。
2冊目から歩み寄るような行動を示したのだから。
あの時2冊目から聞いた言葉で拙者は情けなくも、2冊目の前で気絶したのだ。
ただの一言で拙者は想像を絶するほどの衝撃を受けてしまった。
あの一言で今まで思い出せなかった、失った自分の過去を一気に思い出す。
まるで長い夢からやっと醒めるような気分だ。
「今回は計画を諦めろか・・・結局はお前達も私を最後には裏切ると言うわけか・・・」
「違う!そうではない!!」
「何が違うんだ?最終的にはあの女の言葉をお前等は信じたんだろうが!!!」
2冊目がいつも大事に手に収めていた本が、拙者達の足元に乱暴に投げられる。
こんな態度を見たのは生まれて初めてのことだ。
激しく怒りを露わにしたツヴァイに罵倒され、拙者もツヴェルフも黙るしかなかった。
今見てるこの場面は、拙者とツヴェルフがツヴァイを初めて説得した日だな。
あんなにも自分の感情を剝き出しに怒ったツヴァイを、
拙者もツヴェルフも見たことがないので、2冊して動揺したものだ。
拙者も当時の十二も、あの時は死を覚悟して説得しに行ったな。
「お前がガチ切れするのはわかってたよ。
でもな・・・それでも今回の計画では、お前の望んだモノは、
絶対に手に入らないんだとよ。」
「何故そう言い切れる?あの女の戯言だろう?」
「いやただの戯言じゃない。
あの女は・・・ツヴァイは認めたくないだろうが、ソロモニア一族初代の代理だ。
そんで、それを示す様に俺達では勝てない力も持っていやがる。」
「フッ。随分と腑抜けになったじゃないか?
それで倒せないから、その女の言葉を信じるだけでなく、
手先にまで成り下がったのか?ツヴェルフ。」
「いい加減にせいツヴァイ。ツヴェルフの言う事は真実だ。
あの女の手先になったから言うのではない。
お前に恨まれるとわかっていても、真実を伝えにきたのだ。」
「で、ゼクスも一緒に来たと言う訳か?ツヴェルフとその女の言葉を信じて・・・」
「余も最初は認めるつもりはなかった。だが、あの女・・・
イレーネと言う小娘は確かに特殊な力を持っておる。
それは1冊目も3冊目も認めている。
認めていないのは・・・ツヴァイお前だけだ。」
「・・・・・・・」
拙者がそう言うと、ツヴァイは沈黙してしまった。
その後はツヴェルフも拙者も、何も隠す事などはなく、
ツヴァイを親友だと思って全て話をした。
顔に残った憎しみの表情は消えることはなかったが、
それでも敵の情報は貰おうと2冊目はしばらく黙って、
拙者達の言葉を聞いていた。
「なら、その女と私も、もう一度話してみようじゃないか。
どうして私が得た方法では、幻の0冊目は呼び出せないのかをな。」
拙者達の長い説得の後に、無表情な顔で2冊目は呟くように言った。
拙者もツヴェルフも、この2冊目の言葉でホッとしたのは間違いない。
2冊目から歩み寄るような行動を示したのだから。